しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

2022年の楽曲10選

はじめに

 SpotifyYouTube Musicのプレイリストを貼っておきます。ちなみに今年は少し趣向を変えて、通しで聴いたときにいい感じになるような順番を考えて並べてみました。
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Spotify


YouTube Music


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 目次
  1. 君がのぞくレンズ/長瀬琴乃(CV:橘 美來) × 伊吹 渚(CV:夏目ここな)
  2. マイペース/上田麗奈
  3. 彩色硝子/麻倉もも
  4. Page/青山吉能
  5. Yellow Rose/TINGS:青天国春 (CV.鈴代紗弓)、玉城杏夏 (CV.蟹沢萌子)、聖舞理王 (CV.夏吉ゆうこ)、祇園寺雪音 (CV.長谷川里桃)、伊藤紅葉 (CV.中川梨花)
  6. LOVE SIGNAL/SparQlew
  7. Paradise Chime/渡辺 曜 (CV.斉藤朱夏) from Aqours
  8. 星座になれたら/結束バンド
  9. ミライContinue!!/STARRY PLANET
  10. Just give me the love/入野自由

  11. 総括

君がのぞくレンズ/長瀬琴乃(CV:橘 美來) × 伊吹 渚(CV:夏目ここな)

作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:渡辺拓也





 近年はメモ的に良い感じの曲を乱雑に突っ込んでいくプレイリストを作って、それをシャッフル再生するという音楽の聴き方をしがち。となると必然的にその時の気分の曲を引くまでひたすらスキップしていくことも増えるんですが、そういえばこれはあんまりスキップしなかったな、ということで印象に残っている曲。それだけイントロの掴みがキャッチーだということですね。疾走感のあるギターリフとピアノサウンドに毎回グッと引き込まれます。デュエットの方向性も2人のシンガーがぶつかり合うような迫真さがあって、惚れ惚れするようなカッコよさ。
 詞曲の渡辺翔さんと編曲の渡辺拓也さんは共通の案件に参加することも多々ありますが、意外にも作編曲で共作されるのは珍しい(というか初?)んですよね。たまたま同姓というのもありますが、作家推しとしては夢のタッグと言っても過言ではないような豪華布陣でした。

マイペース/上田麗奈

作詞:おかもとえみ 作曲・編曲:JUVENILE





 一度聴いたら耳から離れない、ダンダンドゥビダンダン。非常に普遍的な魅力を持った良質ポップスなので単純に楽曲としても一発で好きになったんですが、その上で中毒性の高いフレーズがあるのがなお面白かったです。あなたも一緒に、ダンダンドゥビダンダン。
 "四季シリーズ"と題した一連のアルバムは本作をもって完結となりましたが、来年以降も上田麗奈さんのペースで音楽活動を続けてくれたらとても嬉しいですね。

彩色硝子/麻倉もも

作詞:宮嶋淳子 作曲:光増ハジメ 編曲:TomoLow





 ジャジーな要素を交えたミディアムテンポの楽曲で、少しアンニュイな雰囲気をまとったオトナな魅力が感じられる1曲。イントロや間奏の細かく刻まれる高音だったり、大サビで一気に開放感をもたらす和音だったり、ピアノが非常に良い味を出してますね。音楽とは少し離れた表現になりますが、光を受けてさらに広げるガラスのようなキラキラ感があるので「彩色硝子(ステンドグラス)」というタイトルもピッタリだなと思います。
 麻倉ももさんのソロワークスは明確に追っているわけではないのですが、定期的に好きな曲をリリースしていて好印象。c/wの「ネムイケド」も良かったですし、アルバムでは「満開スケジュール」なんかも好きな曲で、自分の中では今年を代表するアーティストの一人でした。

Page/青山吉能

作詞:青山吉能 作曲:矢吹香那 編曲:前口ワタル





 2022年は青山吉能さんが大きく飛躍した1年でした。水色推しワグナーの端くれとしてとても嬉しく思います。『ぼっち・ざ・ろっく!』や『ウマ娘』など声優としての活躍もさることながら、ソロアーティストとしてもデビューし3曲のデジタルシングルをリリース。そのデビュー曲となったのが「Page」でした。アコギのカッティングを軸にピアノやストリングスを交えるアレンジはいい意味でザックリしていて、細かな技術以上の有無を言わせぬ力強さを感じさせます。青山さんらしい感情を込めに込めた歌唱がそのパワーをさらに拡大させていて、デビュー曲に相応しい壮大さに溢れる1曲。
 余談ですが、作詞が本人、作曲が矢吹香那さん、編曲が前口ワタルさんという並びは早見沙織さんのデビュー曲である「やさしい希望」と全く同じ。すなわち、個人的にも"最推し"と言える布陣でした。青山さんは早見さんのことを尊敬する声優であると公言していますが、今回の経緯は複数のデモを聴いて候補になった曲がたまたま矢吹さんのもので……という流れだったよう。そんなミラクルも重なって、「推しのデビュー曲を推しクリエイターが手掛ける」という大変に幸せな体験をさせてもらったのも印象深かったです。

Yellow Rose/TINGS:青天国春 (CV.鈴代紗弓)、玉城杏夏 (CV.蟹沢萌子)、聖舞理王 (CV.夏吉ゆうこ)、祇園寺雪音 (CV.長谷川里桃)、伊藤紅葉 (CV.中川梨花)

作詞:ヤマダヒロシ 作曲:松本俊明 編曲:中土智博





 動画にライブシーンを貼っている通り、アニメ『シャインポスト』の第6話EDで披露された劇中曲。MISIA「Everything」などで知られる松本俊明さんを作曲に迎えた本格バラードです。
 劇中においてどういう位置づけなのか?というところは是非アニメ本編も見て欲しいのですが、曲に絞って注目すると面白いのはフル尺6分14秒、イントロ40秒という構成ですね。「短いトラックにして回転率を上げる」「スキップされる前に歌に入る」といったサブスク時代のポップス楽曲のトレンドに真っ向から対立していて、一種の"アンチ・サブスクソング"と言えるでしょう。もちろん、現代でもこうした作りの楽曲はまだまだたくさんあるとは思いますが、それが広く人気を博すには一工夫が必要になる時代なのかなと。その点、楽曲への導線や付加価値として「物語」が存在するアニメソングはこうしたチャレンジの土壌にもなり得るんじゃないかなと思える1曲でした。

LOVE SIGNAL/SparQlew

作詞:MIZUE 作曲・編曲:Ka4MURA





 若手男性声優によるユニット・SparQlew。千葉翔也さんの卒業を受け、今年からは4名での新体制で活動しています。この件と関係あるのかないのかは不明ですが、今年リリースしたフルアルバムは新たに甲克裕さんがディレクターに就任。レーベルメイトだと入野自由さんや神谷浩史さん、岡本信彦さんらを手掛ける方で、非常に信頼しているディレクターさんなので嬉しいサプライズでした。実際、このアルバムは年間ベスト級にお気に入りの名盤です。
 該当アルバムから選んだのは、夜のドライブに映えるシティポップ。テーマとジャンルの組み合わせはベタすぎるかもしれませんが、裏を返せばそれだけ鉄板のジャンルということですから。個人的に好きなのはイントロで、アルバムでは直前に置かれているバラード曲の余韻をいい意味で断ち切るような入り方になっているのが良い並びだなと感じます。レコードではないですが、ここからB面が始まるような感覚がお気に入り。

Paradise Chime/渡辺 曜 (CV.斉藤朱夏) from Aqours

作詞:畑 亜貴 作曲:TAKAROT, FUNK UCHINO 編曲:TAKAROT





 近年のAqoursの展開はほとんど追えていなかったのですが、今年は人に誘われて6月の東京ドーム公演に行きました。その中で気に入った曲のひとつが、こちらの渡辺ソロ。文字通り弾むような気分になる軽快なダンスポップです。サウンドはエレクトロ風味でもあるんですが、どこか海を想起させるような爽やかさもあるのはグループやキャラのイメージに寄り添った結果でしょうか。「Pan Pin Pan Pin Paradise Chime」とパ行盛りだくさんのサビとか、良い意味でただただ楽しいだけなのが刺さった曲でした。

星座になれたら/結束バンド

作詞:樋口 愛 作曲:内藤英雅 編曲:三井律郎





 今なお余韻が残る人も多いであろう、秋の大人気アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』。結束バンドらしさみたいなものは「ギターと孤独と蒼い惑星」や「あのバンド」の方が強いようにも思いますが、文化祭ライブ用チューニングとばかりに適度にポップスに寄せたこのバランスが個人的には心地よいですね。ミドルテンポでいつまでも聴けてしまうような耳馴染みの良さと、どこか切なさも感じさせるサビメロには一発でリスナーを虜にする力がありました。バンドを星座になぞらえたリリックもすごく素敵だと思います。「僕がどんなに眩しくても」について解釈を巡らせるのもまた一興。
 普段はあまり注目できていないところでいうと、右側のギターがものすごく雄弁なのが面白いんですよね。作品との合わせ技で、MIXの妙が感じられるところだなあと思います。

ミライContinue!!/STARRY PLANET

作詞:磯谷佳江 作曲:小野貴光 編曲:玉木千尋





 「総括の曲」というものに弱いのです。シリーズ10周年の一環としてリリースされたこちらの曲は、『アイカツプラネット!』を締めくくる1曲。キラキラと明るいけれど、故に寂しくも感じるようなサウンドに、とびっきりの感謝を伝える歌詞がじんわりと染み渡ります。そして何より、これからもずっとずっと続いていくミライを歌った曲なのがすごく良いですね。作品や付随する活動は終わってしまってもう見えないかもしれないけど、その先にもずっと彼女たちの未来は続いていくんだという切なくも喜ばしい気持ちにさせられます。お手本のようなアイドル卒業ソングでした。

Just give me the love/入野自由

作詞・作曲・編曲:佐伯youthK





 アーティスティックな魅力あふれる入野自由さん。今年リリースのミニアルバムから、お馴染み佐伯youthKさんが提供した最高にハッピーなゴスペル風のナンバーを選びました。日本語と英語をほどよく織り交ぜた詞が佐伯さんらしいリズミカルなメロに乗っていて、思わず身体を揺らしたくなるようなノリの良さがあります。歌う側としては難しそうなものですが、サラッと歌いこなしている(ように聴こえる)のは流石の一言ですね。厚めのコーラスが続くアウトロが素敵な余韻を残し、ただでさえ素晴らしいアルバム全体の印象がグッと底上げされていたと思います。

総括

 今年はほぼ声優楽曲オンリーになりました(STARRY PLANETを声優とするかどうかくらい?)。選んだ曲そのものはいずれも絶対の自信を持ってオススメできますが、界隈の外へはなかなかアンテナを伸ばせていないなあというのは毎年のように感じるところです。まあ、1曲2曲だけ違う畑から持ってくるよりは揃えちゃった方がいいかな、みたいな意識もちょっぴりあったんですが。
 次点を挙げていくと、最後まで悩んだのは「続く話/せるふとぷりん」。アニメDIYのEDですね。アップテンポ系の曲と並べて悩んでいたのでキャッチーさの面で惜しみつつも選外としましたが、落ち着いていて、心にスッと入ってくるすごく良い曲です。後は、自分の10選だとわりと常連のイヤホンズは「トメハネハラウ」がもう少し早いリリースだったらまた違う結果だったかもしれません。ある程度絞り込んでから出てしまったので……
 去年言っていたサブスク10選・ローカル5選の形式でもやってみたかったんですが、選評までは間に合わず。非サブスクで良かったものとしては、ジャニーズWESTの「セラヴィ」「黎明」、Sexy Zoneの「Iris」「Forever Gold」、入野自由さんの「純愛ラプソディ」(竹内まりやさんのカバー)なんかがパッと浮かびます。地味に5選になりましたが、まあそこまで捻って考えているわけではないのでこれは参考記録的に。

 というわけで、今年も楽曲10選でした。来年はどんな曲が世に出るのか、変わらず楽しみにしています。それでは皆様、良いお年を!