しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

Thank You for Rhodanthe*'s Smile ~ 『Rhodanthe* Music Festival 2022 大感謝!!』感想



卒業おめでとう、Rhodanthe*

 アニメ「きんいろモザイク」から生まれた声優ユニットRhodanthe*。アニメ展開が一段落している時期でもユニットの活動は続いていましたが、原作の完結に伴って、アニメ同様に「卒業」の日を迎えました。

 ライブそのものの感想はこの後セットリストを振り返る形で書こうと思いますが、とにかく全てを出し切るぞという意気込みを強く感じる公演でした。時間にして4時間、完全新曲1曲を含む持ち曲全てを歌いきる大ボリューム。芸人集団を自称する「あの」Rhodanthe*がMCもそこそこにひたすら歌い続けたということからも、いかに物量のあるライブだったかが伝わるのではないでしょうか。

 今なお増え続ける声優ユニット界ですが、Rhodanthe*の立ち位置は独特だよなとつくづく思います。作品のために集まったメンバーではあるものの、きんモザはアイドルアニメどころか音楽アニメですらないので、アニメの再現みたいなことを売りにする(所謂"2.5次元"的な)存在ではないわけです。なので、同じコンテンツ系ユニットであってもそうしたジャンルとはユニットの特徴が全く異なるのが面白いところだよなと。じゃあ具体的にどういうところが魅力なんだろうと考えると、やっぱりメンバー間の仲の良さが大きいんじゃないかなと思います。プライベートでの交流エピソードがすごく多くて、本当に「仲良し友人グループ」がそのまま我々観客の前に出てきてくれているような感覚(仕事ぶりがプロフェッショナルなのは当然として)。そこから生まれるアットホームな空気感と、遠慮のないMCトークの楽しさがとても印象に残るユニットでした。そうした関係性や雰囲気は当然一朝一夕で生まれるものではないですし、長い時間の中で親睦が深まっていったのはもちろん、それぞれがしっかりとキャリアや年齢を重ねてきたからこそなんですよね。だから本当に、「伝説のアラサー女性声優ユニット」だったんだなと思います(笑)。

 ファイナルと宣言してのライブですから、当然寂しい気持ちもあります。でも、Rhodanthe*としてではなくとも6人がそれぞれに交流する機会はきっとこれからも(公私問わず)あることでしょうし、あくまで一つの区切りだよね、という気持ちも。そんな気持ちになるあたりも、「卒業」という言葉がピッタリな気がします。今回の公演はタイミングといい内容といい、まさに完全燃焼と言える素晴らしい卒業式でした。

 自分はと言えば、今更ながらにRSCに加入して過去アーカイブを少しずつ見ていたりします。全部をさらい切れるかはともかく、終わってしまうその時までにもう少しばかりRhodanthe*の想い出を増やしていけたらなと。(長年の軸になっていた印象の)RSC関連の活動をリアルタイムで追えてないあたりペタルを名乗るのはちょっと恐縮してしまうのですが、2016年元日の『FIRST*MODE』以来ずっとRhodanthe*の皆さんのことは親戚だと思って生きてきたので、これからも変わらず親戚として(笑)、6人それぞれのご活躍と仲良しエピソードを見守ることができたらいいなあと思います。それから、6人に留まらない5000人規模の同窓会をやるときには、"絶対笑顔"のみんなにまたお会い出来たら嬉しいですね。

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Thank You for Your Smile.

 そして、以下は久しぶりにセットリストに沿ってのライブ感想です。

ライブ感想~セットリスト振り返り

※以下、セットリストはリスアニ!のレポートを参考にしつつ一部表記修正などしています。

1.きんいろローダンセ/Rhodanthe*
2.Harmony/Rhodanthe*
3.シロツメクサの約束-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
4.Happy★Pretty★Clover-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 開幕ブロック。第一声はやはり「忘れ物はないですか?」からスタートでした。影ナレからすぐに始まったから自分含めて会場全体がバタバタしてしまったんですが(笑)、OPに相応しい一曲でしたね。舞降る金髪、もとい金テープもとても綺麗でした。
 ちなみに、ここまでの曲順はアルバム『大感謝』に沿っているんですよね。あのアルバムはリリースタイミングの関係でベストアルバム的な印象を(勝手に)抱いているんですが、意外とオリジナルアルバムっぽいというか、通しで聴くことを考えての曲順だなと思っているのでライブに転用しても良い流れになるなと思いました。もしかするとこのまま大感謝順か?という不安だけちょっとあったんですが、振り返ってみれば全くの杞憂でしたね。

5.はじまりいろスプラッシュ/西明日香 from Rhodanthe*
7.なついろモーニンググローリー/種田梨沙 from Rhodanthe*
8.全開マジカルパワー/内山夕実 from Rhodanthe*

 ここからしばらくはソロ/ユニット曲の流れ。前半は西ちゃん&種ちゃん&ゆみたさんです。この3人と言えばまあ、やはり「全力ダンサーズwith内山夕実」ですよね(笑)。FIRST*MODEの名シーンとして強く記憶に残っているのはもちろんなんですが、今おしゃモザのアーカイブとかを聞いていると想像以上にハイペースで掘り起こされていて笑ってしまいます。もしかしてこの人たち6年間途切れることなくこのネタ擦り続けてきたんですか!?という(笑)。まあ、そんな風にネタにできるのも曲のかっこよさとゆみたさんの素晴らしい歌唱力があるからということで。いろんな意味でRhodanthe*らしさの詰まった楽曲の一つですね。

9.きんいろ+ぎんいろモクセイ/田中真奈美 from Rhodanthe*東山奈央 from Rhodanthe*
10.わたしいろダリア/東山奈央 from Rhodanthe*
11.こはくいろパンプキン/諏訪彩花 from Rhodanthe*
12.秘密のテレパシー/田中真奈美 from Rhodanthe*
13.祭りデス☆クリスマス!!/東山奈央 from Rhodanthe*

 ソロ/ユニット後半部はきんぱツインズ&穂乃花の組み合わせ。あんまり意識してなかったんですが、全開マジカルパワー組と祭りデス組で綺麗に3:3に分かれてたんですね。きんいろ+ぎんいろモクセイの登場時に全力ダンサーズを引きずっているあたりは流石のフリ回収能力でした(笑)。
 祭りデス☆クリスマス!!もFIRST*MODEの演出踏襲で、サビの振りについては観客へのレクチャーあり。簡単にできる振りコピが好きな身としてはやはりこういうのは楽しくなっちゃいますね。また、今回バックダンサーの2人は和太鼓ではなく応援うちわを持ってのサポート。つくりが細かくて笑いましたし、特に穂乃花に関してはキャライメージにもあってる気がするなと思ったり。

14.なぎさいろハイビスカス/種田梨沙 from Rhodanthe*内山夕実 from Rhodanthe*
15.ももいろセレブレーション/西明日香 from Rhodanthe*田中真奈美 from Rhodanthe*
16.Your Voice-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
17.さつきいろハルジオン-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
18.ほしいろサザンクロス-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
19.はるいろアネモネ-Music Festival Ver.-/東山奈央 from Rhodanthe*
20.ゆめいろハナミズキ-Music Festival Ver.-/東山奈央 from Rhodanthe*

 デュエット曲を挟みつつRhodanthe*が再集合し、中盤のクライマックス。人気曲ラッシュですね。さつきいろハルジオン終わりのポーズがダサくて愛おしいなあと思っていたら、そのままクソダサダンスでお馴染みほしいろサザンクロスに突入するあたりが好きでした。ただ、振付で言うとさつきいろハルジオンの時に「夕実ステップ」の概念を失念していたのはちょっともったいないなかった気もします(笑)。
 また、全体曲を続けた後にノンストップで曲を続けるのが我らが東山奈央さんなのが流石!と思ったので印象に残っています。別コンテンツだったりソロ活動だったりでの印象もあってですが、僕は東山さんのことをこの業界のレジェンドだと思っているので。やや脱線しますが、そんな東山さんが末っ子の「奈央ちゃん」になるのもRhodanthe*の魅力の一つだなあと思ったりもします。
 それから、今回のライブで自分がいちばんうるっと来たのは実はYour Voice。「君と僕が今ここに出会えたこと」という歌詞に改めてグッと来てしまいました。出会えてよかったなあ。

21.憧れパラダイス-Music Festival Ver.-/西明日香 from Rhodanthe*
22.いろどりポインセチア-Music Festival Ver.-/西明日香 from Rhodanthe*
23.こがねいろハーベストムーン-Music Festival Ver.-/西明日香 from Rhodanthe*(ラストは全員)

 今回のライブの大きなハイライト、シノ(西ちゃん)曲メドレー。いろどりポインセチアからは何と舞台裏のグリーンバックに移動し、「イギリスからの中継」に切り替え。そしてこがねいろハーベストムーンでは「舞台裏ツアー」と称し、裏方に扮したメンバーたちと合流しつつステージに戻ってくるまでが映像(もちろんリアルタイム!)で届けられました。
 これは個人的な好みの話ですが、昨今のライブイベントはやはり同時配信というものが一般的になっていることもあって、「映像で見たときの楽しさ」についても演出する価値があるものだと思っています。今回の演出がそういったところから出てきた発想なのかはわからないですが、こうやって映像を活用した面白さを出してくれると無性に嬉しくなってしまうんですよね。とても好きなパートでした。

24.おたんじょうびのうた/Rhodanthe*
25.ぎんいろスノウドロップ-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
26.きみいろスノウフレーク-Music Festival Ver.-/田中真奈美 from Rhodanthe*
27.じゅんぱくいろシクラメン-Music Festival Ver.-/田中真奈美 from Rhodanthe*
28.つばきいろマイフレンド-Music Festival Ver.-/田中真奈美 from Rhodanthe*
29.こいいろアイリス-Music Festival Ver.-/種田梨沙 from Rhodanthe*諏訪彩花 from Rhodanthe*
30.さくらいろチェリッシュ-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
31.せいしゅんいろミモザ-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 ひとしきり盛り上がったので、次のブロックは基本的に着席してゆったりと。ライブだとどうしても盛り上げ曲が人気になってバラードだったりスローテンポの曲は使いどころが難しくなると思うんですが、今回はなにぶんボリュームがすごいのでこういうところで緩急をつけてもらえるのはありがたかったですね。体力回復ゾーン。もちろん、ただ休憩してるだけではなく気持ちはしっかりと歌に傾けることができました。そんな中でも驚きを与えてくれたのが種ちゃん&諏訪ちゃんでのこいいろアイリス。加入時期の都合上曲数が少ない諏訪ちゃんの出番をカバーする良いサプライズでした。
 それから、MCのタイミングでリリースはされていない"歌ネタ"的な「おたんじょうびのうた」を回収してくるあたりに執念めいたものを感じます(笑)。セットリスト記載はありませんでしたが、冒頭の影ナレでの「トーテムポールの歌」と「合格の舞」にも近いものを感じましたね。

32.Starring!!-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
33.きらめきいろサマーレインボー-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 佐藤聡美さんと大西沙織さんの先生コンビによる幕間映像を経て、後半戦の幕開け。選曲的にもなんだかアンコール気分だなと思いながら見ていましたが、まだ下手なライブ1公演分くらいの曲数が残っているのがすごい(笑)。ところで、Starring!!って最初のワンコーラスは全力ダンサーズwith内山夕実Pretty Daysのメイン3人だけで歌ってたんですね。恥ずかしながら普段はあまり歌割を意識しないで聴いているので、新しい発見でした。

34.みらいいろダンデライオン-Music Festival Ver.-/内山夕実 from Rhodanthe*
35.あじさいいろブルースカイ/内山夕実 from Rhodanthe*
36.あきいろスターマイン/内山夕実 from Rhodanthe*東山奈央 from Rhodanthe*

 待ってましたのゆみたさんオンステージ。スタンドマイクっていうのがまためちゃめちゃカッコよかったです。今回のライブ前後で再度認識したんですが、内山夕実さんの歌声は本当に聞いていて気持ちがいい。Rhodanthe*は卒業ですが、これからもどこかで歌を聴ける機会があったら嬉しいなと思います。
 あきいろスターマインは登場時の"陽子とカレン"のやりとりもとても素晴らしく。「5/8の空 横浜に咲く」への歌詞変更もかつてのライブを彷彿とさせる良いアレンジでした。

37.夕焼けいろコスモス-Music Festival Ver.-/種田梨沙 from Rhodanthe*
38.叶えてメリーゴーラウンド-Music Festival Ver.-/種田梨沙 from Rhodanthe*
39.みなつきいろジギタリス内山夕実 from Rhodanthe*(ラストは全員)
40.Shining Star-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 長いライブもいよいよラストスパート。ある意味ここまで温存されてきた曲ということで、流石の名曲揃いです。FIRST*MODEのDISC2でいちばん好きな叶えてメリーゴーラウンド、ライブに向けた予習(復習)で良さを再確認したみなつきいろジギタリス、2016年の個人的アニソン10選だったShining Starと、ラストの3曲は個人的にも大好きな曲続きでした。みなつきいろジギタリスについてはラストを全員歌唱にするライブアレンジも最高の一言。

41.Smiling Bouquet[新曲]/Rhodanthe*

 「これをやらなければRhodanthe*ではない」ことでお馴染みの"いいとも拍手"をMCで盛り込みつつ、ここで披露されたのがなんと完全新曲となる「Smiling Bouquet」。やや余談ですが、聞くところによると同じ飛犬のTridentさんも最終ライブで新曲を披露したとか。そちらも全曲ライブだったようなので、今回のRhodanthe*でも踏襲する形だったのかなと思います(ちゃんと調べてないのですが、コアスタッフが共通してたりするのかな?)。
 こちらはライブでの披露ももちろん良かったんですが、帰ってから音源で改めて聴くことでじんわりと歌詞が染みてくるのを感じました。「微睡む午後 夢を見た 笑い合って手をつなぐ夢」というDメロのフレーズがとても良いですね……。今回のライブだったり、Rhodanthe*の活動期間だったり、そういうものが本当に幸せな"夢"と感じられるのがすごく好きです。夢はある種の幻かもしれないけれど、だからこそ「いつかまた叶うように 歩き続けよう」と続くのにも心を打たれました。

42.My Best Friends-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
43.夢色パレード-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 新曲から続けて、いよいよ本編ラスト。TVアニメ2期のED・OP連続で締めくくりでした。Twitterとかだとたまに言ってるんですが、僕は「夢色パレード」が三度の飯より大好きで、なんなら日常系アニメ主題歌の完成形だと思ってます。ブラスとピアノのサウンドがどこまでもハッピーで、この上ない幸せが詰まった楽曲。だからこそ、思わず涙が零れるのもわかるなあと思いながら聴いてました。全曲そうなんですが、生バンドも最高でした!

44.オーバーチュア~イギリスへ
45.Jumping!! -Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 ここからはアンコール。1期1話冒頭を飾った劇伴「オーバーチュア~イギリスへ」を流すのがまたニクい演出。9年分を一気に振り返ったような気持ちになりますね。Jumping!!もまた、夢色パレードに負けず劣らず幸せで楽しい曲でした。タイトル通りにJumping!!するのがとても楽しかったですね。

46.にじいろアンダンテ-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
47.Cheers-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 各々が思いの丈をMCで語り、いよいよ最終盤を感じる卒業ソング2連続。あんまり意識していなかった歌詞が違う聞こえ方をするのもライブの醍醐味だと思いますが、にじいろアンダンテはまさにそれ。「これから100年だって好きだよ」という言葉がいつになく染み入りました。

48.Thank You for Your Smile-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*
49.Land of Hope and Glory-Music Festival Ver.-/Rhodanthe*

 最後を飾るのは、劇場版Thank You!!のEDだったThank You for Your Smile。キャラ名にかかった歌詞のところでそれぞれアピールしているのも楽しかったですし、みんな目に涙を浮かべながらも笑顔で歌っている様子がとても画になっていて、素敵なエンドロールのようでした。そこからLand of Hope and Gloryに続くのは映画の通り。これをもって、本当に全曲を歌い切った形ですね。
 先述したように僕は夢色パレード大好き人間なので絶対に夢色パレードで〆て欲しいと思ってたんですが、この時点で本当に体力を使い切っていたのでなかなかダブルアンコールも難しいくらいの状態だったんですよね(笑)。そういう意味では、こちらの想定を上回るだけの満足感を与えてくれたと言えるんじゃないかなと。予想とは違う形になりましたが、それでも問題なんかなにもないような、素晴らしい公演を見られたという充実した気持ちでいっぱいでした。

 最後のあいさつの際に「降りたら終わっちゃう!」とステージに残ろうとする姿からはやっぱり名残惜しさも感じましたが、いったん座ってみたり、同時に立とうと言って3, 2, 1……とカウントダウンしてみるも誰も立たなかったり(笑)、最後の最後を原先生や客席に向けての大感謝のお辞儀で締めくくったりと、どこまでもRhodanthe*らしさを貫いていたなと思います。涙もありつつ、やっぱり笑顔で終わる。Rhodanthe*にしかできない、Rhodanthe*ってすごいんだと再確認できる素晴らしい卒業ライブでした。なにぶん公演自体のボリュームがすごいので長くなりましたが、以上、ライブ感想でした!