しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第11話 「跳べひな!孤独を超えていけ!」

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 1クール目も名実ともにクライマックスに突入。「マジ」でぶつかり合うプリマジならではの大会編、しっかりと盛り上がっていて好感触でしたね。

#11 『跳べひな!孤独を超えていけ!』

脚本:広田光毅 絵コンテ:菅原静貴 演出:熊野千尋

 「スポ根」を掲げ、アスリート性の高い競技を描いているプリマジだからこそ、大会編には期待が高まるというもの。プリパラ~プリチャン時代のライブ対決は1話でまとめるものが多かった印象ですが、プリマジでは前後編で1話1ライブとしているあたり、作っている側も気合が入っているのが伝わってきます。まずは先攻、ひな先輩のエピソードとなりました。ジェニファーの辞退に動揺し、過剰なウォーミングアップで脚を痛めてしまったひな先輩。怪我を隠したまま出場するも、満足なパフォーマンスが出来ず諦めかけたところをチムムの激励の叫びで奮い立ち大逆転……というのが今回のあらすじでした。いちばんの見どころはやはりチムムとひな先輩の熱い友情ですね。プリティーシリーズ伝統の「かわいくないマスコット」をしっかりと受け継いだ憎たらしさが魅力になっているチムムですが、こういうキャラが大一番で「マジ」を見せてくれるのはやはり熱い展開です。演じる引坂さんもまさに熱演でした。とても好きだったのは、パフォーマンス後の控室の様子。なんといっても背中を向けたまま無言で拳を突き上げて感謝を示すひな先輩が最高にかっこよかったですし、大粒の涙を見せながら1000点満点と評するチムムにもこれまでとは一味違った魅力を感じる良いシーンでした。
 また、今回チムひなの絆を主軸に据えたエピソードが描かれたことで、今後の展開にもさらなる期待が持てるようになったかなと思います。これまで若干気がかりだったのが、「バディもの」というのがプリマジの特徴として大きく目立ってきている反面、マナマナ側に目を向けるとみゃむとみゃむ以外で「人間体の有無」という大きな差異があるというところ。つまり、メインで描かれるのはまつりとみゃむだけで、他のチームはあくまでプリマジスタ側がメインになるのでは?ということですね。もちろんこれまでの回でもれもんデビュー回のきゃろんの涙などしっかりと描写はあったんですが、疑う気持ちがまだ若干残っていたのもまた事実でした。ですが、今回まつみゃむ以外のコンビの絆を主軸に据えたエピソードが描かれたことで、今後も全てのコンビでプリマジスタとマナマナの絆に注目していいんだなと本格的に信頼を置くことができましたね。やはりシリーズを切り替えていく以上「そのシリーズならでは」の特徴を見せて欲しい気持ちがあるので、プリマジにおいてはこのバディ路線を強化していってほしいなと期待しています。

 大会エピソードということでCGライブはひな先輩のパフォーマンスですが、今回とても良かったのはシナリオだけでなくこのライブシーンにも勝敗に説得力を持たせる工夫がなされていたことですね。チムムの叫びで目覚めたひな先輩は、ジャンプ技の高さが足りない(低い!)ことを逆手にとったブレイクダンスへの切り替えで会場を沸かせました。同じライブシーンを繰り返し使うのが基本のプリティーシリーズにおいて、「大一番で新規ダンスパートを追加する」というのはとても良いサプライズ。意外とこれまでのシリーズでもやってない手法だったんじゃないかと思います。加えて、この追加されたモーションがプリティーリズム時代から頻出の大技・ウインドミルレビテーションなのもニクい演出でした。ダンス振付にはディアマイフューチャーの実写パートでお馴染みMC KENSAKUさんの名前もあったので、KENSAKUさん振付のShiny Seven Stars第9話の大和アレクサンダーのモーションをそのまま引っ張ってきていそうですね。シリーズを追っているとさらに見え方が変わる、素敵な二重サプライズでした。あの時弥生ひなの身体は浮いていたんだ!

 「先攻は負けフラグ」というプリティーシリーズ絶対の掟(例外あり)を跳ね返すような見事なパフォーマンスを見せたひな先輩&チムム。それに応えるように、まつりの中のマジも高まっています。これだけひな先輩に寄せた回でありつつ、まつりの「絶対に勝つ!」という宣言で終わるのがプリマジの魅力なんだなと思います。視聴者視点で見ても本当にどちらが勝つか分からなくなるようなマジの勝負、その決着は次回12話で!