しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

2018秋アニメ - 折り返し雑感

 11月も2週目に入り、10月期からスタートしたアニメ群も着々と折り返し地点になってまいりました。なんとなくブログ強化月間なのもあるので、見ている分についてザックリと所感でも述べてみようかなと思います。全12作品で、順番は五十音順。評価は5段階、★は0.5。


1.あかねさす少女
公式サイト)(Abema TV)(dアニメストア

【視聴進捗度】6話
【満足度】☆☆☆★【今後の期待度】☆☆☆

【感想】
 アニメとスマホゲームの2本を軸に、メディアミックスで展開するオリジナル作品。並行世界SFを扱っており、主題歌等の雰囲気的にもハードめな作品かなあ……となかなか食指が進まなかったのですが、「2話毎に別の並行世界へ移動して、5人のヒロインの当番回を回していく」という非常にわかりやすいシリーズ構成なのが判明して一気にとっつきやすくなった感じがあります。伝わる人には一発で伝わるであろう言い方をすると、仮面ライダーディケイド形式ですね。各並行世界の突飛な舞台設定をはじめとして意外にコミカルな部分も多く、思ったよりも見やすい雰囲気でした。
 さて、並行世界作品らしいアピールポイントと言えば、「別世界の同じ人物」という存在。黒沢ともよさんが主演というところが視聴のきっかけとして大きかったので、同じ「明日架」で全く違うキャラを演じ分けているのを見られるのは嬉しいところ。各世界での振れ幅も大きいので、以降の世界の明日架も楽しみです。
 ワンエピソード単位での面白さで言うと、同キャラ大集合で実にカオスだった4,5話を今後超えられるかというのが若干心配なのですが、その分1クール全体としての縦軸の話を盛り上げてくれることに期待したいですね。


2.アニマエール!

【視聴進捗度】2話
【満足度】☆☆【今後の期待度】☆☆

【感想】
 いわゆる日常系アニメに分類されつつも、「チア」という題材でスポ根要素もある……のかなと思ったんですが、2話段階では正直どちらにも振り切れていない中途半端さを感じてしまうところ。きらら枠の売りのひとつであろう主題歌についても、良くも悪くも作品テーマに寄せられているので曲単体ではあまり刺さらないかなあという感じです。でもEDはちょっと好き。
 その中で視聴意欲を保つ理由としてはアイドルタイムプリパラ幸多みちる役で印象の強い山田唯菜さんがレギュラー出演されているからに他ならないわけですが……そういう意味では山田さんの演じる有馬ひづめさんがキャラ自体も魅力的なのは救い。大真面目な顔でポンコツぶりを発揮するところ、大変かわいいと思います。メインキャラが出揃うくらいまでは見てみたいところ。


3.SSSS.GRIDMAN

【視聴進捗度】4話
【満足度】☆☆☆★【今後の期待度】☆☆☆☆

【感想】
 個人的には「平成ライダーシリーズでお名前を拝見するものの、あまり良い印象のない長谷川圭一先生がシリーズ構成」ということで、別の環境だとどうなるのだろう?くらいの感覚で見始めたのですが、いつの間にやら今期トップクラスの話題作になっていた一作。TRIGGER制作ということもあり、大作と呼ぶにふさわしい雰囲気がありますので納得の結果ではあります。
 さて、まず言及しておきたいのは劇伴演出に関して。第1話の導入、グリッドマンの登場しない日常パートでは劇伴を一切使わない演出がなされました。キャストの芝居を筆頭に「劇中世界にある音」だけで空気感をつくりあげる采配と、それをハイレベルに実現する演出力・演技力に感激して諸手を挙げて絶賛したのですが、2話以降の日常パートもそれで行くのは違くない?と思う次第。というか、皆無ならまだ一貫してるけどちょこちょこ使ってるし。4話とか、六花が気になって尾行しちゃう裕太やグリッドマンの会話のシュールさなど、コミカルなシーンが多かったんだしもっと素直に演出してくれた方が好みだった気はします。
 肝心のシナリオ面については……気になる布石は打ってあるけどまだどうこう言える段階ではない、という感じでしょうか。アカネの捻じ曲がったキャラ造形については噂に聞く長谷川先生の作風が色濃く出ているなと思います。六花とアカネでドラマを展開するとグリッドマン同盟の立ち位置が薄くなるのではないかとも思いますので、裕太⇄六花の恋愛(?)だったり、現状あまり活かされていない記憶喪失などがどう絡んでくるのかに注目したいところ。盛り上がっていくであろう後半に向けて、期待値はやや高めにしておきます。

4.青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆☆★【今後の期待度】☆☆☆☆★

【感想】
 ヒロインの身に起こる「思春期症候群」なる怪現象を解決していく、ちょっとSF混じりの青春作品。自分の守備範囲でいうと神のみぞ知るセカイが近いかなという作風ですが、あまり見てないものも含めて考えると『<物語>シリーズ』『涼宮ハルヒあたりのちょっと前(今でもやっていますが)の王道ラノベアニメが該当しそうな印象です。
 ライトノベル原作らしく会話のノリが特徴的なので、そこで好き嫌いがバッサリ別れるかなーと思います。個人的にはアリだったので、なかなか楽しく見られている作品。江ノ島というロケーションも良く、画面が綺麗なのも好印象ですね。会話劇ということでキャストが大事になってくるわけですが、主演の石川界人さんをはじめ好きな役者さんが多くてここも嬉しいポイント。ヒロイン的には瀬戸麻沙美さん・種崎敦美さん両名のクールボイスが特に耳に心地よい……。種崎さん演じる双葉のメイン回が今後控えている(であろう)こともあり、期待値も高めです。


5.ソラとウミのアイダ

【視聴進捗度】6話
【満足度】☆☆【今後の期待度】☆☆☆

【感想】
 『あかねさす』同様ソーシャルゲームと連動している作品ですが、こちらは1年ほど前からゲームが配信中のようで、「ゲーム原作アニメ」といった位置付けの方が近いかもしれません。
 作風としては、良くも悪くも朝・夕キッズアニメのテイストに非常に近くなっているような気がします。スタッフを見ても、シリーズ構成の山田隆司さんを筆頭に久尾歩さん・山下憲一さんといったライター陣、そしてここまで全話で「アニメーション制作協力」としてクレジットされ、実制作を担当していると思われるスタジオコメットなどキッズアニメ経験の豊富なクレジットが目立ちます。そうした雰囲気は私も大好きですので全体的に嫌いではないんですが……シナリオについてはどうも引っかかる部分が多い印象。「日常パートでトラブルを巻き起こすも、そこでの行動が終盤のアクションパートの布石になる」という回と「終盤のピンチを救う謎の新戦士が現れて次回へ引く」回を同時にやった結果、「日常パートではトラブルを巻き起こし、終盤のピンチは謎の新戦士が解決するので主人公に見せ場はない」という謎のエピソードになった3話には衝撃を受けました。悪い意味で……
 などと文句を垂れてはいますが、先に申し上げたようにキッズアニメ風の雰囲気は肌に合いますし、4話以降キャラ別当番回が始まってからはだんだん面白くなってきてもいると思います。ここからの巻き返しに期待して見ていきたい一作。


【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆☆☆【今後の期待度】☆☆☆☆★

【感想】
 「いい大人が全力でふざけている」という言葉がこの上なくぴったりハマる作品。ハイテンションで突っ走るコメディ展開に毎回大笑いしているので、シンプルにとても好きな作品です。
 「ゾンビ×アイドル×佐賀(地域活性)」と言う三要素を軸にしつつ、そのどれにも当てはまらない新感覚作品として作られていますが、あえて既存のジャンルで言うなら今のところは「アイドルアニメ」のカラーが強いかな、と感じています。もちろんゾンビであることによるインパクトは強いんですけど、あくまで行動としてはアイドル活動を着々と進めているからでしょうか。縁もゆかりもないメンバーたちがだんだんと交流を深め、それぞれの個性も見えてくるのはとても微笑ましいです。一方で、「ゾンビであること」というのも終盤に向かうにつれて避けては通れない……というか、描いてこその作品だとも思います。シリアスに振ろうと思えばいくらでも振れるところですし、一方でコメディのまま突き進むこともできそう。両者のいいところをバランスよくとって1クールやりきってくれることに期待しています。


7.DOUBLE DECKER! ダグ&キリル

【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆☆【今後の期待度】☆☆☆☆

【感想】
 企画経緯を正確に把握できていないのですが、TIGER & BUNNYと関連した作品。この点については個人的には「桂正和×サンライズの再タッグによるアメコミ風バディものアニメ」というくらいの認識です。
 「落ち目のヒーローと新進気鋭の若手ヒーローによる凸凹コンビが巨悪に立ち向かう」という筋だったタイバニと比べると、「空回りしがちな新人刑事がベテランの先輩と組みつつなんだかんだ成長していく」といった手頃なスケール感に。作風的にもコメディ要素をグッと強めてベースは1話完結の刑事ドラマとしているため、肩の力を抜いて見られるほどよい娯楽作に仕上がっていると思います。安定感ゆえに逆に視聴を後回しにしがちでしたが、今後も見ていきたい作品。

8.でびどる!

【視聴進捗度】3話
【満足度】☆★【今後の期待度】☆

【感想】
 『gdgd妖精sあたりからいろいろと派生しつつ歴史を重ねている3DCGショートギャグ作品。なんと今期はクール被りが発生しているうちの1本目で、こちらはHi☆sCoool! セハガールなどを手がけてきた菅原そうた監督によるもの。
 前身作品として1話15秒でCM枠として放送された『コチンPa!』がその短さを活かしたネタで笑いを取ってきたのに比べると、長くなった尺を持て余してしまっている印象。アドリブパートについては……「アニメ・声優ファンの求める笑い」と「進行役を務めるふかわりょう氏の持つ笑い」が噛み合っていないんじゃないかなと感じます。要は声優さんが大喜利をやってるわけなんですが、本職ではないですし、基本的にはたまに面白いネタが出てくるくらいじゃないかと思うんですよね。そこをどう拾うかが大事だと思うんですが、ふかわさんはおそらくシュールな笑いをとってくる方で、淡々と進行してしまうので若干スベったみたいな空気になってしまうのかなあ……などと思っています。
 そんなわけで正直イマイチなんですが、掛け合いに慣れてくればだんだん面白くなってくる……かな?なるといいなあと思います。


9.となりの吸血鬼さん

【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆☆【今後の期待度】☆☆☆☆

【感想】
 This is 最高にちょうどいいアニメ。こちらもいわゆる日常系で、ゆる〜い感じで見られるので非常に楽しめています。
 原作はコミックキューンの連載作品ということで百合要素がやや強い……かな?といっても、描写としては軽い感じですが。女子高生同士のイチャコラがあんまり甘いと胃もたれしがちなのですが、ソフィー・トワイライトさん360歳は流石に年相応に落ち着いていらっしゃるので、ほどよい距離感になっていると思います。まあ、相方である灯はグイグイ来てはいるんですが(笑)。ギャグ要素についても、大笑いまではいかなくともクスッと笑えるくらいの面白さがちゃんとありますし、OP/EDも素敵な楽曲で総合的な満足度の高い作品です。


10.ひもてはうす

【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆【今後の期待度】☆☆☆★

 3DCGショートギャグ2本目。こちらはてさぐれ!部活ものなどを手がけてきた石ダテコー太郎監督の作品。
 『gdgd』はでびどる菅原監督とダテコー監督の両名が参加していたので草分け的な存在なのは両名ともにだと思うのですが、その後このジャンルのメインストリームとして目立っていたのはダテコーの方だったかなと思います。それ故に制作もこなれている感じで、今回はキャストもこれまでのダテコー作品に参加された面々+『洲崎西』でおなじみ洲崎綾さんというメンバーで、ある種のオールスター作品のよう。キャラクター原案のイラストは丸っこくてすごくキュートで自分好みですし、台本パートについてもポンポンと進んでいくので楽しく見られています。
 そしてアドリブパートですが、先に申し上げたように今回は「経験者」揃い踏みなので、早くから番組のノリを理解したネタを繰り出していると思います。あまり比較ばかりも良くないとは思いつつ、こちらは西明日香さん演じるえにしが進行を務め、声優陣のみで繰り広げられるため、とりあえずキャスト側が大笑いするので視聴者側も楽しくなってくるんですよね。こうした雰囲気づくりも大切なのかなあと感じます。序盤はアドリブパートの尺が短めでしたが、今後増えていくようなので期待値を若干上げています。まあ、このジャンルについては「これアニメじゃなくても良くね?」という疑問も付きまとってはくるのですが、ひとまずは面白いからいいかなということで。



【視聴進捗度】6話
【満足度】☆☆☆☆★【今後の期待度】☆☆☆☆★

【感想】
 『吸血鬼さん』がライトなスキンシップを楽しむ百合作品だとしたら、こちらは俗に言う「巨大感情」がぶつかり合う百合作品。「はぁーっ…………しんど」というやつですね。心情描写のモノローグが多い作品なので、脚本に強力なポエムを書ける花田十輝先生を据えているのはまさにベストマッチ。
“本で読む、歌で聞く恋はキラキラしてて。私だって、その時になればきっと、羽が生えたみたいにフワフワしちゃったり……。そんな期待。だけど私の足は、その時になっても、しっかり地面を踏みしめていて。”
第1話のこの台詞が言い回しやら演出やら実に素敵で……グッと引き込まれた感じがあります。
 「好き」という気持ちに対して一癖も二癖もある複雑な感情を持った少女たちの、どこか冷たいラブストーリー。漫画原作ということでアニメの〆がどうなるかだけ若干心配なのですが、後半戦も楽しみです。

12.RELEASE THE SPYCE

【視聴進捗度】5話
【満足度】☆☆☆★【今後の期待度】☆☆☆

【感想】
 『勇者である』シリーズのタカヒロ×ゆるゆりのなもりというタッグによるスパイアクションアニメ。まんま狙い通りかとは思いますが、「かわいい顔して、わりとガッツリスパイやってんなー」というのが第一印象です。劇伴はHifumi,inc.の佐高陵平(a.k.a y0c1eさんが担当されていますが、これが作品と実に相性が良い。非常にオシャレでカッコいい雰囲気を作り出していると思います。
 メインキャラ6人を3組の師匠と弟子に分けたのはなかなか上手いなと思っていて、単純に主人公であるモモの成長物語として捉えやすいのもありますし、各師弟・師匠組・弟子組と関係性もわかりやすくなり、早いうちから頭に入れることができました。ただ、タカヒロさんは今回は少年漫画的な作風で行くようなこともおっしゃられていましたが、それでもやはり過酷な展開は待ち受けていそうで……。スパイという職業ですし、あまりゆるふわなのも違うとは思いますが、ストレスの溜まらないよううまくコントロールしてくれると嬉しいところです。

【総括】
 というわけで、(一部ほとんど見られていないものもありますが)以上12作品でした。コメディとかわいい女の子が大好きなことが伝わるラインナップになっていましたでしょうか。
 今期はなかなか「これ!」という作品が見つからなかったのですが、その分多くの作品を見られている気がします。さて、満足度順に並べ替えると……

ブタ野郎、やが君
吸血鬼さん、ダブデカ
あかねさす、SSSS、リリス
ひもて
ソラウミ
アニマ
でびどる

かな?ある程度独立して評価したつもりですが、なかなかどうして納得のいく順列になった感じがしております。いや私の個人的な評価なので当然なんですけど……
 とはいえ、ここからまた評価が変わる可能性も十分にあります。なんならここから急に見なくなったりするのも私の場合ザラにありますし……(苦笑)。せっかくなので、クール終了後くらいにまた最終的な感想記事も書けたらいいなと思います。