しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

#ナナニジデビュー5周年 と、これから



 去る10月22日(土)、23日(日)に開催された22/7のアニバーサリーライブ。直近の『fourteen』『夏祭り』は配信で見てきたけど、今回は昨年のアニバーサリーライブ以来、個人的には2度目のナナニジ現地観覧をした。なぜなら東京国際フォーラムホールAが好きだから。
 もともとは土曜公演だけ行くつもりが、ちょっと悩んだ末に日曜の夜公演も当日券で見に行った(昼公演は予定合わずだったので後ほど配信アーカイブで見た)。それは現地に呼び込むため・リピーターを増やすためのいろんな施策があったからでもあるんだけど、当初の期待を上回るだけのものを見せてくれたからという理由ももちろんある。つまるところ、良いライブだった。

 ちなみに、配信アーカイブ購入は土曜公演が今日20:00まで(!)、日曜公演が明日20:00まで。今すぐチェックチェック!


全曲ライブ


 去年も今年も、アニバーサリーは「複数公演をまたいで全曲を披露する」というコンセプト。見に行くのは2年連続、かつ今年は1公演のみのつもりだったので事前には「去年の縮小版になってしまうのでは……!?」という心配があったけど、今年は収録盤ごとの各ブロックを適度にシャッフルしていて、ある程度(去年比でも、今年の公演を通してという意味でも)変化のあるセットリストだったのでそこは杞憂だった。ブロックのつなぎに流れる映像も、これまでの歴史だったりメンバーの気持ちだったりが感じられる良いものだった。ヒヤシンスとか、覚醒とか、何もしてあげられないとか、メンバーの移り変わりに言及があるといっそう言葉の重みを感じる。それだけがナナニジの歴史じゃないけどね!やっぱりしんみりしてしまう気もするし、無責任なことも言えないけど、今は未来に明るい光を感じられているのはいいことだと思う。それはナナニジに対してもそうだし、卒業していった人たちに対してもそう。
 セットリストの組み方としてはさておき、単純に「全曲を披露する」という意味では演者側に課されるハードルは高く、それを乗り越えていったのは素直にすごい。特に新メンバーは初披露になる曲も多いし。これから先、今の布陣でどの曲だってやれるようになったのは大きい収穫だったことでしょう。結果的には3公演見たので、見る側としても余すところなく楽しめたのは嬉しい。溢れる感情が台詞に籠っている「ヒヤシンス」、アニメEDのころからすごく好きな「空のエメラルド」、ダンスパフォーマンスが圧巻な「とんぼの気持ち」、メンバー再編でさらに魅力を増した「ヘッドフォンを外せ!」、そして、辛い気持ちを暖かい優しさで解きほぐす「曇り空の向こうは晴れている」etc……好きな曲が沢山あるなと改めて感じられた。

ユニットシャッフル


 今回の目玉。会場限定施策かつ、先述の通り日曜昼は行けてないから蛍光灯とサイダーだけしか見られなかったけど、すごく楽しかった。というか日曜夜に関してはほとんどサイダー見たさで行ったと言っても過言ではないくらい。
 こういうシャッフルはイメージ的にはジャニーズがよくやってることなんだけど、声優アイドル文化だとあんまりない気がする(と思うけど、ちょうど裏でシャニマスさんもやってたらしい)ので新鮮だった。タトゥー・ラブでは帆風さんの見せ場だったロングトーンを現歌メン・りのちが持っていったり、カントリーガールではやたら耳に残る桜月ちゃんの「生きてまーす!」を音ちゃんが「生きてます。(真顔)」って感じでやってみたり、そういうシャッフルならではの面白さがちゃんとあって良かったなあ。メンバー選定では、「やりやすい後輩を集合させる和さん」の構図が一番面白かった。あと、MCでは音ちゃん(だったかな?)がかなえさんパートを担当したことに恐縮してた次の曲で、萌ちゃんが「かなえさんのパートだったんで……」と被せてきたのが今回のライブでいちばん笑った。そんな綺麗な天丼決められるなんて!

改めて、新体制


 新メンバー8人の加入から8ヶ月ほど経ったと聞いて、まだそんなもんだっけ?と感じた。それだけこの期間が濃かったと言うべきか、新体制が馴染んでいると言うべきか。いずれにしても、今のナナニジは一時の不安を乗り越えて、自分にちゃんとハマっている。もちろん、メンバー変わらず最初に集まった11人のままで何でもできたならそれがいちばん良かったのだろうけど、既にいろんな変化があった中、最後に起こった「8人の加入」という変化はナナニジをいい方向に導いてくれたんじゃないかなと思う。
 ライブに限った話ではないんだけど、2本のツアーをこなした新メンバー8人はすっかり緊張も抜けて、個性がもっとよく見えてきた。つっきーは(新メンバーの)推し。何事にも落ち着きと、その裏に度胸が感じられるのが好き。あんまり伝わる気がしないニュアンスの話をすると、「委員会が同じで一緒に仕事をするクラスメイト」みたいな距離感でこんな友達がいたら素敵だなあとか思ったり……という妄想はさておき、とにかく声が綺麗だし、本人の志望的にも声優業が見てみたい。りのちは良い意味でこれまでのナナニジらしからぬアイドルオーラがあって、見ていて明るい気持ちになる。そして歌が上手い。音ちゃんは計算中での(八神の)噛みつきぶりとかが割と狂犬タイプっぽく、自分を強く持っている感じが魅力的。るぅちゃんはアジアンビューティーなビジュアルとほわほわ~っとした天然さの噛み合わせが唯一無二。えまっちゃは新メンバーの中でも群を抜いて顔が好き(イケメン!)。清井ちゃんは計算中で(永峰が)頭角を現してきたなと思ったら本人も手ごたえを感じてるようで、自分の強みを活かせてるんだなと思った。麻丘さんはスポーツ界出身だからか、りのちとはまた違った明るさがあって笑顔が印象に残る人。なおてゃんは最初本当に普通の女の子だなという印象だったのが、どんどんアイドルらしい顔つきになっていく。この8ヶ月でのギャップが一番大きくて、成長が末恐ろしいくらい。
 そんな後輩たちが入ってきて、残った6人は「先輩」になった。それもまた、グループにとって良いことだったんじゃないかと思う。サリーちゃんや詩ちゃん、かなえさんといった進行が上手い面々はグループをまとめてるなというイメージが目立つようになったし、れいにゃんや和さんのように一歩引きがちなところがある人は後輩の明るさに引っ張られてもっとパフォーマンスが良くなったように思う。萌ちゃんは自分の中では変わらず萌ちゃんな気がするけど、それはそれで素敵なこと。夏祭りの千秋楽では万全な姿が見られなかったので、今回はかわいいかわいい萌ちゃんがまた見られてとても嬉しかった(同じように、和さんに笑顔が見られたことの喜びは言わずもがな)。
 新メンバー8人がどんどん成長して、それを支えながら先輩メンバー6人もますます魅力を増していく。単なる「14人組」ではなく、良い意味で「6人+8人」なのが新体制のナナニジの魅力だと思う。これまでの魅力を残しながらも、もっと魅力的なグループに進化していく様を見守ることができたら嬉しい。

これからの願望



 直近の展開として発表されたのはクリスマスイブのバースデーライブ。こちらは去年に引き続き、キャラクター配信ライブの形で行われるとのことだった。キャラクターの存在はナナニジのアイデンティティなので、そちらの展開があるのは嬉しい。ただ、計算中しかり、ライブしかり、生トーク的な媒体がメインの現状だと新メンバーのキャラクターが単なる「配信アバター」の域を出ていないように感じる。新メンバーのキャラは当て書きに近い形で生み出されていることもあって、キャラを演じるというよりも良くも悪くも役者の素がそのまま出ているような。わがままを言えば声優アイドルにはあくまでも「声優」であって欲しいし、キャラクターにはキャラクターの物語があって欲しいので、今の体制で改めてアニメを見たい気持ちは強い。改めてアニメファンの新規獲得を狙うのはグループにとっても効果的なんじゃないかな……というのは単に自分がアニメファンだからかもしれないけど。今度こそ制作はCloverが良いなとか、敢えてアイドルアニメにせずとも「キャラ22/7が主演のドラマ」みたいな体で全然違うジャンルやってもいいなとか、妄想はいくらでもできるのでなんらかの形で実現して欲しいなあ。
 アニメは皮算用かもしれないけど、何かしら新規ファンを捕まえに行く姿勢が見られたらいいなとは思う。そうしてさらに増えたファンの中で、満員の国際フォーラム、さらにはもっと大きな会場で羽ばたくナナニジをどうか見られますように。