しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

スクスタ44章~4thシーズン開幕~


璃奈ちゃんのゲーム制作

 全体的にプロローグ感が強かった44章で、いちばん尺を割いてた内容。ただしオチはまだついてないので、今後も継続していく話になりそう。どのくらい引っ張るのかな?
 ゲーム制作の話自体がすごく面白い話というわけでは(まだ)ないけど、グループ分けのくだりは結構好き。ミア璃奈派としては立候補一番乗りがミアさんなのが嬉しいし、その上でミアさん個人に「学園での経験を積みたい」という動機があるのが良かった。せつ菜は元々ゲーム好きだから選ばれたんだろうけど、璃奈・せつ菜が揃うとIT活用チームなのでそれを引用しても良かったかもなとは思った。ただ、あの組み分けはミアとランジュがくっついたままになってるのが変わり映えしなくて不満なので、まあどうしてもって程ではないかな。

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 「歩夢はゲームに関して感覚が独特」という証言は見逃せない。「歩夢はクソゲーが大好き」なのはにょぽむネタの中でも一番引用しやすいし、歩夢みたいな子にそういう一面があるのは素直に魅力だと思う。擦りすぎるとよくないけど、たまにあると嬉しい。

進路の話

 4thシーズンの軸の一つになりそう。少なくとも2学期ではあるはずなので、高3の進路希望調査は「こういう人になりたい」とかじゃなくて進学とか就職とか具体的に決めていった方がいい時期じゃないかとは思ったけど、まあ受験はどうするんだっていう問題と一緒でその辺の違和感はあるあるかな……?今後の章で進路をより具体的に詰めていく可能性もありそう。3年生ひとりに対して後輩数名がそれぞれ相談相手になる構成は各人の存在感が適度にあって、1stシーズンの頃に比べて出番配分が上手くなってるなあと思った。ここについては、オールスターものとしてのノルマが変わってきてるのも大きいか。マイさんとか遥ちゃんとか、キズナエピソード側で描写してきた人間関係が当然のように描かれるのも良い。そういえば長らくキズナ進めてなかったのでやっておかないとな……。
 虹ヶ咲の物語もそろそろ風呂敷を広げるより畳む方が面白くなる時期に入っている印象はあるので、進路やその先の卒業にしっかり向き合ってくれるのであれば楽しみ。ただ、4thシーズンはツムギちゃんの話にも期待してるので、そっちに集中するのであればそれでも良いかなとは思っておく。

加藤ツムギちゃん

 4thシーズン本命、ツムギちゃん。やっぱりcv森嶋優花さんだったのがランナーとして嬉しい!虹ヶ咲学園プリチャンアイドル同好会にもまた強力な援軍がやってきた形。


 意外と後半まで出番が無かったのでまだキャラクターがわからない部分も多いけど、今後シーズンを通してしっかり描いてくれるものだと期待しておく。私は「レギュラーメンバーの力添えを受けてシリーズゲストのキャラクターが成長していく」というファミリー向けアニメの劇場版的メソッドが好きなので、1stシーズン後半の栞子、2ndシーズンの嵐珠のように4thシーズンの主人公はツムギちゃんだったね、と言えるくらいフィーチャーしてくれると嬉しい(加入してという意味ではない)。

「応援」の話

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 ツムギちゃんにまつわるテーマだけど、同時に4thシーズンであなたちゃんが向き合う話でもありそう。スクスタはあなたちゃん(≒プレイヤー、視聴者)という主人公を通して「アイドルを応援すること」の話をずっとやっているけど、最近はその負の側面を提示してくるのが面白いところだと思う。「推し」という言葉が定着して久しい今だけど、「ファンは推しの人生の責任を取れないし、推しはファンの人生の責任を取れない」とはよく言われるし、個人的にも肝に銘じておくべき考え方だよなと思っている。3rdシーズンはテーマ選びにこうした意識を感じたのが面白かった一方で、オチの付け方には不満もあった。いい機会なので具体的に触れると、3rdシーズンでは「応援しているアイドルは自分の夢に向かって頑張っているけど、じゃあそれを応援している私には何があるの?」というテーマが掲げられていた。これはまさに自分も考える悩みだったので共感しながら読んでいたけど、最後は「アイドルの夢を一緒に見てくれるのが"あなた"なんだよ」という感じのふわっとしたごまかしに落ち着いてしまったのが残念だった(千歌ちゃんの言葉で自分を認めてあげられたラストのラストはわりと好き)。思うに、この問題の解決策として私が納得できるのは「誰にも依存せず、自分自身の人生を充実させること」しかないのだけど、不特定多数の集約である「あなた」では「誰かを応援する」というアイデンティティそのものを変えることが出来なかったのが難点だったのではないだろうか。
 話は戻って、4thシーズン。今回は「応援の中にエゴは潜んでいないか?」という問題提起がなされた。ファンが転じてアンチになるなんて話はよくあるし、もっと極端な話をすれば「応援という行為を通して、他人の人生の成功を自分の人生に横取りしていないか?」という問いかけにも言い換えられるだろう。「〇〇のファンであること」を誇りに思うのはいいけど、誇りを飛び越えて驕りを感じているんじゃないの?という具合の人をSNS等で見かけて、人の振り見て我が振り直せだなあ、と思うことも珍しくない。現状、ツムギちゃんのこの意見には(部分的に)同意している自分がいて、引き続き良い着眼点だなと思った。
 ただ、応援にエゴが含まれていたとして、だから応援をするのを辞めるというのもまた違うだろうとは思う。あなたちゃんはこれから「エゴだとしても応援を続ける理由」を改めて考えることになる。それがツムギちゃんを納得させられるかが4thシーズンのゴールだ。3rdシーズンと違うのは、納得させる対象があなたちゃん自身ではないこと。肩透かしになりがちな抽象的な答えでは無く、加藤ツムギという1人の少女の人生に寄り添った答えを描いて欲しい。それはきっと、プレイヤーの納得にもつながるはずだから。