しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『キラッとプリ☆チャン』第76話「キラにちは!だいあとだいあが出会った日、だもん!」【プリチャン感想】




 開幕自分語り。「わざわざ遅れてまで書くほどか……?」と「めっちゃ重要回だったしなんか書きたい」の狭間で悩むうちにどんどん遅れをとるという負のスパイラルに陥り、気づけば1ヶ月ほど放置していたプリチャン感想……あまり考えすぎず、改めて見直して感想を簡単に書いていくという形で遅れを取り戻したい!ということで、76話から再スタートしようと思います。
 ちなみにライブドアブログのリッチリンクではなぜかあにてれのページがNot foundになってしまうので、配信リンクはdアニメで。

 76話本編は概ね1年の折り返しということで、2期の裏主人公・虹ノ咲だいあの秘密に迫る重要回。虹ノ咲前後編の前編となる今回では、彼女のバックボーンがじっくりと描かれました。
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 まずは幼少期の虹ノ咲さんについて語られたAパート。シャイな性格は生まれつきだったのか、周りの子と遊ぶことはあまりなく、絵本を読みふけって過ごしていたようです。絵本を黙々と読んでいるのもそうですし、その後の人形遊び(洋服作り)の下りもそうなんですが、興味を持ったことに対して一点突破でどんどんのめりこんでいく様は今の虹ノ咲さんにもつながるところがあるように感じますね。それこそある意味「オタク」的であるというか。
 そんな彼女を気にかけたおばあちゃんの言葉(これがまた、彼女の現状を否定はせずとも新たな可能性を示すプリチャンらしいやさしさに溢れていてとても好きでした)もあり、「友だち」という存在について考え始めた虹ノ咲さん。そこに大きな影響を与えたのが『ジュエルのくにのおひめさま』という絵本でした。その内容は「ドレスを作るのが得意なダイヤモンドの国のお姫様が、そのドレスを隣国の姫たちに与えることで仲良くなっていく」というもの。これはあくまで途中までの流れではあるようですが、「友だちをつくるための見返り」というのはなんだかあまり健全でない気がします。バーチャルだいあそっくりの見た目なダイヤモンドの国のお姫様といい、ジュエルオーディションと重なる展開といい、虹ノ咲さんの印象に強く根付いているであろうこの絵本。友情というものを知らない少女がこの作品に中途半端に触れてしまったことは、もしかしたら不運なことだったのかもしれません(あまり人の価値観について良し悪しという尺度で語るのもどうかとは思いますが……)。
 前作「プリパラ」においてもメインテーマとなった「トモダチ」。虹ノ咲さん、ひいてはプリチャンという作品はこのテーマに対して果たしてどういった回答を出すのか。楽しみなところです。

 さて、今回描かれたのは幼少期の話だけではありません。Bパートは中学1年生となった虹ノ咲さん、つまりシーズン1の時期の虹ノ咲さんについてのお話となりました。
 これ、本当に上手いやり方だったと思います!「シーズン1の裏側」とでも言うべきエピソードが描かれたことで、虹ノ咲さんの「裏主人公」という立ち位置が文字通りに明確になったような印象。彼女自身はシーズン2からの追加キャラクターなわけですが、そのバックボーンにシーズン1で描かれたキラッツやメルティック、アンジュさんらの配信の数々が関係しているとわかったことで、作品としても1期2期を通した「軸」のようなものが出来上がった気がしています。同時に、新たな視点が加わったことで1期にもまた別の面白さが付加されたのではないでしょうか。一歩前に踏み出した虹ノ咲さんのバックで『SUPER CUTIE SUPER GIRL』が大きく流れ出す演出も素晴らしかったです……。今回は全体的に演出もキレッキレで、ラストシーンでの「孤独な虹ノ咲さん」のフラッシュバックなんかも涙を誘うものでした。その後の佐々木さんの泣きの芝居もとても胸を打ちますね。

 話が若干あっちこっちに行ってしまっていますが、最後に今後につながりそうな要素についての予想もいくつか。
 まずはバーチャルだいあ。彼女は虹ノ咲さんの持つデザインパレットのナビキャラであることが今回明かされました。だいあがキラッCHUの伏線なのかと思っていましたが、実際はキラッCHUこそがだいあの伏線だったわけですね。ことあるごとに言っていますが、個人的にはプリチャンには極力ファンタジー要素を持ち込まないようにしてほしい、過去作と差別化をしてほしいというふうに思っていて。ナビキャラをシリーズ伝統のマスコット的なものと考えるとあまり重要ポジションにおいてほしくない思いもあるのですが……まあこれについては今更ですかね(笑)。
 とはいえ、だいあとキラッCHUでは人格の複雑さレベルに明らかな差があるように見えますし、このあたりは何か理由がありそうな気もします。デザインパレットの出どころも含め、個人的にはデザイナーズセブン(現・デザイナーズテン)の思惑が何かしら絡んでいるのかなと予想している……というより、絡んでいてほしいなという願望があるのですが(笑)。カレンさんをはじめとしてなかなかいいキャラが揃っているのにも関わらず2期に入ってからめっきり出番が減ってしまっているのが残念なので、こういった要素を皮切りに再登場してほしいな~ということですね。まだ未登場のデザイナーも多いですし。
 そして、『ジュエルのくにのおひめさま』についても。絵本がキーアイテムになったことで、やはり思い出されるのは幸瀬店長の存在です。以前の「絵本を描いたことがある」という発言は伏線の可能性がグッと高まったように思いますね。すなわち、『ジュエルのくに~』の著者は幸瀬店長なのではないかと予想中。また、作中に登場した他の絵本と違って『ジュエルのくに~』にのみ出版社やバーコードが見当たらないあたり、彼女の個人出版のような形であの図書館に寄贈されていたのではないかと。そうすると虹ノ咲さんが未だ本の続きを読めていないことにも納得がいきます。
 また、『ジュエルのくに~』関連でもう一つ気になるのは「サファイアの国のお姫様」が「レインボーライブ」に登場するりんね」を彷彿とさせるビジュアルをしていることですが……ここについてはまだ何とも言えませんね。そもそもがりんねちゃんと言われればりんねちゃんだけど、ただの空似と言われればそれはそれで納得できる微妙なラインですし。りんねちゃんはその存在が存在だけに(知らない人はレインボーライブ見てね)おいそれとファンサービスでは出せないキャラだと思いますが、プリティーシリーズの作品間の距離のとり方はなんだかんだで信頼しているので、下手に混ぜてくることはないだろうとも思っています。ただ、あえてやるのであれば「幸瀬なるさんの友人である(ただの一般人な)~~りんねちゃん」という存在を出すのはそれはそれで面白いかもという気もしています。『ジュエルのくにのおひめさま』および幸瀬店長については今後掘り下げがあると思うので、そこでどういう展開をしてくるのか楽しみにしたいところですね。

 というわけで、重要要素が盛り盛りでシリーズ通してのターニングポイントとなりそうだった76話。虹ノ咲さんという縦軸の存在は1年モノとしても2期モノとしても本当に上手いやり方をしているなと思っていますので、終盤に向けてこれからも盛り上げていってほしいポイントです。
 そして次回は、そんな「だいあ」のデビュー回だった77話!