しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

【日記】『ミルキィホームズ ファイナルライブ Q.E.D.』を終えて

 忘れもしない、2018年2月3日。ミルキィホームズのファイナルライブが発表された日。
 私はあの日、東山奈央さんのライブで(奇しくもファイナルの地となった)武道館にいたのだけど、そちらでも中川かのんちゃんの降臨という大きな出来事があったこともあり、溢れる感情を書きとめようと翌日に日記を書いた。

 あれから約1年。Road to Finalのゴール地点であるファイナルライブが終わった今、いちミルキアンとしてもRoad to Finalを締めくくるべく、感想も兼ねて今の思いを書いておこうと思う。

 ミルキィさんとの出会いの話は前述の日記にも書いたけど、改めて簡単に書いておく。入り口は完全にアニメで、2幕あたりから存在として知ってはいたけど最初にちゃんと見たのはふたミル。その当時はまあ嫌いじゃないけどそこまででもという感じだったのが、TDでハマり、劇場版発表を機にアニメゲーム全シリーズを遡った。その流れでユニット活動の方にも手を出したけど、ワンマンライブは結局「総天然色祭」「十二月場所」「RtF日野」「RtF大阪」そして「Q.E.D.」くらいしか行っていない。フェスも「AKIBA’S FESTIVAL」とアニサマ2018くらいなので、こうして振り返ると全体の歴史から見ればまだまだひよっこ程度でしかなかったなーと感じる。そんなミルキィ歴だが、ユニットまわりで言うと2017年のブシロードカードゲームライブに立ち会えているのはけっこう貴重なんじゃないかなと思った。
 TDファンなのにハマる時期のズレでとろとろどんどんに参加できていないという大失態をやらかしているのだけど、これのおかげである程度リカバリできたように思っている。

 さて、前置きはこのくらいにしてファイナルライブの話。当日に向けての心境はひとりひとり違っただろうけど、私はRoad to Final中たまに不安になることがあった。きっとこんなことを言うこと自体がすごくバカバカしいのだけど……「ちゃんと泣けるのかな?」と。ミルキィさんらが言う「笑顔でゴールがしたい」発言の真逆じゃん!って話だけれど、そもそもなぜそんな発言をするのかといえば「別れはやっぱり寂しくて、きっと多くの人が涙するだろう」という前提があるからだと思う。でも、個人的には「涙が溢れて止まらない」みたいなレベルの泣き方をする別れはそうそう経験がない。別れに限らずとも感動して涙腺に来ることはもちろんあるのけど、若干目が潤むくらい。なので映画やライブで号泣したみたいな人の話を聞くと、ちょっぴりうらやましく、そして自分が不甲斐なく感じることがある。好きなもののはずなのに、自分の思い入れはそこまでじゃなかったのかなと思ってしまうというか。そんな泣いた泣かないみたいなので比べるのが死ぬほどアホらしいと頭ではわかっているけれど、若干心にしこりを感じるのもまた事実。そういうことをずっと考えてしまう性質なので、ミルキィホームズというユニットや作品が大好きだからこそ不安に思ってしまうときがあった。

 でも、いつだったか……大阪のライブで橘田さんのMCを聞いた時だろうか。当時の感想にもちょこっと書いていたけど、「私たちもファイナルを迎えたときどうなるかわからないし、みんなも頭を空っぽにして見に来てほしい」と言っていたのを聞いて、不安な気持ちが吹っ飛んだ。別に無理して泣いたりしなくていいじゃないかと思えた。というか、こと今回に関しては途中参加の自分が10年単位の古参と同じステージに立とうとするのがそもそも間違いなんじゃないかと。だったら逆に、そんな自分だからこそできる楽しみ方として、ミルキィさんが言うような「笑顔でバイバイ」を貫いてやろうじゃないかと心から思うことができたのだった。

 そんな思いで臨んだファイナルライブ。Twitterでも言ったけれど、みもさん徳さんみころん橘田さんの4人を送り出す卒業式のようなライブだったなという印象が強い。通常のライブだったらコラボ楽曲の披露なんかもありそうな豪華ゲスト陣が、妹分ユニットであるフェザーズすらもが、中盤でそれぞれ1曲ずつ歌って挨拶して、本当にそれっきりステージには姿を現さなかった。こうした徹底ぶりから、今回のライブが特別なものであるということが強く感じられたように思う。もちろん、ゲストの方々のパフォーマンスやコメントはどれもミルキィ4人への愛が凝縮された素晴らしいものだった。少し話は逸れるが、ライブ終演後、一般のミルキアンのみならずいわゆる関係者からの感想もSNS等で数多く見かけた。コンテンツが続いていくなかで関わった様々なセクションのスタッフやキャスト、直接作品に出演してはいなくとも同業者である声優の方々などなど……拾いきれないほどたくさんの労い・お祝いの言葉を見て、時代の先駆者たるミルキィホームズの偉大さ、そして彼女たちがいかに愛されているかということが改めて伝わってきた。こういった愛情で溢れかえっていたあの日の武道館はまさにミルキィ4人のための花道だったんだな、と思った。
 ゲストの1人、小林オペラ役の森嶋秀太さんは終演後に「皆さんを代弁するような気持ちで歌った」とツイートされていた。楽しませて頂いている観客という立場で恐縮ではあるけど、私があの日座席をひとつ埋めたことが、手に持った光や張り上げた声が、彼女たちに届いた愛情の一部に加わっているのだとしたら、こんなに嬉しいことはないと思う。

 大好きな大好きな「バイバイエール!」で〆た本編と、手紙の朗読を経て、サプライズ映像とともに「聞こえなくてもありがとう」を送らせていただき、探偵帽を置いて「そして、群青にとけていく」でさよならしたアンコール……ここまでを卒業式とするならば、ダブルアンコールは式の後の打ち上げパーティーのような雰囲気だった。
 前日に2012年の武道館BDを見ていたのもあってダブルアンコールがあること自体はほとんど確信していたが、呼ばなければ来るものも来なくなってしまうので、ライトアップされた探偵帽を見つめながらせいいっぱいのミルキィコールを送っていた。そうしたら、思ったよりも圧倒的に早く(笑)、ミルキィホームズは帰ってきた。ワチャワチャと、元気に、とびきりの笑顔を携えて。

 ステージへ戻ってきた三森さんは「ミルキィホームズがしんみりしてしまうなんて、これは事件ですよ!」と言っていた。事件があるなら、ミルキィホームズはそれを解決しにやってくる。これから先も私たちの心の中にミルキィホームズがいることを肯定してくれているようであり、大好きな「TD」の作中で何度も聞いた「ミルキィホームズはアイドルじゃなくて、探偵ですから!」というフレーズを思い起こすようでもあり、すごく嬉しかったのが印象深い。
 ラストナンバーは、この日2回目となる「正解はひとつ! じゃない!!」。一緒に歌ってくれとの煽りや、モニタへの歌詞表示もあった。歌った人も、いつも通り合いの手を入れていた人も、笑っていた人も、ただただ涙を流していた人もいると思う。ライブの楽しみ方にも人それぞれ考えがあるだろうけど、ステージ中を所狭しと駆け回りながら歌っていたミルキィさんたちを含め、あの場にいた全ての人々が思い思いの「正解」を描いていたあの時間。それはたまらなく心地よく、いつまでも留まり続けたいと思える素敵なフィナーレだった。

 それでも、ミルキィホームズの活動は確かなゴールを迎える。ステージに戻ってからも、ミルキィさんは探偵帽を被り直すことはけしてなかった。マイクを切り、彼女たち自身の声で届けられたいつもの挨拶。
三森すずこと!」
徳井青空と!」
「佐々木未来と!」
橘田いずみは〜!」
「「「「ヨコハマいちの名探偵、ミルキィホームズ”でした”!!!!」」」
 まさに「ゴールテープを切った」ことを実感した瞬間だった。明確な区切りを表しつつ、ずっと言っていた「笑顔で終わる」ことを実現したのは本当にすごいと思う。彼女たちのことを笑顔で覚えていられることに感謝しつつ、それぞれの未来に向けて心からの「いってらっしゃい!」を送りたい。


 入場のタイミングの関係で全てのお花を見ることはできなかったのだけど、終演後に外に並んでいるものはチェックすることができた。その中でも、特にグッときたものを書き記しておきたい。
 まずは天城茉莉音こと、新田恵海さん。TDが大好きな自分にとって、もっとも感激したお花だ。
 正直な気持ちを言えば、ゲストとして出演していただきたかったという思いも強い。新田さんご本人はシリーズに出演される前からミルキアンという話も聞くし、せめてその場にいて欲しかったという思いもあったのだけど、どうやら来られなかったらしい。外野が言うことではないし、こればっかりは仕方ないと思いつつも、本当に残念でならない。
 ただ、そんな中でもこうしてお祝いのお花が送られてきているのは確かな絆が感じられて嬉しかった。彼女もまた、大探偵時代を生きた1人なのだ。

 avex声優ユニットi☆RisWake Up, Girls!Run Girls, Run!から。それぞれ同じ森脇真琴監督作品を代表作としていたり、フェスでコラボしたり、アニメ作品で共演したりと何かと共通項も多かったかと思う。
 来場者に配布されたフリーペーパーの中で木谷P(とりあえず今はこの肩書きでいいんだっけ?)が、「声優がキャラクターになりきってライブを行うコンテンツの走りはミルキィホームズだったと思う」というようなことを語っていた。私はその辺りの歴史に詳しくはないが、確かに10年単位でそうした活動を行なっていたユニットはそうないように感じる。時代を切り拓いたミルキィホームズへ、後輩とも言えるユニットたちからお祝いが来ていることが嬉しかった。

 なお、私はミルキアンであると同時にワグナーでもあるのだが、WUGは3月に彼女たち自身のファイナルライブも控えている。たまたま時期が重なっただけではあるけれど、ライブでお互いの楽曲をカバーしあったり(どちらも聴けてなかったのは残念至極)、アニサマでエールを送ったりと、なにかの「縁」を感じずにはいられない。
 WUGのメンバーは、7人揃って会場にも来ていたという。ミルキィ先輩が見せた光景は、きっと彼女たちのファイナルライブにも大きな影響を与えることだろう。この記事をミルキアンの方が読んでくださっているのならば、そしてあなたが私と同じような「縁」を感じているのならば、是非3月8日(金)はさいたまスーパーアリーナに足を運んで欲しいと思う。素晴らしい楽曲と、極上のパフォーマンスがあなたを待っている。詳細は以下のリンクをチェックしてほしい。



 立ち上げの時期から統括Pとしてミルキィホームズを育て上げた、のぶちゃんPこと中村伸行さん。私が本格的にミルキアンになってすぐ退職(転職)されてしまったけれど、ミルキィのメンバーやファンの方々から愛されていることはそんな私にも届くほど伝わってきていたし、ミルキィホームズがここまで唯一無二の存在になったのはこの方の手腕もとても大きかったのだと思う。改めて、逆ミルのクレジットよろしくSPECIAL THANKSを送らせていただきたい。本当にありがとうございました。



 さて。長々と書いてきたけれど、なんだかまだ終わった実感がないようにも思う。
 敢えて寂しい話をする。趣味に合わせていろんなジャンルの方々がいる自分のTLだけど、その中でも最も多かったのはおそらくミルキアンだった。私はネットで知り合った方々とリアルでも交流をするような経験はほとんどないけれど、ミルキィのイベントや放送があるとTLが賑わうあの感覚は好きだったし、そうした機会が今後失われていくのかなと思うとやはり寂しいものはある。
 冷静に考えると凄まじいことだけど、アニメも第1期の後ほぼ毎年のように新作が製作されていた。昨年末などはメンバーを含めたミルキィチームの必死の説得の末に製作が決定されたようだから順風満帆ではなかったのだろうけど、本当にすごいことだ。だけどそんなアニメも、きっと今年の年末に製作されることはない。こういったふとした気づきを重ねていくことで、だんだんと終わりが感じられるのかもしれない。

 けれど……あれだけ見事なゴールを迎えた方々にこういうことを言うのが正しいのかもわからないけれど……けして何もかもが終わったわけではない。アニメやゲームや楽曲といった作品群は後世に残るからこそ作品なのだし、三森さんも徳井さんも佐々木さんも橘田さんも、今日を元気に生きている。
 だから、結局のところ月並みな結論に着地してしまうけど、私にできることはこれからもミルキィホームズを大好きでいることなんだろうと思う。その気持ちを忘れないまま生きていれば、将来何があるかなんてまだわからない。
 ミルキィホームズの別れの歌はファイナルでも使われた「聞こえなくてもありがとう」「バイバイエール!」「そして、群青にとけていく」などがあり、どれも大好きな曲である。そして、それらと同じくらい大好きな「再会」の歌が「キミのなかのワタシ」だ。
みんなのオモイの中でずっと歩いてきた自分がいるよ
照れくさいくらい大事にしてくれていたんだね

久しぶりで、だけど自然で すぐに息もこんなピッタリ
あたりまえみたいに笑顔を見せてくれてありがとう
 いつかまたミルキィホームズに会える日が来たとき、「あたりまえみたいに笑顔を」見せ合えるように、私たちの今を一生懸命に生きていこうと思う。

 ミルキィホームズ、大好きだ!!!!

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