しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『キラッとプリ☆チャン』第65話「すずがカッコよくきめてみた!だもん!」【プリチャン感想】

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 ゲーム3弾稼働を控え、いよいよやってきたすずのソロライブ。放送後にはすず役:徳井青空さんのオータムライブへの出演も発表されましたね。ちなみに私はチケット取れてないので悲しみを噛み殺しております。一般はよ(あるのかわかんないですけど)。

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 2ndシーズン初回から登場しつつ、これまでライブからは距離を置いていたすずのデビュー回。あまり意識していませんでしたが、時期的なものも含めてちょうど1期のりんかちゃんポジションになるんですね。というわけで、彼女同様にデビューに際して過去のトラウマと向き合うエピソードとなったわけですが、パッと見はあまり重たくないように描いてくるのがプリチャン流。この辺は良くも悪くも……というよりかは好みの問題とは思いますが、ちょっと評価が分かれる部分かもしれません。まあ今更な話でもあるのですが、なぜわざわざこんなことを言ったかというと私自身が今回最初に見たときは若干肩透かしに感じてしまったから。とはいえ、何度か見るうちに落としどころが見つけられたり、逆に馴染まなかったのはどのあたりなのかとかが見えてきたので、今回はそのあたりについて書いてみようかと思います。

 さて、順を追って見ていきましょう。Aパートで描かれたのは、幼いすずが抱えたトラウマの話。兄であるマイケル黒川に憧れ、意気揚々と出場した「Dancing & Singingコンテスト」で自分の歌が審査員や観客から「かわいい」と評されたことによるショックが原因でした。これは私の反省ですが、すずの「過去の経験から、歌うことに苦手意識がある」という描写から安直に「音痴」的な方向に気持ちを向けてしまっていた気がします。改めて見返すと「自分の期待と異なる評価を下される」という意味では実際にお出しされたエピソードでもそう変わらないと思うのですが、初見のタイミングではこれまでのトラウマ描写とはちょっと温度感が違うかなあというふうに感じてしまったのが肩透かしの原因だったかなと思います。とはいえ、敢えて言わせてもらうならばすず(6歳)の「かわいい」歌声は台詞だけでなく実際に見せて(聴かせて)ほしかったですかね。曲をどうするんだみたいな問題とかもあるので、言うほど簡単なリクエストでもないだろうとは思いますが。

 続くBパートは、黒川すずmeetsキラッツ。配信番組を通してキラッツの面々と交流を深め、そこから得たヒントを胸にライブにチャレンジするという筋書きでした。すずとキラッツの関係性はこれまで比較的薄かったので、一度しっかりと絡ませておくのは賛成。ただ、これまですずの心を動かしてきたのがまりあ先輩やめるめるだったことを踏まえると、キラッツとの掘り下げタイミングについてはもう少し先でも良かったかなとは思います。
 理屈としてはこれまでの先輩たちの姿に加え、さらにキラッツとの交流を通して一歩を踏み出すという流れなのはわかります。ただ、ここもできることなら回想でも構わないのでめるめる達の後押しも入れておいてほしかった(それができる形で過去の回を作っておいてほしかった)かなという感じですかね。これまでのエピソードでめる達に抱いたある種の憧れと、キラッツの言葉で決意したチャレンジする気持ち。その両方がデビューの後押しになったのだと思うのですが、今回のだけを見るとキラッツだけに限られてしまっていたのがちょっと残念だったポイントです。この辺は1話完結重視の弊害でもあるかもしれませんが。
 ちなみに、勢いついでにこれも吐き出しておくと、ここまでは振り回され体質が目立っていたので素直な礼儀正しさ、「弟感」という部分での後輩キャラを確立していたすずちゃんがキラッツと絡むとゴリゴリの体育会系になっちゃってるのはちょっとだけ残念。でもこれは完全に好みというか、単に自分が苦手なノリだったというだけの話ですね(笑)。悪い子じゃないのは変わらず伝わってきたので、別に問題があるわけではないと思います。


 とまあ、ここまでは珍しく不満に近い部分をバーッと並べてしまったので、ここからは良かったところについても同じくらいの熱量で。
 まずは実質的に新登場となる、マー兄ことマイケル黒川。予告の段階から公式(というか兵頭さん)が何かしら狙っているようなツイートをしていたこともあってキャストにも注目が集まっていましたが、演じられるのは『AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-』伝木凱タモツ役でおなじみ石谷春貴さんでした!「黒川姓」「ストリート系パフォーマー」というところから何かと『プリティーリズム・レインボーライブ』黒川冷と関連づけられる部分も多く、予想段階では森久保祥太郎さんのお名前を挙げられている方も多くいましたが、個人的にはさすがにそのまんますぎるので違うかなあ、とは思っていて。プリティーシリーズ由来なら武内駿輔さんとか、プリチャン特有のやたら豪華な親族キャストなら宮野真守さんなんかがそれっぽいかなあと予想していたのですが、ここでタモツを使ってくるとは想定外で完全に一杯食わされました。意表を突いてくるキャスティング、とても良かったと思います。
 石谷さんと言えばプリチャンとは切っても切れない関係にあるアキバニ主演とあって、個人的には放送開始前から参加されるのを熱望していた役者さん。いざ始まってみるとなんとアイカツフレンズ!の方に準レギュラー出演されているというまさかの展開があったのですが(笑)、こうしてプリチャンのクレジットにも名前を連ねてくださって嬉しい限りです。池畠監督人脈と思しき役者さんは他にもチラホラいらっしゃいますが、アキバニメインキャストとしてはしらす役の長久さん、出たとこ役の久野さんに続く3人目?という認識。いつか高橋さんや高野さんも参加してのでんきマヨネーズ勢ぞろいを見たいですね!

 キャスティングだけで色々と話してしまいましたが、キャラクターとしてもとても良かったと思います、マー兄。すずのために曲をつくったこと、そしてその曲の内容を見ても「いいお兄ちゃん」なのはすごく伝わってくるわけですが、個人的にとても好きだったのは「俺が嘘ついたことあったか?」「この前遊園地連れて行ってくれなかったじゃん」的なくだり。パーフェクトイケメンなわけじゃなくて突っ込まれるところもたくさんあるんだけど、それでも妹のことを大切に思っているのは確かで、すずもそれを理解しているというほほえまな兄妹関係がスッと伝わってくるいいやり取りだったと思います。
 加えて、すずとの通話の中でサラリと「お前たち」といった発言があったことから、他にも兄弟姉妹がいるのかな?という予想も。この辺にさりげなく布石を打っておくのはプリチャンらしい丁寧さですね。まだ全容が見えてこない黒川家ですが、一体どんなキャラを用意しているのか。今後が楽しみになる一幕だったと思います。もちろん、マー兄自身もまだまだ再登場してくれたら嬉しいですね。うっかり歌ってくれても私はいっこうに構いませんよ!

 Bパートのキラッツ密着24時も、良いシーンに仕上がっていたと思います。改めて冷静に振り返ると、今回のシナリオはすずがチャレンジをする回。だからこそ、「わからなかったらやってみよう!」なプリチャン1期を体現するキラッツが彼女にアドバイスをするのは自然な流れだったのかもしれませんね。
 三者三様のデートパート、特に良さを語りたいのはえもちゃん。なんとも大雑把なコミュニケーションは相変わらずで「そういうところだぞ」と虹ノ咲顔になってしまうものの、イケイケから絶叫マシンで引きつり顔になってしまうところはなんともえもちゃんらしい。そして「ビビッてチャレンジしないなんてカッコ悪いじゃん?」と言っていましたが、ご存知のようにえもちゃんと言えばプリチャンいちのビビりなわけです。台詞だけ聞くと「あのビビりのえもちゃんがこんなこと言うなんて……」と成長を感じるところですが、でもこれからも大舞台の前では普通にビビりそうな気しかしないんですよね(笑)。それでもこういうことを言えるのがえもちゃんらしさなんだと思いますし、そこが魅力なんだとも思います。彼女は2期終盤まで割と不憫な役回りになりそうなので、こうやってちょくちょく魅力的に描いてくれると一安心。これからもいわゆるキャラsageになりすぎないよう、上手くバランスを取ってほしいですね。

 そして、何と言っても今回の目玉はすずのデビューライブ!これはもう、例によって手放しで絶賛できる素晴らしいライブだったと思います。
 まずは楽曲。「cv徳井青空」「カッコいいを目指すアイドル」という2点から入れてほしいな~と思っていたラップを期待を裏切らず投入してきたのがまず嬉しい。シリーズ的にもわりと珍しい要素のような?中学生になったすずの「カッコいい」歌も合わさり、個性が良く出た1曲になったと思います。
 そしてダンス。シナリオやすず自身のキャラクター的にも注目が集まる部分ですが、パフォーマンスのレベルの高さをしっかりと映像で見せられるのは流石のプリティーシリーズCG班ですね。振付とホンづくりのどちらが先だったのかわかりませんが、これまでのエピソードで披露してきたムーンウォークウィンドミルレビテーション(ウィンドミルレビテーションではない)も取り入れられていて感動しました。
 総じてとてもカッコいいライブでしたが、やってみたラストのウインクはすっごくかわいい……!カッコいいともかわいいとも言いたくなってしまう悩ましさがあるものの、いつものように「かわいい」と評しようとするまりあを制して「カッコよかった、でしょ?」と言うすずは間違いなくカッコよかったですね。……それでもなお「カッコよくてかわいかったです!」と評するまりあもまた彼女らしくて良かったですが(笑)。また一歩進んだ2人の関係、これから先のユニット結成も楽しみです。


【次回予告】
 
例によって追いつけていなくて既に66話放送・視聴済みなので、割愛!