しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『キラッとプリ☆チャン』第83話「ふしぎな本屋さんでふしぎ体験だもん!」【プリチャン感想】

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 事前の情報からも若干ファンタジーめいた回になりそうな予感はありましたが、想像以上に振り切って摩訶不思議でマカロンロンなお話に。良く言えば自由度が上がった、ということなのかもしれませんが、個人的にはちょっと残念な気持ちの方が強かったり。

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 自分がプリチャンに求めているのは「プリチャンらしさ」。というとトートロジーみたいな感じですが、つまるところ独自性です。長く続いて多くのファンを獲得した「プリパラ」の後を受けた作品だからこそ、プリパラ(そしてプリズム)とは違った作風を作り上げる方がシリーズとして健全なのではないかと思いますし、何より自分好みな形なので。
 その意味で、アニメ第1期を通して確立した最大の「プリチャンらしさ」はやはり「地に足の着いた世界観」だと思っています。このブログやTwitterでもよく言っていますが、主にキラッツに見られる「特別感の無さ」だったり、お話の規模が大きくなりすぎない点だったりはとても魅力的だと感じているポイント。賛否両論はあるものの、1話完結話が中心の構成とも相まって過去シリーズとの差別化はきちんと行えているのではないかと思います。

 その点を踏まえ、今回のエピソード。「不思議な本屋さんというシチュエーション」「夢か幻のような不思議な女の子(ちょっと脱線しますが、新井里美さんの全力のかわいい少女ボイスが本っ当にキュートで素敵でした)」と山盛りになったファンタジー要素はそれ単体であればワクワクするものなのですが、ちょっとこれまでのリアリティラインからすると無理がある流れだったな、というのが正直な感想です。「忘れられていく物語」という題材は好みですし何かを紹介する行為は配信文化ともマッチするので良かったと思うものの、「物語の登場人物が不思議空間に現れてキラッツたちと直接交流をする」というのは流石に異色すぎる雰囲気かと……。何より、テーマの伝え方としてあまりにも直球すぎるんじゃないかと思うんですよね。古い物語に対するノスタルジーを主題とするならば、例えば絵本を見た虹ノ咲さんやりんかちゃん、ないしは今回のお話用に用意したゲストキャラなんかが昔を懐かしむ……みたいな流れの方が(59話とかぶるような気はしますが)プリチャンらしかったんじゃないかと思うわけで。これまで抑えてきたファンタジーに敢えて踏み切るよりも、いつも通りのプリチャンらしい日常回を見せてほしかったな、という思いはありますね。
 また、今回のエピソードでリアリティラインに変動が起こったことが大きい理由として「今回が縦軸上重要になりそう」というのもあります。いつものように今回限りのエピソードなのであれば「キラ保町の時幸堂」という特殊なロケーションも相まって異色回として片づけられたのかなとも思うんですが、ガッツリ虹ノ咲さんメインで「ジュエルのくにのおひめさま」の情報にも触れているあたり今後に向けても欠かせないエピソードになりそうな気がしており、そうなると今回のような不思議要素がクライマックスで絡んでくる可能性もそれなりにあるのかな……と。特に、最大のキモであるバーチャルだいあが現状でもリアルとファンタジーとの微妙なライン上にいるような状態なので、彼女の存在にこうした不思議要素が絡んでくる可能性もあるのかなと思いました。が、前述のような作品評価をしている身としてはだいあ周りについても極力プリチャンらしい日常的で身近なお話にしてほしいと思っているので、ここは作風のラインとして譲らないでほしいな……という願望は書き残しておきます。

 一通りリアリティラインにまつわる感想願望エトセトラを綴ったところで、シンプルに今回のエピソードに関してのこまごまとした感想も。

 まずは上でも少し触れた縦軸要素、「ジュエルのくにのおひめさま」について。書店である時幸堂内で探すことを普通に勧められた時は「一般流通あるの!?」と驚きましたが、明治子さんや時幸堂の不思議さを考えるとそういうわけでもなさそうですね。「元アイドルだった人が書いた」という証言もあり、幸瀬店長作であることはほぼ確実になったかなと思います。内容についての掘り下げはありませんでしたが、りんかちゃんがタイトルを聞いていたのは今後何かしらで活きてくる可能性もあるかな?

 ジュエルのくに~にもまつわる絵本・書店回ということで、虹ノ咲さんのメイン回という風でもありました。控え目で緊張しいな彼女ですが今週は素敵な笑顔も多く、絵本が変わらず好きなことやキラッツたちと馴染んできていることが伝わってきます。みらいへの愛だったり萌黄くんへの苦手意識だったりが目立ちますが、りんかちゃんとは普通に相性がいいように見え、地味に好きなコンビ。りんかに関しては「チーム外で関われるキャラが少ないので今後作っていきたい」というようなことも1期の頃の監督インタビューで言われていましたが、実は虹ノ咲さんがそのポジションに入ってきているのかな?という気もします。3期があるかどうかはわからないです(し、個人的にはスパッと2年でまとめてもいいかなと思っています)が、もしタイミングがあるのならこの2人の日常回みたいなものも見てみたいですね。


【次回予告】


 
次回のプリチャンは宇宙編(?)。やはり宇宙へ……
 「手違いで打ち上げハッチに閉じ込められる」というあらすじからしてなかなかのデタラメさで、キレのあるコメディ感に期待が高まります。これはこれでリアリティラインどうなんだというツッコミもある気はしますが、個人的にはありな方向性なので許してほしいところ(笑)。予告で目立っている女の子がおそらくあらすじに記述のある「星姉ぇ」なんだと思いますが、宇宙関連のキャラでこのデザインは競合作品的にギリギリじゃないルンか?というのもちょっとした笑いどころ。いや、言うほどではないと思いますがパッと見のカラーリングがね。幸か不幸か小原好美さんは既にトシ子さんでキャスティング済みですので、キャスティングも注目ポイントです。
 一方で、CDの発売スケジュール等を考えるとキラッツ新曲初披露の可能性も大いにありそうですし、雑誌情報によればコンテや演出の面々も意外な方々だったりして様々な方向性で楽しみ要素盛りだくさんの次回。期待大で待機したいと思います。