しちさん21 (hatena)

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【映画感想】『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊』

Vシネマ超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』から実に20作以上の歴史を持つスーパー戦隊VSシリーズの最新作。
脚本はジュウオウジャーのメインライターを務める香村純子、監督は『199』以来のVSシリーズとなる竹本昇

[予告編]


[感想]
『トッキュウジャーVSキョウリュウジャー』『ニンニンジャーVSトッキュウジャー』と役者のスケジュールの都合をひしひしと感じる作品が続いていたので、まずは主要シーンでキャラが全員(顔出しで)揃っていることに感動しました。ストーリー進行において何人かに別れるときもレッド2人/ジュウオウ4人+キンジ/ニンニン4人+操と対称的な組み合わせで面白かったですね。

両戦隊のバランスについてはやはりそれぞれああいう性格なので、ジュウオウジャーニンニンジャーに振り回される、という形。ジュウオウ世界に放り込まれた故か多少ニンニンジャーのアホっぷりが際立っているような気はしましたが、ガチで襲いかかってきて誤解だと分かったら素直にごめんなさいする切り替えの早さはこいつらサバサバしてるなーといった感じで逆に好印象。それと、天晴くんに振り回されて大和先生が珍しくマジギレしかけるシーンがあるのですが「ああ、大和先生って大人だからまとめ役になってるけどけして聖人君子というわけじゃないんだよなー」というのが感じられて好きなシーンでした。

また、今年は両戦隊がいつになく本気で「VS」、対立しているのが印象的だったなあと思います。もちろん敵の罠によるものなんですが、ニンニンジャーが本気でジュウオウジャーを殺しにかかってるのがもはやシュールというか……(笑)。殺しにかかってるといえばルンルンが語る「妖怪・ジュウオウジャー」の殺し方もなかなかエグい描写で笑いました。そのくせ話してる声は可愛らしいのがまたなんとも。
そのため全体としては戦闘シーンの多い映画で、その分赤以外のジュウオウメンバーとニンニンメンバーの絡みが少ないのはやや残念なポイントだったかなあと。とはいえ、名乗り後の共闘シーンでこれでもかとコラボ感を出してくるのはさすが竹本監督といったところ。忍法や魔法(あとイーズィー)に興味を示すタスク、レオにタカちゃんみを感じる凪、みっちゃんとツーショットを撮るキンジなどなど……女子組がゲキアツダイオー用のオトモ忍を利用して動物コスプレを始めたのは特に上手いなあと思いましたね。憑依合体の術じゃないんかい!とも思いましたが(笑)。
そしてニンニンジャーと言えば!な親子三代変身は感動もの。ニンニンジャーのレギュラー勢では笹野さん藩さんの出演がなかったのは残念でしたが、矢柴さんが変身まで披露してくれたのはとても嬉しかったです。欲を言えば快晴くんの名乗り口上はもっとカッコよくして欲しかったかなとか、天晴くんの変身解除は完全にノリだけだなとかはありますが、宇都宮Pが親子三代にこだわってくれたというのは嬉しいですね。

恒例の新戦隊お披露目の第一印象は……うん、実際9人並んでるの見るとやっぱ多いなー、と(笑)。あとはレッドのキャラと緑の人の演技に不安が……とかありましたが、システム音声の軽快な感じとかはわりと好みっぽかったので何れにせよ放送まで楽しみにしておこうかなと思います。
あ、ちなみに声優キャストは伏せたままでした。掛け声くらいはあったような気がするけど分からなかったなあ……というか本人があててるのかも怪しいような?

歴代スーパー戦隊要素は最後の巨大戦にちょろっとだけ出てくる感じ。ライブマンに思い入れのある方ならまた違うんでしょうけれど、全体が普通にジュウオウジャーVSニンニンジャーだったので浮いちゃってるかなとは思いました。といっても邪魔になってるわけではないのでいいんですけどね。レジェンド空間はゴーカイジャーを思い出す演出で良かったです。

さきほどジュウオウジャーニンニンジャーのドラマ面での絡みが少ないかなと言いましたが、最後の素面キャスト14人勢揃いのシーンは非常に楽しくてお気に入り。みっちゃん友達できて良かったねとか、霞姉をナンパするレオに食ってかかる八雲くんとか、アムに引っかかりそうな凪とか色々ありましたし何よりタカ……天晴お前……!!!ってなる衝撃のラスト。せめて親父と妹には言っておけよと(笑)。

というわけで、ジュウオウジャーVSニンニンジャー。香村さんの初ニンニンジャーがどうなるかなと思っていましたが大きなキャラのぶれもなくニンニンジャーの空気を再現できていたと思いますし、2作品のコラボで見たいものもバッチリ抑えてあって満足。それと今思ったんですが、今回のニンニンジャーって言うほど「先輩」って感じはしないんですよね。それはけして悪い意味ではなく、それだけジュウオウジャーと並んでメインを張っていたんだなあと(少しだけとはいえ歴代スーパー戦隊要素があったことにも起因しているでしょうが)。変わらないニンニンジャーが見られたのが嬉しかったですね……てな感じで総括とさせていただきます。

以下文中に混ぜられなかった雑感。
・シノビマルの軽快なアクションめっちゃ好きだったのでやってくれて嬉しい
・相変わらず当然のように多用されるカクレンジャー手裏剣 
・エンディングダンス、やっぱり風花ちゃんとキンジだけ動きが全力
・30秒CMの最後の映像、本編での使い方が酷すぎて笑う
・演技面でなにかと言われ続けていた天晴役西川俊介さんだけど、パンフのジュウオウジャー座談会で「現場でいろんなアイディアを思いついては色々試していて、それで採用されたりしてるのがすごいと思う」って感じで褒められててなんだか感動する