しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

2023年の楽曲10選(+声優アーティスト楽曲大賞2023)

はじめに

 SpotifyYouTubeのプレイリストを貼っておきます。曲順は通して聴いた時の並びを意識しているつもり。

 配信無し楽曲の関係上、Spotifyは8曲・YouTubeは9曲となっています。

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* * *

 目次

  1. こっから/SixTONES
  2. ソラトレイト/岬 なこ
  3. Mandala/青山吉能
  4. 命の続き/22/7
  5. ニューサンス/sajou no hana
  6. Sheer Shimmer Summer/井口裕香
  7. Dear Shine Sky/吉武千颯
  8. Delightful Party/愛本りんく(CV:西尾夕香)、山手響子(CV:愛美)、出雲咲姫(CV:紡木吏佐)、瀬戸リカ(CV:平嶋夏海)、青柳 椿(CV:加藤里保菜)、桜田美夢(CV:反田葉月)
  9. はじまりの歌/早見沙織
  10. 忘れないでいてね/WEST.

番外:声優アーティスト楽曲大賞2023

  1. 愛さずにはいられない/入野自由
  2. ドラム式探査機/田所あずさ
  3. sugar/伊東健人

総括

こっから/SixTONES

作詞・作曲・編曲:佐伯youthK

TVドラマ『だが、情熱はある』主題歌

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 楽曲を手掛けるのはSixTONESとの縁もかなり深くなってきた佐伯youthKさん。いつものように遊び心満載のリリックが光るアグレッシブなラップソングです。全編に渡って泥臭い情熱が感じられるあたりはタイアップドラマとの親和性も高いですし、グループのカラーにも合致。話題性も高く、単純な「良い曲」を飛び越えてアーティストにブレイクスルーを起こすようなパワーを感じる1曲でした。

ソラトレイト/岬 なこ

作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:倉内達矢

1stアルバム『day to YOU』収録曲

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 透明感があって爽やかなサウンドと伸びやかなメロディは、女性声優アーティストソングのまさに王道と言える仕上がり。岬なこさんのアーティストデビューを鮮やかに彩りました。歌詞も素敵で、中でもお気に入りなのが<隣で青い私の想い触れ あきれていてほしい>というフレーズ。楽曲からも連想される"青"にデビューならではの若々しさや未来へのワクワクを乗せ、その夢の大きさでみんなを驚かせるんだという宣言を「あきれていてほしい」とまとめるセンスが胸に刺さりました。ファンクラブ名「となりになこ」に重ねる遊びも魅力的。

Mandala/青山吉能

作詞・作曲:矢吹香那 編曲:前口ワタル
1stアルバム『la valigia』収録曲

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 深夜ドライブに映えるようなクールなシティポップ。シンセサウンドと細やかなギターカッティングが特徴的で、青山さんのボーカルもどこか往年のJ-POPを彷彿とさせる歌唱になっています。ひたすらノリノリな間奏のシンセソロは、入る直前の"タメ"の上手さも相まって非常に気に入っているポイント。

命の続き/22/7

作詞:秋元 康 作曲・編曲:Agasa.K, Yuta Sakai

10thシングル『神様だって決められない』収録曲

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 硬質なピアノリフに載せ、一人ひとりが「命」の価値観を語り出すイントロに思わず耳を奪われてしまう。絶望を含んだ歌詞、そして台詞を肝とした曲作りというナナニジの特色が、また一段上のレベルへと昇華された楽曲です。彼女たちもクセのあるアーティストですが、その分クリティカルヒットしたときの魅力もまた大きいですね。台詞の多さゆえ、ライブパフォーマンスでの気持ちの込め方も印象的。

ニューサンス/sajou no hana

作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:sajou no hana

TVアニメ『スパイ教室』2nd Seasonエンディングテーマ

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 「厄介者」を意味するニューサンス(nuisance)というタイトルの通りメロにもリリックにも歌唱にも癖の強さは感じさせつつ、全てにおいてキャッチーさも残す楽曲。<言えない癒えない鏡のせい><見れない消えない汚れた生>というサビ冒頭の韻の踏み方も、<覚悟は隠さず>の<覚(kaku)>が1音に収まっている感じも大変よく耳に馴染みます。

Sheer Shimmer Summer/井口裕香

作詞:六ツ見純代 作曲・編曲:鶴﨑輝一

2ndミニアルバム『キミがキミでキミなんだよ』収録曲

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 梅雨が明け、来る夏へと期待を高まらせるとある日の夕暮れ――そんな一瞬を切り取ったような初夏のポップソング。しっかりとメロには載せているのでポエトリーとは違うんですが、「歌声」と「喋り声」を行ったり来たりするようなボーカルの作り方が印象的で、声優ソングならではの個性的な楽曲になっていると思います。個人的には2023年で最も「もっと知られてほしい」楽曲。

 バックのサウンドも盛り過ぎず、それでいてキラキラした雰囲気はきちんと出ているのが魅力的。全体から引き算の美学を感じる1曲でした。種々のスマホアプリを連想させる現代的なフレーズを多く取り込みながらも、変に陳腐化していない歌詞もお気に入り。

Dear Shine Sky/吉武千颯

作詞:大森祥子 作曲・編曲:ハマダコウキ

TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』後期エンディングテーマ

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 プリキュアEDは近年もずっと脂が乗っているような印象はありますが、こうもメロウな方向性で攻めてくるのはかなり久しぶりかなと。同じくハマダコウキさんが作編曲を担当した前期EDを彷彿とさせる間奏の仕掛けや、今年シンガーソングライターとしても大ブレイクのキタニタツヤさんによるベースプレイがさらに暴れだす2コーラス目などフルサイズの魅力も抜群。一方で、TVサイズ限定のしっとりしたイントロにもまた良さがありますね。

Delightful Party/愛本りんく(CV:西尾夕香)、山手響子(CV:愛美)、出雲咲姫(CV:紡木吏佐)、瀬戸リカ(CV:平嶋夏海)、青柳 椿(CV:加藤里保菜)、桜田美夢(CV:反田葉月)

作詞・作曲・編曲:PandaBoY

TVアニメ『D4DJ All Mix』最終回挿入歌

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 アイドル・音楽系アニメも多くあれど、TVアニメでの初披露イントロの時点で「この曲好きだな」と感じたのは久しぶりのことでした。「September」(Earth, Wind & Fire)*1を彷彿とさせるパーティーチューンで、自然と体が動くようなノリとクラップがとても心地良い楽曲。各グループの個性を表したラップパートもアニソンらしくて良かったですし、フルサイズの1コーラス終わりに入るスクラッチ音等のDJプレイも好みのツボにカチッとハマる感覚がありました。

はじまりの歌/早見沙織

作詞・作曲:早見沙織 編曲:大久保 薫
3rdアルバム『白と花束』収録曲

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 早見沙織さんが近年掲げる活動テーマ、【孤独や生きづらさを感じる人の心に寄り添い、光となる音楽を届ける】の集大成的な楽曲。暗闇の中にぽつりと灯るような優しいピアノの音に始まり、少しずつ加わるバックサウンドと力強さを増していく早見さんの歌唱が進むべき道を明るく照らしてくれます。壮大さと暖かさを兼ね備えた珠玉の1曲。

忘れないでいてね/WEST.

作詞・作曲:大橋ちっぽけ 編曲:岩崎隆一

9thアルバム『POWER』収録曲*2

 1曲1曲が粒ぞろいでありながらもコンパクトにまとまってもいて、名盤と呼べる出来だったアルバム『POWER』。その締めくくり*3に置かれていたのがこの曲でした。低音域で響くギターサウンドが耳に残りますが、それでいて軽快さも感じさせるポップなサウンドで気持ちよくアルバムを聴き終えることができます。2023年の彼らを取り巻く環境はまさしく激動でしたが、そんな今だからこそ<愛し方は忘れないでいてね>というフレーズは胸に留めておきたいなと。残念ながらWebで聴ける試聴は無さそうなので、ひとまずアルバムのリンクを貼っておきました。

番外:声優アーティスト楽曲大賞2023

 SNS上の有志によって投票/集計されている企画「声優アーティスト楽曲大賞」用に挙げた10曲*4のうち、上記10選には入らなかったものについてもせっかくなので選評を記載。10選のうち、SixTONES・sajou no hana・WEST.は非声優なので追加分は3曲です。

愛さずにはいられない/入野自由

作詞・作曲:大橋ちっぽけ 編曲:岩崎隆一

6thシングル『愛さずにはいられない』収録

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 大きな意味での"愛"を、ラフなサウンドに乗せて歌った入野自由さんの最新シングル。10選内「忘れないでいてね」と同じく大橋ちっぽけさん・岩崎隆一さんのタッグによる提供曲で、方向性として近しいものがあることから10選内での重複は避けましたが、逆に言うと片方が好きな方にはもう片方も聴いてほしい。個人的には「忘れないでいてね」から大橋ちっぽけさん本人のワークスに遡るくらいには気に入っていたので、もとより好きだった入野さんへの提供が発表されたときの驚きと喜びも印象深いです。

ドラム式探査機/田所あずさ

作詞:大木貢祐 作曲・編曲:神田ジョン

TVアニメ『神達に拾われた男2』エンディングテーマ

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 4thアルバム『Waver』で結実した音楽性を引き継ぐタイアップシングル。曲タイトルやジャケットの時点で既に並々ならぬセンスを感じますが、楽曲そのものも魅力抜群。イントロから始まるアコギのリフと、<なくは ないの あなた となら 巡り 巡る>と3音区切りで弾むようなBメロがイチオシです。

sugar/伊東健人

作詞・作曲・編曲:眞塩 楓

1stEP『華灯』収録曲

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 先行配信が1月と早めだったのもありますが、今年の男性声優楽曲でいちばん聴いたんじゃないかなという体感があります。ミドルテンポの曲に男声キーが上手くマッチし、何度も聴けるような落ち着きと色気が共存した楽曲でした。

総括

 変わらず声優音楽中心のリスニングをしていますが、今年はアーティスト単位・制作チーム単位で好んでいる方々のリリースも多く、だいぶ趣味に寄った選出になったかなという印象があります。岬なこさんが早見さんや井口さんらと同じスマイルデイズの制作でアーティストデビューされたのは個人的に今年の大きなトピックでしたし、意外と聴き込んではいなかったsajou no hanaもニューサンスをきっかけに従来の曲にも遡ったりしていました。sajouは2024年からはsanaさんを中心としたプロジェクトへと体制移行することが発表されましたが、ポジティブに捉えればよりフットワークが軽くなるということでもあるかなと。レーベルもKADOKAWAに移ってアニメタイアップが増えた感もあり、活動の幅をさらに広げていって欲しいなと思います。

 新しい出会いという意味では、「忘れないでいてね」の大橋ちっぽけさんが印象的でしたね。ご自身の名義でもアルバムをリリースされていて、そちらにも良い曲が多数収録されていました。楽曲提供から遡って聴いていくスタイルは今後もできるようにしたい所存です。

 昨年はサブスク配信ありで固めましたが、今年はSixTONESとWEST.も選出しました。ローカルオンリーだと聴き込みが浅くなってしまうんですが、特にWEST.の『POWER』は春先にだいぶリピートしましたね。Sexy Zoneも余裕があれば入れたかった。悩ましかったですね。*5

 コンテンツ系は自分の10選ではD4DJのみでしたが、他の方の10選を見ているとラブライブ!界のニューカマー・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが猛威を振るっているのがよくわかります。全盛期のリステを思い出す盛り上がり。先日開催された『アイラブ歌合戦』の影響も大きそうですが、こちらに関しては正直ナメててすまんかったというくらいの盛り上がりを見せているなと……来年はプリティーシリーズ新作も控えていますし、これを機にこの手のコンテンツ全体が盛り上がっていくと良いなと思います。

 以上、今年の楽曲10選でした。それでは皆さま良いお年を!

*1:

Earth, Wind & Fire - September (Official HD Video) - YouTube

*2:発売当時のアーティスト名義は「ジャニーズWEST

*3:形態違い楽曲を除いた分の最終トラック

*4:こちらは厳密なレギュレーションはないんですが、せっかくなので10曲で選びました

*5:候補は「Cream」でした