しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

2025年 冬アニメ感想

 今年の末も話数10選記事を書きたいなあと思っているので、メモも兼ねてクールごとに雑感を書き残しておきたい。あんまり数を見る方じゃないので、冬はちょうど1日1本くらいのペースで見たいものがあって程よくアニメを見たなあという印象。ちなみに通年作品については書くか迷ったけど、いったんは1~2クールの夜帯アニメのみでまとめた。

 以下、順番は「オンエアの曜日順」……のはず。

花は咲く、修羅の如く

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 題材が「放送部」という点から音響面が取り沙汰されることが多く、イベントや作品ラジオでもキャスト同士で芝居について語る機会が多かったのが印象的。このところ声優オタク化が進んでいるのと、そもそも興味を持ったきっかけも藤寺美徳さん*1が座長を務めているという点だったのとで、視聴モチベーションと作品の売りががっちりハマったアニメだった。日常芝居・朗読・ナレーション・(劇中劇の)映像芝居という風に、場面に応じて異なる声の使い方を楽しめたのが嬉しい。また、映像についても申し分ない安定感だったと思う。

 一方で、お話はアニメ範囲だと放送部メンバーの当番回まわしが多く、大会を目前に終わってしまったので「朗読という競技」ならではの面白さを感じ取りきれなかったのがやや残念。あとは部内の恋愛模様も気になってたので、そこがこの先どのくらい掘り下げられるのかはちょっと気になるなあ。

 好きなエピソードは夏江杏と花奈が想いをぶつけ合う5話と、冬賀を軸にドラマ制作のこだわりを描いた8話。わりとわかりやすく山場の回だね。

ハニーレモンソーダ

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 1~2クール作品で夢中になるのってだいたい予想外のところから飛び出してくるもので、25年冬は完全にハニレモのクールだった。1話時点では少女漫画的な胸キュンパートを若干ギャグと紙一重のオモシロに感じていたんだけど、3話コンテ桜井弘明、5話(最終回も)コンテ山川吉樹というJ.C.STAFF大ベテランたちの各話参加に大喜びしているうちに本編にもすっかりのめり込み、三浦くんと石森ちゃんの恋模様を毎回悶えながら見守っていた。ちなみに、各話スタッフに関しては6話と11話でコンテ演出を担当した大畑清隆さんの印象があまりにも強烈だったことは言うまでもない。

 実は「八美津高校は本来石森が入るべき高校ではない」というのは至極その通りだと思ってしまうんだけど、そういうギャップがあるからこそ石森ちゃんが自分の居場所を獲得していく様がより魅力的に映るのもある。割とちゃんと治安が悪い高校なので、そこで育まれていく友情にはちょっとヤンキー学園ドラマみたいな魅力を感じたりもした。

 好きなエピソードはいろいろあるけど、演出が飛びぬけてキレキレだった6話と連絡先交換のやり取りでキュンが最高潮に達した8話をメモとして残しておく。

BanG Dream! Ave Mujica

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 ストーリーの原作が無いからこそ先が読めず、一方でTL内の注目度はずば抜けて高いというメディアミックスコンテンツ特有の魅力に、木曜23時という時間帯も重なってとにかくリアルタイム性が高かったアニメ。個人的にはMyGO!!!!!の頃から「ひとクセもふたクセもある美少女たち」がその「クセ」をぶつけ合うのが好きだったので、ムジカもお互いの主張のぶつかり合いで盤面がかき回されるときに大いに楽しませてもらった。ただ、そういう楽しみ方っていわゆる「消費」に寄っちゃってるとも思ってはいて、各話オンエア後の感想ポストを見て全然気づいてない要素があったりすると表面ばかりを面白がるのも良くないかなあと反省するときもあったり。

 好きなエピソードはモーティス表出までをものすごい緊張感で描いた3話、海鈴ムキムキの8話、そしてCRYCHIC復活派とムジカ復活派との争いで状況が目まぐるしく動いた9話。

アオのハコ(第2クール)

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 年を跨いで2クール目は、ちょうど雛がアタックを仕掛け、そして玉砕するまでの話として一区切りまとまっていた。OP/EDも雛仕様だったし。ラブコメとしてはすごくスローペースで進むな……という印象ながら、アニメの出来はとにかく手堅い。これはあんまり喜ばれない褒め言葉かもしれないから恐縮だけど、視聴にカロリーをあまり使わず楽しめるので割とありがたかった作品。2期も決まり、今後もロングスパンで楽しめそうなので引き続き見ていきたい。

 エピソード単位でどれが印象に、というのはあまりないけど、15話のラストからEDへの入りがとても良かったなというのは印象に残っている。それから、膠着した状況を引っ掻き回す役割を粛々とこなしている新キャラ・守屋菖蒲さんのことはだいぶ好き。

空色ユーティリティ

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 ゴルフを題材にしたオリジナルアニメ。描く方向性は初心者のエンジョイスポーツなので、スポーツアニメというよりは趣味アニメに近く、女子高生主人公と合わせて鉄板のジャンルをしっかりやりきった作品。映像・音楽共に清涼感や爽快感があって、作品全体に爽やかさと癒しの空気を感じられた。1クールを通して「ゴルフが好き」「アニメーションや美少女が好き」というポジティブな気持ちが伝わってくるフィルムだったと思う。

 好きなエピソードは趣味アニメの醍醐味・道具買い揃え回であると同時に美波の強かさも感じられる4話、程よくウェットなテイストも混ぜてこれまた「趣味」の本質を描いた9話、ツンツンお嬢様(日向)とぽやぽやお姉さん(美波)の掛け合いが楽しい11話。

魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~

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 2016年放送『魔法つかいプリキュア!』、まさかの第2期。1期はオンエア当時は終盤飛び飛びになりつつ見てはいて、この2期に合わせて先日復習したくらいの知識なのでそこまで深掘りできているわけではないけど、「主人公・視聴者メインターゲット層ともに成長しての続編」で作品の印象を保っている(="コレジャナイ続編"になっていない)のは結構すごいことだと思う。基本フォーマットはニチアサのそれとは異なるし、みらいもリコも大人にはなっているんだけど、それでもちゃんとみらいでリコだったというか。

 ちょっと惜しいのは、ひーちゃんやアイルといった新レギュラー組が後半退場気味だった点。アイルは最後に言及もあったのであのバランスで良いかなと思うんだけど、ひーちゃんに関しては……最終的に共通人格として統合されるにしてはキャラ性がはーちゃんと違いすぎたので、「もっとはーちゃんと別キャラにする」か「もっとはーちゃんにする」のどっちかであって欲しかったかも。まあ、そうして惜しむのはそれだけひーちゃんが魅力的だった証でもあるんだけどね。

 好きなエピソードは、とにかくひーちゃんがカワイイ4話、ヤモーさんがカワイイ10話、長期クール最終回のような盛り上がりを見せた最終12話。

戦隊レッド 異世界冒険者になる

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 マーチャンダイジング要素を積極的に取り入れる点を筆頭に、圧倒的な「それっぽさ」を持った戦隊パロディで話題を呼んだ作品。先日アニメが最終回を迎えたタイミングで原作コミックス既刊を一気読みしたのだが、改めてアニメはかなりキズナファイブ側を盛った作りなんだなと思った。戦隊パロディはあくまでも作品の"前提"であって、本質は異世界転生ファンタジーとの掛け算の方にあると思うんだけど、せっかく映像媒体にするならキズナファイブをより詳細に描きたい、という気持ちもまたよくわかる。なのでこれはシンプルに原作をアニメに起こすというより、それぞれで異なる範囲に比重を置くメディアミックス的な方針がハマった例だと思う。両方をほぼ同時に楽しんだ身としては、いつかどこかで両サイドの戦士揃い踏み全員名乗りが見たいなあと思っている。

 良くも悪くもアニメ1エピソード単位でどれが好き、というのが発生しにくい構成だった気がするけど、序盤の比較的単話でまとまっていたエピソード(2話、4話)と、レッド(戦隊)・アメンという異なる異世界戦士の違いを見せてバトルを盛り上げた10話を好きな回に挙げておく。ちなみに8話は強く印象に残るけど、ちょっと"変"すぎる笑。

総括

 特に好きだったのはハニレモと空ユ、次いで異世界レッド。あと、基本的にティーンが主人公のアニメばっかり見てるなと自覚したクールでもあった。ハニレモとアオのハコと花修羅は全部市ノ瀬加那さんが出てたりして、同期のリンクはその辺が楽しかった。

*1:「プリティーシリーズ」のオーディションでグランプリを獲得して声優デビューした経歴を持つ新人声優さん