しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第28話「君はマイ・プレシャスワン!俺たちのマジ!」

YouTube見逃し配信】※2022年5月9日(月)まで


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 大人の思惑と、子供たちのやりたいこととのぶつかり合いはキッズアニメの定番。そしてプリマジにおいて、その中間に位置しているのがひゅーいです。故に、彼が動くと話も動くし種明かしもできる。本人的には大変な立場ですが、メタ的には美味しい立ち位置でもありますね。
 というわけで今週は再びのボーイズ回、そしてTVシリーズでは『アイドルタイムプリパラ』のWITH以来になるボーイズCGライブ。プリティーシリーズの十八番ともいえる展開に合わせ、物語も新たなステージへと進む重要回でした。

#28 『君はマイ・プレシャスワン!俺たちのマジ!』

脚本:坪田 文、絵コンテ:西田健一、演出:児玉和子

 かつて道人さんがひゅーいに語り、今なおひゅーいの行動理念になっているプリマジの成り立ち。こちらは視聴者的にも初めて聞く内容でしたが、おかげでこれまでふわっとしていた作中におけるプリマジの立ち位置についてようやく得心しました。要するに、本来のプリマジとは神事・祀りの儀式なんですね。「ダンスと歌とオシャレ」からなるパフォーマンスはシリーズの前提ですが、ここにきて作品に合わせた再定義がなされました。過去のシリーズとも差別化されていますし、「お祭り」の要素も上手く拾っているのがとても上手いなと思います。
 そして、マナマナとチュッピの関係についても少しずつ情報が開示されてきました。チュッピがワッチャを生み出し、ワッチャを使ってマナマナがチュッピに富を与える。かつてはそうしたパートナー関係が築かれていたようですが、長い時間の中で少しずつ諍いや争いが発生してしまったとのこと。順番が前後しますが、こうして発生した争いを治めるために誕生したのが「プリマジ」という神事なんですね。とはいえ、神話通りであるなら現時点でマナマナとチュッピがそれぞれの世界で断絶して暮らしていること、特にチュッピ側に魔法界やマナマナの情報が一切残っていないのが不思議です。この辺りは引き続き縦軸で引っ張るところだと思いますが、いずれにしても「2つの世界に暮らす2つの種族が、再び互いに手を取り合うこと」が作品としての最終目標だということは明確になってきました。だからこそ、1話からずっと「いっしょに」プリマジをやることが重要視されてきたんだなあというのも改めて感じるところですね。

 そして今週の最大のトピックはやはりひゅーいと橙真のユニット、「TrutH」のプリマジデビューでしょう。橙真といっしょにプリマジがやりたかったひゅーいと、ひゅーいの気持ちに応えていっしょにプリマジをすることを決めた橙真。演出的にも明確に1話のまつりとみゃむに重ねられていましたが、彼らについても「いっしょに」プリマジをやることが大事なんだというのは変わらず徹底されています。根本的な作風として大人たちの陰謀を強く描いている以上、どうしても大人の思惑の影響が混ざりがちではあるんですが、その中でも「何のためでもなく、自分たちがやりたいからプリマジをやる」という風に描こうとする意思は感じられたので良かったです。
 劇中におけるプリマジの成り立ちが分かったが故に「エンターテインメントとしてのプリマジ」が逆に語りにくくなった感もありますが(笑)、TrutHのライブは曲もパフォーマンスもとてもカッコよかったですね。もとよりプリマジの楽曲は客席と一緒に盛り上がるというよりはスタイリッシュに魅了するようなものが多いので、男子、というか男性アイドルに良く合っているように思います。たぶん楽曲には含まれていないと思うんですが、サビ前のひゅーいの「マナマナッ!」がめちゃくちゃ決まっててお気に入り。ちょっとアニメの話とは離れますが、リアルライブでも見てみたいですね。シリーズをまたいで男子括りのイベントとかも良いですが、女性声優と男性声優が同じステージで共演しているのを見られるのもプリティーライブの魅力なのでウィンターあたりで是非ご出演いただきたいところ。

 TrutHによってプリマジ界に持ち込まれたデュオの概念。彼らに端を発し、3クール目はやはりデュオ編となっていきそうです。OP/EDの映像を見るに、やはりまつり&あうる、ひな先輩&あまね様、れもん&みるきの組み合わせでしょうか。デュオというのは本質ではなく「チュッピとマナマナが同時にパフォーマンスすること」が大切なのでは?という気もしなくはないですが、シナリオ的にはマナマナは極力ステージに立たせないようにしようという流れですし、純粋に「デュオがやりたいからやる」というのもそれはそれで大切なのかなと。みゃむ&ひゅーい以外のマナマナの人間態(という言い方でいいのかわからないですが)やプリマジパフォーマンスは未だ伏せられている感じがありますが、過去シリーズに倣うのであれば今後のシーズンの目玉として準備していることでしょう。というわけで、まずはチュッピたちのデュエットによる化学反応を楽しみにしています。