しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第27話「繋がっていく運命」

YouTube見逃し配信】※2022年5月2日(月)まで


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 タイミングといい、担当スタッフといい、サブタイトルといい、露骨なくらいの重要回。長いスパンのパスを拾うと同時に今後に向けての情報も少しずつ開示され、上手く先への興味を牽引し続けているなと思えるエピソードでした。

#27 『繋がっていく運命』

脚本:坪田 文、絵コンテ:佐藤順一/小林浩輔、演出:米田光宏

 4話で描かれた、まつりがかつて出会った謎の子猫。視聴者的には明らかにそうだろうという感じではあったんですが、やはりみゃむ本人だったようです。わりとロングパスになりましたが、その時の詳細が今回描かれた形。みゃむは魔法の使い方をにゃんじいから窘められて、まつりは父親が家を離れることになって(?)、それぞれに悩み・孤独感を抱える中での出会いであったことが明らかになりました。そんな2人の出会いが互いを励ましあって、同じ方向を向ける。だから「一緒に」やることが大事なんだという話の持っていき方が良かったですね。
 というわけで、今回は改めて「マナマナとチュッピが力を合わせること」がプリマジのテーマなんだと提示されたように思います。"みゃむとまつり"がいっしょにプリマジをすることは1話から重要視されてきましたが、後半戦ではそれが"マナマナとチュッピ"で行うプリマジにかかってくるんですね。にゃんじいやリューメが言っていたように両者のマジを合わせることで奇跡を起こすのが本来のプリマジのはずですが、魔法界側もチュッピ(御芽河)側もそれぞれに思惑を持っているがためにそれが崩れかけている……というのが現状のプリマジ世界なんだな、というのも再確認できました。

 御芽河が人工的にマナマナの力を再現できるように取り組んでいるのは相変わらずですが、強大な力を得るための最後のピースとしてみゃむを狙い始めるというのが新展開。やはりジェニファー&リューメペアとまつり&みゃむペアを重ね合わせているんですね。また、今回新たに明らかになったのはまつりの父、陽比野道人さんも御芽河関係者らしいということ。以前のまつり父らしきシルエットは魔法界側の人物らしき服装だったためまつりの出自に魔法界が絡んでいるのかと思っていたのですが、そうではなくて御芽河が道人を魔法界に忍ばせているんですかね?ちょうど魔法界がひゅーいをスパイとして送り込んでいるのと対になっている感じなのかなと。魔法界側でなんらかの役割を持っているのであればやはりリューメと関係があるのかな?こうした縦軸の部分はやはり上手く興味を惹くつくりになっているなと思います。

 一方のマナマナサイド。御芽河もかなり「悪役」っぽさがありますが、魔法界側も正直信頼は全くできないですね(笑)。少なくともフェスリダ学園長の口ぶりには、「ジェニファーからリューメを奪ったこと」は事実なんだろうなと感じられるだけのうさんくささがありました。「おしおきだべ~」のくだりといい、主にみゃむの言動をもって冗談半分で言われていたチュッピ差別みたいな要素もあながち本筋から外れているわけでもないのかも?と思いました。単に御芽河と仲が悪いだけかもしれないですけどね。

 大人たちの思惑と、少女たちのプリマジ。そんな両者の中間にいるのがプリマジボーイズ。彼らの存在感も相変わらず強くありました。ひゅーいと橙真、それぞれ幼馴染を見守っていた2人は次回メイン回のようなので細かくは次回として……登場が少し遅れた祈瑠くんもこのところ随分と目立ってきたように思います。まあ現状では、意図して無さそうな部分も含めた可愛さが出ている部分が大きいですが(笑)。「やはり陽比野まつりは"すごいプリマジスタ"ということで……」という語彙力がじわじわとツボに入っています。真面目な話をするなら、やはり彼は父親との関係性の部分でひと山ありそうな予感。常に否定され続ける現状に不満を持って反抗の意思を示すのか、はたまた阿智彦本人以上に父の考えに盲信的になっていったりするのか。「あうるの兄」という立場もありますし、いい意味で先が読めないキャラクターだと思います。今後に注目の人物ですね。