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「あまね様のホンネ聞いてみた！」。まつりとの向き合い方を通じて、彼女なりのプリマジとの向き合い方がちょっとずつ見えてくる。なんとも回りくどくて面倒な人ですが、そんな面も含めてあまね様の魅力が感じられるようなお話でした。
#18 『あまねの心、秘密の花園』
脚本：坪田 文、絵コンテ・演出：大島克也あまね様の回はなんとも難しいですね。「秘すれば花」を信条にしている人ですから、思っていることをそのまま言葉にする人ではないですし、受け取る側としてもどこまでを素直に読み取ればよいのだろうという気持ちになります。とはいえ、今回は真実を言葉にさせるトゥルーローズの力でそんなあまね様の本音が少し覗ける回でした。
あまね様の本音、「まつりのことが嫌い」。何せあまね様から出た言葉なので強く感じますが、感覚的にはみるきが言っているそれと似たようなものなんだろうなと思います。そもそもの前提として、プリマジ（競技）ってすごく辛いものなんでしょうね。ひな先輩も「やめる理由はいくらでもある」と言っていたように、アスリートとして高みを目指す上でいろんなものを犠牲にしたり、辛い体験を何度もしているのがプリマジスタの普通なのでしょう。それでもそれぞれに「やめられない理由」があるから彼女たちはそんな世界に身を置き続けているわけですが、その中で（時に挫折を味わいながらも）心からプリマジを楽しんでいるまつりは傍から見るととてもまぶしく、目をそらしたくなるのだと思います。ましてや、あまね様は自分からこの道に来たわけではなく、翠子先輩に導かれてプリマジを始めた人ですから、まつりのスタンスを見てそんな自分自身のスタンスに負い目を感じてしまうんでしょうね。「完璧な王子様」という触れ込みを持つあまね様ですが、もしかしたら誰よりも弱く、悩んでいるのかもしれないよという……なんともプリマジらしい人間味の描き方だなと感じる展開でした。
そんな自分と向き合い、改めてプリマジに臨んだあまね様。パフォーマンスを終えた後にはまつりと抱擁を交わし、ひとまずのわだかまりは解消される形となりました。悩ましいところであり面白いところなのは、この一連のシーンではトゥルーローズの効果がかかっていない、ということ。つまり、あまね様の「トゥルーローズに誓ってプリマジが好き」という発言は必ずしも真実とは限らないんですね。個人的には、これは直前に言っているような「覚悟」が表れたハグなんだろうと思います。翠子先輩なのか、自分自身の気持ちなのか、それとも他の何かなのかわかりませんが、あまね様にもきっとプリマジをやめられない理由があるわけで、どれだけ辛くなってもプリマジから逃げることはできない。だからこそ、覚悟を決めてプリマジと、そしてまつりと向き合うためのハグだったのだと思います。「プリマジが好き」というのもきっと今の100%の本心ではないのでしょうが、それでも好きになっていくんだという覚悟の言葉。苦手なところてんは、ひな先輩が言うように変化を示す象徴なのだと思います。あまね様が今抱えている思いだけでなく、これから変わっていく彼女の心も描いていくぞという宣言の回だったようにも思いましたね。
さて、なんともウェットな雰囲気でお届けされた今回のエピソードですが、まわりの面々に目を向けるとなかなか楽しいことになっていたとも思います。コンテ演出を担当したのはプリチャンでも目を見張る活躍をされていた大島克也さん。並行してアイカツ！シリーズやTVアニメドラえもんetc.にも参加し、プリティーシリーズとは切っても切れないラブライブ！最新作のスーパースター!!では要所のエピソードを担当するなど今大注目の演出家さんです。今回もみるきのたくらみ顔、投石みるき、れもんとみるきのマウント合戦、ひな先輩の必殺キックなど楽しい見どころがたくさんでした……って、みるきばっかりじゃねーか！という感じですが、まあ今のプリマジで遊びを持たせようとするとみるきが一番動かしやすいんでしょうね。改めて、非常に魅力的なキャラだと思います。
一方で、シナリオというかキャラ間の関係値に目を向けると、みるきのあまね様への100年の恋がしれっと戻っていたのはやはり引っかかってしまうところ。合宿編の生活力崩壊を見て以降は完全に冷めたものとなっていたので、急に戻られると困惑してしまいます。今後どちらのスタンスになるのかは次回を見てですが、恋するみるきに戻るなら戻るでちゃんとエピソードを作ってステップを踏んで戻って欲しかったな～というのは正直な気持ちです……。何もないならいい感じに暴言を吐ける方の関係値で進めて欲しいなあ。
次回は特訓はいったんお休みして、魔法界でのエピソード。御芽河の影も見えるのでそのあたりの話も進みそうですが、シリーズ的にも息抜きになるような楽しいエピソードが見られたら良いなと期待しています。
