しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第20話「空前絶後の!みるきあざとい裁判だお!」

YouTube見逃し配信】※2022年3月7日(月)まで


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 話数は20話台に突入。プリマジを代表するキャラの一人・甘瓜みるきさんを中心に、多面的に魅力が感じられるかなり好きなエピソードでした。

#20 『空前絶後の!みるきあざとい裁判だお!』

脚本:天真みちる、絵コンテ:小松達彦、演出:黒瀬大輔

 エキシビションのセンターを決める視聴者投票、いよいよ開票……はしたものの、結果はまさかの全員同数。ちょっと、いやかなり強引な感はありますが、あくまでも今回のお話の前フリの部分なので力技もアリかなという気がします。というわけで、最終決定は合宿参加者5人がそれぞれ投じる票によって決定する流れに。こうなると本領を発揮するのがみるきクオリティ。Aパートでは、MKD(Miruki Kawaii Daisakusen)と題したプランに基づき、プリマジスタ各位に取り入ろうとするみるきが描かれました。このくだり、コメディとして非常に楽しいものに仕上がっていてすごく良かったですね。開幕のヨーデルからし美声の無駄遣いという感じがしてとても愉快。というかそもそもみるきがきれいな声を出してるだけでなんだか面白いので、これはここまで積み上げてきたキャラクターの勝利でもあるなあと思います。その後も、個人を狙い撃ちしていった結果、流れをぶった切る突拍子も無い行動のオンパレードになっていますが、そんなところもまた視聴者に有無を言わせないような勢いのある面白さにつながっているなと。後は単純に、コスプレというか百面相というか、ビジュアル面でもコロコロ変わっていくみるきがとてもかわいかったですね。

 コメディシーンはボケる側だけでなくそれを受ける周囲の反応も大事だと思いますが、今回はそのあたりも非常に上手かったですね。基本的にはツッコミ不在というか、天然ボケの応酬という感じでしたが(笑)。特に、あまね様は今回ひたすらにボケボケでした。無言でクッキーを次々と頬張るシーンに代表されますが、気付けばずっと食べているという……。その間ずっと真顔なのも、いい意味でのギャップが生まれていてとても好き。真意が見えにくいところ、割とめんどくさいところはあまね様の大きな特徴ですが、こういう風にボケ要素が増えることで一気にとっつきやすくなったなあと思います。これはメインじゃないからこそ描ける魅力ですね。それから「ツッコミ不在」と言ってしまいましたが、実際のところはツッコミを一手に引き受けていたのはみゃむでした。なんだかんだで、みゃむが一番の常識人枠に落ち着いている感がありますね。というか、れもんも言っていたようにみゃむとみるきは似たもの同士なんだろうなと。みゃむもみるきも、他人に対して思ったことをズバッと口に出せる才能がある人たちです。もちろんコミュニケーションのあり方としては良し悪しだと思いますが、それだけ自分という存在を確立していると言えるでしょう。そんな2人だからこそ、互いに言い合いになるのも可愛らしいなと思います。まあ、結果的にこの2人がプリマジ口が悪いランキングトップ2になってはいるんですけど(笑)。
 全体がコメディなせいか、恒例になりつつある橙真とひゅーいパートもだいぶ面白い感じに。いや、面白いというのはちょっと違うかもしれませんが、何やらすごくイチャイチャしてるなと思いました(笑)。ひゅーいが橙真のことをシンプルに大好きなのはちょっと前から感じているところですが、橙真もまたひゅーいの扱いに慣れてきたなと感じます。ここの関係値もちょっとずつ積みあがっているので、どこに向かうのか楽しみなポイントですね。

 そんなコミカルなシーンもさることながら、それだけでは終わらないのが今回。みるきメイン回らしく、「甘瓜みるき」のオリジンも明らかになりました。第一に衝撃なのは、あの特徴的なピンク髪は染めたものだった、というところ。「作られた"カワイイ"」というみるきの特徴を端的に表しているなと思います。この言葉だけを捉えると最初にみゃむが言ったようにネガティブな意味合いにもなりかねないですが、それを肯定的に見せるのはやはり大切なメッセージ。言ってしまえば自己研鑽のための努力ですから、何ら言われる筋合いはないわけですよね。前半のみるきの行動の数々と合わせて、みるきの「あざとい」側面をそのままで肯定してくれたのが嬉しかったです。

 裁判、そしてみるきのプリマジを終え、まつりたち4人は改めてみるきがセンターで良いかを投票。ラストのこのくだりのみるきからはいつも以上に直球の「マジ」が感じられ、その様子に胸を打たれてしまいました……。声も表情もいつものように裏表を感じさせるものではなく、本気で願って本気で涙する。なんだかんだで、みるき自身合宿を通して他のメンバーとも打ち解け始めているんだろうなとも感じられる良いシーンだったと思います。(おそらくは)初の複数人ライブでのセンターという大役をみるきが務めることが素直に嬉しいですね。
 しかしながら、しっかりとオチも用意されてしまうのが甘瓜みるきさん。正式にセンターに決まったのもつかの間、ジェニファーの復帰報道によってその印象はかき消されてしまいます。ちょっとかわいそうな感じもしますが、こういう風にメインストーリーの部分と関係なく自由に生きているのはみるきの大きな魅力のひとつ。そんな彼女だからこそできる活躍がきっとあると思うので、これからもたたき上げの精神で暴れまわってくれることに期待しています!