しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『キラッとプリ☆チャン』第77話「ナゾのアイドル ついにデビュー!だもん!」【プリチャン感想】

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 前回76話の流れを受け、2ndシーズン前半戦のラストとなった77話ではいよいよ「だいあ」がデビュー。ある意味では主人公的な立ち位置ながら、またある意味ではボスキャラ枠でもある彼女。満を持しての初ライブは、歴代ボス格キャラにも負けず劣らずの素晴らしいパフォーマンスでした……。

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 前文でも触れましたが、今回の目玉は何をおいてもだいあのデビュー。前回が1期基準だとクライマックスに相当するほどにウェットな雰囲気の回だったので、このタイミングで一気にだいあデビューまで行ってしまうともう終盤戦くらいの雰囲気になってしまうのでは?とも思いましたが、視点がみらいたちに戻ったこともあって話のテンションとしては通常営業に戻ったかなという気がします。あくまでも前半戦終わりということで、状況を変化させつつ今後も通常回を挟んでいけるようないい塩梅になっていたのではないでしょうか。
 だいあのライブ自体も、今回虹ノ咲さんがいきなりステージに立つということはなく、あくまでも最初の一歩……いや、「半歩」を踏み出すということで、バーチャルだいあのパフォーマンスに合わせて虹ノ咲さんが歌う形に。まさに2人で1人のライブになりました。70話での会話シーン以降、「バーチャルだいあは独自人格を持ったAIのような存在である」といった描き方を続けてきたわけですが、ここにきて「矢面に立つキャラクターとその"中の人"」という、当初イメージされていたようなVtuber的関係性に戻してくるのはとても上手いやり方だったんじゃないかと思います。みらいたちからすればあくまでもバーチャルプリチャンアイドルのだいあちゃんがデビューしたという認識になるので、ここもやはり通常回をやれる余地が残っているのが良いですね。

 ライブや楽曲そのものに目を向けると、これはもうアンジュさんや、もっと言えばりんねちゃんやジュネ様、ジュリィジャニスらシリーズのボス的キャラたちを思い起こさせるような雰囲気があり、そして彼女たちにも引けをとらない魅力を感じるライブだったと思います。噂には聞いていましたが、佐々木李子さんやはり歌が上手い。アイドルソングというよりもミュージカルやオペラといったジャンルの方が近そうな伸びやかできれいな歌声を披露してくれました。だいあのポップなビジュアルとは若干のミスマッチ感もありましたが、それがかえって"中の人"の存在を感じさせる一因となっているのも面白いと思います。欲を言えば劇中でも「意外な曲調」みたいな感じで触れてくれるとなお良かったかな~という気もしますけどね。また、「本当のともだちになったと思っていいの」「心を開くパスワード」など、虹ノ咲さんの「ともだち」というものに対する認識が現れていそうな歌詞も響くものがありました。
 一方こうなってくると気になるのは先の……というか、最終的な着地点の話。個人的にはですが、デビュー前は「だいあ」の主体を虹ノ咲さんだと捉えていたため、最終的には虹ノ咲さん状態で(そのビジュアルのCGモデルで)ライブしてほしいな、と考えていました。ですが、こうしてVtuber形式でのライブを見せられたことで「このまま2人で1人のアイドルとしてアイデンティティを獲得するのもいいんじゃないか?」という思いが芽生えたり。何も顔出しで配信することばかりが自分発信ではないわけで、Vtuberとして配信活動を続けていく女の子を描くのも素敵な見せ方なんじゃないかなと思います。というか、虹ノ咲だいあとバーチャルだいあが別人格だと判明した今、時折感じるバーチャルだいあとの別離フラグはなかなかに不穏。おそらくこの辺の話が今シーズンのクライマックスになるのだと思いますが、果たしてどんなオチを付けてくるのか……いい意味での不安と期待が高まります。

 前回と合わせての前後編で一気に虹ノ咲さんの掘り下げを進めた77話でしたが、その他気になるポイントとしては幸瀬店長でしょうか。75話を経てめが姉ぇとの関係性が若干丸くなっていたのも良かったですが、配信中に顔出しNG状態だった理由がイマイチ不明なような?虹ノ咲さんとなんらかの因縁(っていう言い方が適切かはさておき)がありそうな布石はあるので彼女からの面識を持たせるのを避けたのかな、と思ったのですが、でもこれまでリングマリィ絡みの配信を中心に普通に顔出ししていたことを考えるとよくわからないような……。まあ、そう深く考えることもないシーンの可能性もあるんですが、今後理由がわかるタイミングが来るかもしれないので、頭の片隅には残しておこうかなと思います。