しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『キラッとプリ☆チャン』第74話「みーんなオシャレ!デザインパレットだもん」【プリチャン感想】

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 販促と総集編は4クールアニメの華……とまで言ってしまうと流石に言いすぎですが、ある種のノルマというか必要な要素であるこれらをどのように魅せるかというのも見どころの一つだと思います。プリチャンはこの手のノルマ回は基本的に雑破先生に振っているイメージ。毎回上手くこなしているので、流石だなあと思いますね。

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 Aパートはこれまでジュエルアイドルになった6人の紹介パート。バーチャルだいあはこの手の司会進行がよく似合います。あまりにもわかりやすく総集編ですが、いっそ割り切っていて不自然さを感じないつくりでした。何よりそれぞれのジュエルアイドル回を振り返っての虹ノ咲さんからのコメントが入ることで、2ndシーズン後半に向けて彼女の存在感を増すエピソードになっていたんじゃないかと思います。相変わらずの桃山愛もそうですし、アイドル願望が出てきていたり、「互いの気持ちを知りたい」というようなつぶやきがあったり。これから盛り上がっていくであろう虹ノ咲編に向けて、何らかのヒントになるのかなといった描写でした。

 そしてBパートは販促回。総集編の流れでジュエルアイドルやダイヤモンドコーデの設定振り返りを挟みつつ、コーデの予想という形でデザインパレットにつなげていくのは自然な広げ方だったように思います。
 それにしても、デザインパレットの販促はこれで3話目と、やたらと重点的におこなっていますね。私は(若干申し訳ないとは思いつつも)玩具・筐体方面にはあまり貢献できておらず情報もそんなに知らないのですが、もしかするとCG予算を抑えつつコーデをアピールするための手段だったりもするのでしょうか?今回のお話も、デザインパレット自体もさることながらそれを用いたちょっとしたファッションショーといった趣のエピソードでもありました。それぞれの予想コーデのカットはえも&める(実質ポップ組)、みらい&まりあ(かわいい向上組)、さら&すず(ボーイッシュカッコいい女子組)、あんな&りんか(ロリータファッション組)と新鮮ながらも納得の組み合わせで、短い描写の中に視聴者の満足度を上げる工夫が凝らされていたように思います。
 そしてこちらでも見逃せないのはやはり虹ノ咲さん。アイドル衣装に身を包んだ彼女のビジュアルや、その衣装をしっかりと持ち帰っている描写は終盤に向けて活かされそう……というか、活かしてほしいなと感じる部分です。2ndシーズン中のだいあのデビュー自体はもはや疑いようもないとして、バーチャルだいあなのか虹ノ咲だいあなのかは気になるところ。2人の関係にはまだ謎な部分が多いので今後の展開次第でいくらでも変わってくるというか、まだなんとも言えない部分ではあるという前提ですが、「まずはバーチャルだいあがデビューして、最終盤で虹ノ咲さん本人がデビューしてバーチャルだいあの曲をカバー」みたいな展開になったらえもめくなあ……なんて考えたりもしています。仮にそうした展開があれば、今回披露した衣装でのCG化が見てみたいところ。
 それと、地味に気に入っているのが虹ノ咲さんの着替え前の周囲の台詞ですね。「無理にとは言わないけど」だったり、「配信はもう終わってるから」だったり。当然と言えば当然の気配りですが、こういうデリカシーみたいな部分の配慮はわりと行き届いている作品だと個人的には思っています。もちろん突っ込まれたら怪しい部分もありそうというか、自分でも思い浮かぶ怪しい点もいくつかあるので完璧とまでは言いませんが(笑)。ただ、1期終盤でアンジュさん引退を止めようとするときの「勝手なお願いなのはわかってるけど、それでも伝えたいから伝える」という展開が印象深いんですよね。あの時期の展開は批判も受けがちですが、個人的にはその辺については制作側がある程度自覚した上でやっているのを感じるのでいいかなと思っています。また、2期に話を戻すと虹ノ咲さんの陰キャ描写がやたらと正確なので、そうした視点を持ち合わせているからこそ「こうしてほしい」という配慮が描けるというのもあるのかなと思ったり。

 総集編・ノルマ回に虹ノ咲さんの描写を加えることで重要回にも仕立て上げてくるというのは70話だいあフェス回と同じ手法なんですが、実際見どころのある仕上がりになっているのでつくづく虹ノ咲さんという存在の構成上の巧みさを感じられます。最近は露骨にデビューフラグを立ててきていますし、間もなく3クール目にも入るということで本格的に動きそうな予感……というのを華麗にスルーしていくのもまたキラッとプリ☆チャンだというのは1期でわかっているんですが(笑)。それはもう自分の中で明確に作品の特長だと捉えられるようになっているので、これまでと変わらぬ単発回続きでも虹ノ咲シリーズ本格始動でも、どちらに転んでも美味しいという感じで構えておこうかなと思っています。そんな風に視聴スタンスを振り返れる良い総集編だったんじゃないかなと思いますね。