しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第50話「キミがあたしにかけた魔法」

YouTube見逃し配信】※2022年10月10日(月)まで


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 クライマックスの最終決戦からエピローグで最終回、というのがプリティーシリーズお約束の構成ですが、プリマジのクライマックス・ユーフォリアレビューは1週早く解決。というわけでラス前の50話は、初心に帰ったまつりとみゃむのエピソードに。本作の魅力を再度確認できるような、そんな話になっていたと思います。

#50 『キミがあたしにかけた魔法』

脚本:坪田 文、絵コンテ:佐藤順一、演出:伊藤 浩

 プリマジの最大の売りはなんなのか?と考えた時、個人的には最初に出てくるのはやはり「人間(チュッピ)とマナマナのバディ関係」です。なので、最後の最後がまつりとみゃむの話で〆になったのは納得の行く流れ。敢えて普通の日常を描くことで別れの切なさを引き立たせる展開も、定番な気もしますが個人的な好みと一致していて好意的に受け止めることができました。
 そして、何と言っても今回特筆すべきなのがみゃむのプリマジ。暮れていく夕日を背に、まつりだけに届ける歌とダンス……というシチュエーションもさることながら、ステージを彩る「魔法」は全く使っていない、というのがすごく良かったですね。曲も流れない、コーデも変わらない。あるのは歌とダンスだけ。でも、そこには確かに「マジ」がありました。まつりたちチュッピがマナマナの魔法を借りてプリマジをしていたように、みゃむはまつりから受け取った「本気」でプリマジをする。魔法と本気、2つのマジを軸とするプリマジだからこその演出で、プリティーシリーズのCGパートの歴史に確かに刻まれる名シーンだったと思います。小池理子さんの涙ながらの歌唱も思わずもらい泣きしてしまうほどの熱演でした。

 まつりとみゃむの裏側で、周辺の人々も落ち着くところに落ち着いていく様子がうかがえるのがエピローグらしい展開。阿智彦とフェスリダ、ジェニファーとリューメなどなど……様々な関係性が描かれましたが、個人的には、英吉とあうるが「友達」になっているのがすごく好きでしたね。もちろん英吉からすればあうるは「孫の友達」でもあるんですが、あうると英吉とは以前からやり取りも多かったですし、2人とも柔軟なところがあるのでお互いに友達だというのもそうだよねと。年齢や性別を超えて友情を育むことができるというのはいい話だと思います。こうした着地も含め、英吉は1年を通してかなり上手く描かれたキャラでしたね。

 というわけで、原点に立ち返ってプリマジならではの魅力を感じさせてくれた50話でした。ただ、今回の見せ方が良い分、2クール目以降にまつりとみゃむの話から印象がぶれてしまったのがもったいないなと思ってしまうのも正直なところ。1年間の構成を振り返ったとき、「バディもの」という魅力を推しきれなかったのではないかという不満はありますね。次回はいよいよ最終回ですが、このあたりの率直な感想も含めて全体の総括も別途できたらいいなと思います。