しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第21話「アイ・アム・ジェニファー!」

YouTube見逃し配信】※2022年3月14日(月)まで


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 シリーズ恒例、ボスキャラ先行登場期間。それに合わせて、アニメでもジェニファーさんがいよいよ本格登場となりました。
 ところで、脚本の土屋さん、絵コンテの江副さんはともにプリマジ初参加。特に脚本チームはある程度固定だと思っていたのでこのタイミングでの初登板はやや意外でしたが、プリティーシリーズ的にはお馴染みの面々で、頼もしさも感じますね。

#21 『アイ・アム・ジェニファー!』

脚本:土屋理敬、絵コンテ:江副仁美、演出:熊野千尋

 前回ラスト、プリマジをすることを発表していたジェニファー。勘を取り戻すという名目のもと、まつりたちの合宿に参加します。まつりとれもんが舞い上がる一方で、ひな先輩はバッチバチに、あまね様もクールな姿勢を崩さないながら闘志を燃やす。それぞれ距離感は違いつつもジェニファーに対して並々ならぬ感情を持っている中、「自分が目立たなくなるだろうが!」とキレ散らかしている甘瓜さんがやはり好きだなあと思いました(笑)。当のジェニファーは、そんな想いを感じつつもどこか合宿を楽しんでいる様子。一度は頂点を極めたものとして、他人には理解されない感情を抱えていることでしょうが、(たぶん)同年代の女の子と過ごす楽しさも感じるような「普通の女の子」なんですよね。そんなふうに人間味を感じさせるシーンが多かったように思います。
 一方で、ひな先輩曰く今のジェニファーのパフォーマンスは「完璧な"だけ"」とのこと。以前に比べてレベルが落ちている……というより、魂みたいなものが薄れているってことなんでしょうね。チャンピオンの孤独というのももちろんありますが、どこかにそれだけではない寂しさも漂っているのがジェニファーという少女でした。そして、その原因と思われるのがパートナーとなるマナマナの不在です。ジェニファーにはかつて「リューメ」という名のパートナー(マナマナ)がいたが、今はいなくなっていることが今回明らかになりました。これまでのジェニファーのふるまいだけだと「頂点を極めた者の一種の燃え尽き」という意味でプリチャン1期のアンジュさんと重なってしまうのでは?と感じていたので、それ以外の要因でしっかりとボス(ジェニファー)の喪失を表現してくれたのは一安心。また、リューメのCVを担当するのは羊宮妃那さんということで、19話ラストで登場した「なぞの声」もリューメであることがほぼ明らかになりました。なぜまつりにだけ聞こえるのか、「ジェニファーを助けて」という言葉の真意は何なのか。こうした謎が、後半戦を引っ張っていく縦軸になるのでしょう。もちろん、コンテンツとしてのメインの題材は歌とダンスとおしゃれですが、アニメのもう一つの軸である「異種族交流」や「マジカル・ファンタジー」の部分が強くなってきた気がしてワクワクする展開です。
 また、このあたりの縦軸で言うと今週は御芽河サイドも大きく動きを見せました。ラストの阿智彦社長の発言を信じるなら、御芽河は「リューメを奪った魔法界に立ち向かうため」動いている、とのこと。以前から一枚岩ではないなとは感じさせていましたが、阿智彦自身は本格的に魔法界の寝首を搔くつもりで動いているみたいですね。とはいえ、リューメを取り戻すみたいなわかりやすい正義とはかけ離れた……というか、対極なオーラしか感じないのが正直なところ。何かしらの真意に向けて、言葉巧みにジェニファーを動かしているように思います。まあ、その前に「リューメを奪った」とはどういうことなのかがわからないとなんとも言えないですけどね。リューメが2人目の(作中描写として)人間体を持つマナマナであることを考えると、かつてジェニファーとリューメの間に起った何らかの悲劇が今度はまつりとみゃむに降りかかる、みたいなクライマックスになるのかなと予想もしますが、今後明かされていくのを楽しみにしたいと思います。

 そして、今回のCGライブはこちらもジェニファーの登場。以前から楽曲・CGともにチラ見せされてはいたものの、1曲を通してのパフォーマンスは初披露です。流石に歌唱キャリアも豊富なキャストとあって、歴代ボス同様に確かな実力を感じられるライブだったのではないでしょうか。また、展開的に大きかったのはやはりイリュージョン関連。先述の通りパートナーのマナマナがいないジェニファーに対して、御芽河が集めたワッチャを解放することで擬似的にイリュージョンを行うシステムが初披露されました。「マナマナ・マジパ・チュッピ」を唱えるのが我らがめが姉ぇなのも上手い役回りだったと思います。これまでの大会でワッチャを集めていたことの回収にもなりますし、そうしたシステムの構築部分に絡めることであうるの存在感も出していくことができる。細かなポイントではありますが、シリーズ構成としても重要な演出だったように思います。あとは単純に、ファンタジーパワーを人工的に再現するシステムは男の子心をくすぐられるなあと(笑)。この手のシステムは悪役側が使うことも多い(そして現状だと御芽河は悪役に近い)ですが、それこそあうる関連などでポジティブに使われたら嬉しいですね。

 次回は「緊急特番」というタイトルの通り、バラエティ番組のようなセットで展開されるお話のよう。そう考えるといつもの半総集編かな?とも思いますが、その場合は本筋の話が進むのもいつものこと。どちらにせよ、楽しみにしてます。