しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』#4 「コンビ解散!?マジ早すぎだよ~」





 早くも訪れた最初の山場。これから先、幾度となく描かれるであろう「バディの絆」が誕生したエピソードでした。

#4 『コンビ解散!?マジ早すぎだよ~』

脚本:坪田文、絵コンテ:佐藤順一/小林浩輔、演出:徐恵眞

 「雨降って地固まる」という言葉があるように、コンビ解散回というのは転じてその絆を描くのに最適な展開。プリマジ4話も例に漏れず、まつりとみゃむそれぞれがお互いをさらに信頼してパートナーとなる様が描かれました。
 前半語られたのは、それぞれの過去エピソード。にゃんじい曰く、みゃむは幼いころから魔力の強さを見せることでしか自分を認めさせることができないと思っているとのこと。一方で、友人たちと遊んでいたときの様子を見るとその強すぎる魔力こそが周囲の人(マナマナ?)を遠ざけてしまっていたようですから、ままならないですね。冒頭のみゃむから出ている謎の球体もそうですが、「みゃむが魔法界においてどういう存在なのか」は定期的に布石を置いているので、どう展開していくのか気になるところです。
 そんなみゃむを「寂しそうで、"あのときの子猫"に似ている」と捉えたまつりさん。迷子になったときに出会った猫のことを思い出していました。まつり本人的にはあくまで「似ている」という認識のようですが、描写を見る限り子猫=みゃむ本人なのかな?という感じですね。実は過去に出会っていたというのは運命的です。どこで出会ったのだろう?とか、みゃむは何を思っていたのだろう?とか、気になるところもあるので今後改めて使うことでさらに魅力を増加させられるシーンだと思いますし、ここは改めて視点を変えて描かれることにも期待したいです。また、このシーンに関してだと、劇伴の当て方もバシッとハマったなあと感じました。プリマジは音響監督こそこれまで通り長崎行男さんが担当されていますが、新たに「音響演出」として佐藤順一監督作品や東映アニメーション作品に多く携わる佐藤恭野さんが入られており、音響周りにもこれまで以上に注目(耳?)したくなるというもの。どちらかというと長崎さんの選曲よりは控えめな、落ち着いた雰囲気を醸し出しているのかな?と感じているのですが、今回の回想シーンでのピアノ曲はまさにそういった優しさを感じさせる演出がマッチしていたと思います。シンプルに、カットを跨いで長尺でしっとり目の劇伴を流すのが好きというのもあるんですけどね。

 こうして確かめた想いを胸に、みゃむに向かい合うまつり。「お前が悪いんだゾ」に対する「はぁ?」という応戦で嬉しくなるのはさておき(笑)、「ビビってるのはみゃむちゃんでしょ!」という力強い言葉には頼もしさがありますね。1話でマジになれないまつりにみゃむが(結果的に)ハッパをかけることでコンビ誕生したのとちょうど逆転する関係です。そして、「いっしょにプリマジしよ!」という誘い文句は1話サブタイトル。細かい言い回しは違えど「いっしょにやろうよ!」という誘いは何度も行われており、この「いっしょに」というのが大事な作品なんだなということも感じさせます。「想いをぶつけ合って絆を強くする」というのはまさに"古き良き"展開ですが、そのあたりは大ベテランのサトジュン作品ならではという感じもあり、プリマジの売りになっていくのかなあという気がしますね。今回に限らず、今後もきっとぶつかり合って成長していくことでしょう。

 そんなやりとりの末、ジェニファーの介入もあって再びプリマジをすることになったまつりとみゃむ。過去のなんらかのトラウマも影響しているのか、未だまつりに向き合いきれないみゃむの魔法は暴走してしまいますが、そんなみゃむをも包み込むようなまつりの暖かさによって2人は真のコンビに……という、クライマックスさながらの展開が描かれました。というわけで、今回はライブシーン中にもドラマあり。「ライブシーン」というもの自体は単体で繰り返し見るのにも向いていると思いますが、こうした展開が時々差し込まれると変化がつきますし、ドラマとの相互作用も発生するのでさらに魅力的になりますね。今回で言えば、暴走前後での「マナマナ・マジパ・チュッピ」の演じ分けがとても良かったと思います。そしてまつりの聖母力(ぢから)も留まるところ知らず。「みゃむちゃんが弱くなった分だけ、私が強くなるよ」という宣言も逞しいですね。互いが足りないところを補い合う、まさに相棒と言える関係になれたのだなと思います。

 今回は展開の流れに沿う形での感想になりましたが、改めて前半中盤後半としっかり流れを作りつつ見せ場を盛り込んでいるんだなと感じます。拾い損ねてしまいましたが、橙真とまつり、ひな先輩とジェニファーのシーンなんかも多かったですしね。あとは完全に余談なんですが、「そうなんだ陽比野」爆誕も見逃せないところがあります(笑)。
 流石にコンパクトなところもあるので最終回とまでは言いませんが、1クール目のクライマックスでもいいくらいの盛り上がりを見せた回でした。そして、これまでのプリティーシリーズのようなチーム戦とは異なる「バディもの」をやるぞという宣言の回だったようにも思います。まつりとみゃむのこれからはもちろんのこと、様々なプリマジスタとマナマナの関係性が描かれると面白そう……というわけで!次回・甘瓜みるきの本格参戦に期待だお(は~と)