しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』 第5話「みてみて!かわいい×2みるきだお(は~と)」

YouTube見逃し配信】※2021年11月8日(月)12:00まで


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 頭からつま先まで、まるっと全部みるきの魅力で構成された第5話。果たしてメインターゲット層にどこまで受けるのだろうかとか気になったりしますが(笑)、個人的にはもう一気にみるきが大好きになるエピソードでした。

#5 『みてみて!かわいい×2みるきだお(は~と)』

脚本:広田光毅、絵コンテ・演出:菅原静貴

 "あざとカワイイ中学2年生"、甘瓜みるき。まつりを蹴落としてやろうと策をめぐらすその様子と非常に口の悪いモノローグは普通に考えれば嫌な奴なんですが、そうしたあざとさ・こざかしさがキャラクターの魅力につながっているのはプリティーシリーズの良いところですね。初のメイン回とあって「仕事に対しては高いプロ意識で臨んでいる」「自分の可愛さを保つための努力は怠らない」みたいな株上げ手段もいくらでも取れたと思うのですが、そういうのが一切なく、普通に気に食わないまつりを貶めることを第一に行動していたあたりキャラが一貫していて非常に気持ち良かったです。
 とはいえ、当然ながらただ嫌な奴を描けば良いというわけではありません。みるきの行動の数々が魅力的に映るように工夫されたキャラクター配置になっているな、というのも今回改めて感じたところです。みるきの敵意は基本的にまつりに向けられていますが、当のまつりは持ち前のド天然ぶりに加えてプリマジオタクとしてみるきにも好意を持っているので、その嫌味が全く通じない。おまけに、彼女の持つ"主人公補正"によってみるきの嫌がらせは全て裏目に出てしまうという(笑)。みるき本人はこういうところからますますイライラを募らせていくわけですが、嫌がらせが実際に効果を発揮してしまうとギャグで落とすのがどんどん難しくなってしまうんですよね。なので、結果オーライとするのはみるきを愛されキャラとして扱う上では必須。このあたりはちゃんと気を配れているんじゃないかなと思いました。
 まつり以外の面々の対応を見ても、基本的にみるきがよわよわなのが伝わってきます。まずは相方であるはにたん。みるきがまつりへの嫌がらせに徹しているのに対し、「まつりも含めて質のいい写真を撮らないと、みるき自身のモデル価値が下がってしまうよ」と先を見据えたド正論パンチかましてくる有能マナマナでした。功利主義のみるきのパートナーとして、道徳的な指摘ではなくあくまで「みるき自身の価値」に重きを置いた指摘をしているのが好きですね。自分がたしなめられるとは思っていなかったみるきが思わず素でたじろいでしまうところも可愛らしく、良いパワーバランスのコンビだなと感じました。はにたん自身にも「チャックの下に隠した正体」というフックが作られていて、なにやら気になるところです。また、地味に面白かったのがひな先輩の対応。4話ラストから5話冒頭にわたって撮影相手がみるきであることを完全に忘れていたあたりでもう若干笑えてしまったのですが、みるきの性格を把握しつつも泳がせている感じが良いですね。「策士云々の件は聞かなかったことにしとくじゃん」という、お互いわかったうえで牽制し合ってるような関係が個人的にツボだったりします(みるきが一方的に牽制されてる気もする)。この辺りはひな先輩自身のキャラ描写にもなっている気がしますね。やはり現時点ではまつりやみるきとは一線を画す実力者とあり、彼女らの行動にはそこまで影響されないような先輩の余裕を感じます。同時に、本人の底の部分もまつりたちにはあまり見せない感じ。今後キャラ同士の関係性が進んだり実力が逼迫したりしていくとどう変わってくるのかも楽しみなところです。

 と、ここまで「みるきは嫌な奴だけど、本人クソザコだから嫌な空気にならなくていいよね」というみるき本人に大変失礼な感想を並べてきましたが、もちろん素直に魅力的な箇所もたくさんあります。まず顔がかわいい。……というと冗談っぽく聞こえますが、こういうキャラにとって顔面の良さは本当に大事ですから。その点、みるきはどのカットも(顔が)めちゃめちゃかわいいのがとても素敵だね~と思ってます。
 また、今回はみるきのプリマジ、すなわちライブシーンもありました。ライブが出来なければただの問題児になってしまうので、「実力のある問題児」にするためにはやはりライブのクオリティが大切。そこをしっかり仕上げてくるのは流石のプリティーCGチームですね。コーデ・イリュージョンはまだ汎用のものですが、ここは筐体デビューのころにパワーアップして戻ってくることでしょう。あとはニコニコで見直したときにコメントで気付いたのですが、ライブ後のガヤに男性が多いですね(笑)。ガヤ芸はプリティーシリーズの華ですが、こうやってファン層の違いを出してくるのは素直に上手いなと感じました。芸コマですね。
 ライブと言えばの楽曲もプリマジ曲の例に漏れずオシャレな打ち込みサウンドで、なおかつ甘々でkawaii系の雰囲気に仕上がっているのがちゃんとみるきの曲だなと感じます。全体的に気だるげなボーカルがとても好みでした。やや脱線しますが、ここまで流れた楽曲から察するに挿入歌はシリーズを通してEDM寄りに統一性を持たせている気がします。なので、「オムオムライス」とか「えもめきピッカーン」みたいなコッテコテのアッパー系キャラソンは基本的に来なさそうですね。ここは賛否割れている気もしますが、思い返せば原点であるオーロラドリームも楽曲の幅はそこまで広くなかったようにも思います(ほぼ全て長岡成貢さんが担当されていて、かつ長岡さんの楽曲はわりと作家性が強く出る印象なので)。ただ、そこがあまり気にならなかったのはプリズムショーの華がプリズムジャンプだったからだと思うんですよね。まあ個人的には長岡楽曲が大好きなのもありますが(笑)。なので、プリマジも楽曲の路線を揃えていくのであればイリュージョンを含めたライブ全体でキャラクターの差別化をしていってくれると良いな~、なんて期待してます。

 というわけで、甘瓜みるきメイン回でした。冒頭にも書きましたが、フルスロットルの問題児ぶりで一気に好きになってしまいますね。長いスパンのシリーズですからいずれ心境に変化があるかもしれませんが、安易に反省・改心の流れにするのではなくこの腐った性根を抱えたままで魅力的な女の子であってほしいと願うばかり。一方で、「これオタク受けは良いけど女児層の人気どうなるんだろう?」というのは気になるポイント(懐疑的というわけではなく、純粋に興味がある)なので、リアル視聴者の中でどのキャラがどの年齢層に人気か、みたいなところもインタビュー等で知れたら嬉しいですね。
 そして息つく間もなく怒涛の新キャララッシュ、次回は心愛れもんさんの本格登場に期待でござる!