しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

【年間アニソン10選】2018年のアニソン10選

 毎年歳末に更新している記事。ブログ更新では今年で4年目となります(どうも検索性が良くない感じだったので試しにタイトルを例年とは変えてみました)。過去の記事はこちら↓。

* * * * *

【選出基準】
・2018年に音源が初リリースされた楽曲
・アニメ/ゲーム作品のタイアップ楽曲(主題歌/挿入歌/劇中歌etc)もしくはキャラクターソング(アーティスト名がキャラクター名義のもの)
・同一作品からは1曲のみ
・10選内での順位はつけていません。順番はアーティスト名五十音順。

【試聴について】
・公式動画があるものはそれを貼ってます。
Apple Musicにある楽曲については埋め込み機能を利用しています。30秒試聴が可能な他、加入者はおそらくフルで聴けると思います。
・その他の楽曲は下記サイト様のツールで埋め込みプレーヤーを作成しています。

※動画と試聴プレーヤーとで音量バランスが違うのでご注意ください(試聴の方が大きい)
・その他、文中の曲名リンクは全てiTunesへ飛びます。(ないものはAmazon CDリンク)

 では、楽曲紹介は追記へ。 1.PolarisWake Up, Girls!(TVアニメ『Wake Up, Girls! 新章』劇中歌)




 Wake Up, Girls!を追ってる人であれば、選出理由を多く語らずとも納得していただける選曲だと思います。それぐらいWUGにとって、そしてワグナー(WUGのファン)にとっても大切な楽曲。アニサマなど大型フェスでのパフォーマンスも話題になりましたし、ハイパーリンクのアニメ側でのライブも熱意の伝わってくる素晴らしい出来でした。
 作詞を担当したのはWUGのメンバー7人。なにかと複雑な出自のWUGですが、「震災復興」というのはやはりひとつキーワードとしてあるんですよね。メンバーの中にも東北出身者がいますし。そういった面を忘れることなく、いい意味で華やかなだけではないWUGらしい詞になっていると思います。
 と、いわゆる「文脈」的な側面ばかり語ってしまいましたが、もちろん楽曲単品としてみても十分に年間トップクラスのお気に入り。WUG曲を代表するクリエイター・田中秀和によるオシャレでキラッキラのミドルテンポなアイドルソングとなっています。冬の夜に星空を眺めながら聴くとビックリするくらいロマンチックなのでオススメですよ。




2.So Happy/内田 彩(TVアニメ『お前はまだグンマを知らない』エンディングテーマ)
作詞:中村彼方/作曲:小松秀行/編曲:佐藤清喜





 WUG目当てに向かったアニサマ初日での大きな拾い物。ホーンセクションも印象的なミドルテンポのダンスポップです。ライブ会場で初めて聴いたのですが、完全に一目ぼれ(一聴ぼれ?)としか言いようのない楽しさでした。耳に馴染むどころか身体に馴染む感覚でしたね。
 内田彩さんといえばやはり『ラブライブ!南ことり役が印象深く、ミルクのような甘い歌声のイメージがありますが、ソロの楽曲はそうした雰囲気を残しながらも伸びやかでアーティスティックな歌い方をされていて、こちらもまた違った魅力があるなあと感じる一曲でした。




3.カラフルデイズ/カラーズ☆スラッシュ(TVアニメ『三ツ星カラーズ』挿入歌)
作詞・作曲:秋浦智裕/編曲:成瀬裕介



 カラーズもわりと平均して楽曲レベルの高いアニメで、OPとEDどっちにしようかなあ……、と悩んだタイミングで第3の選択肢として用意してあったこれを聴いたら「これでいいんじゃね?」と思えたので選曲。c/wと侮るなかれ、onetrap秋浦成瀬の手によるハイセンスな4つ打ちミュージックとなっています。
 曲中で会話が繰り広げられるわけですが、完全な台詞パートというわけでもなく、上手いことメロディに乗せて歌い続けているところがお気に入り。「ア・カ・ア・オ・キイ・ロ・カラーズ☆スラッシュ」のリフレインもクセになる一曲。




4.涙はみせないこみっくがーるず (赤尾ひかる、本渡 楓、大西沙織高橋李依)(TVアニメ『こみっくがーるず』EDテーマ)
作詞・作曲・編曲:mikito



 春のきららアニメから、EDテーマを選曲。アニメ話数10選の方でも書きましたが(ていうかあっちとこっちで作品被りが激しい)、こみがの魅力はその「青春ストーリー感」にあると思います。そうした要素をブーストしているのがこのED。ギターとピアノが印象的な編成で送られる曲調はどこかノスタルジックで、映像とも相まってしんみりとした気持ちになります。サビ前に一瞬バッキング部分がスッと引くのがお気に入り。
 また、この曲を語る上では「使い方の良さ」も外せないでしょう。毎回本編ラストにイントロをこぼす使い方をしていて、それが見事に心地いい余韻を演出していました。アニメ自体が非常に質の高い作品でしたが、その下支えとなる楽曲だったと思います。




5.グロウアップ・シャイン!/スピカ [スペシャルウィーク (CV.和氣あず未)、サイレンススズカ (CV.高野麻里佳)、トウカイテイオー (CV.Machico)、ウオッカ (CV.大橋彩香)、ダイワスカーレット (CV.木村千咲)、ゴールドシップ (CV.上田 瞳)、メジロマックイーン (CV.大西沙織)](TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』EDテーマ)
作詞:真崎エリカ/作曲:桑原 聖 (Arte Refact)/編曲:酒井拓也 (Arte Refact)







 競走馬の擬人化(美少女化)コンテンツ、ウマ娘。そのアニメ版は、競馬マニアのプロデューサー・(いとう)こと伊藤隼之介氏の元、実際の史実をバランスよく取り入れた競馬アニメとなりました。個人的にはギャンブルとしての側面しか見ていなかった競馬ですが、純粋にレース自体にも魅力のある競技なんだなと考えを改めることとなったのが印象深いです。というわけで、そんなレースの雰囲気をまとった疾走感あふれるED曲を選出。作編曲を担当するのは『プリパラ』でもおなじみのArte Refact桑原・酒井コンビ。キラキラした王道アニソンポップを書かせたらもう鉄板のコンビです。サビの合いの手も多く、ライブでも盛り上がりそうな一曲。「砂埃気にしないで 巻き起こるドラマ楽しんで」というフレーズがお気に入りです。




6.HAPPY!!ストレンジフレンズ/ソフィー・トワイライト (CV:富田美憂)・天野 灯 (CV:篠原 侑)・夏木ひなた (CV:Lynn)・エリー (CV:和氣あず未)(TVアニメ『となりの吸血鬼さん』EDテーマ)
作詞:宮嶋淳子 (SUPA LOVE)/作曲・編曲:Yu (SUPA LOVE)





 いわゆるきらら枠……ではないのですが、コミックキューン連載作を原作とした日常系ガールズコメディ作品から、出演声優陣によるユニットソングを選曲。"chu! chu! chu!"という掛け声がキュートでノリの良いOPも好きなのですが、本編の使い方、特に最終回での流すタイミングが完璧すぎたところの好印象が強く、今回はEDを選ばせていただきました。ストリングスが印象的な非常に上品な楽曲で、ボーカルもいい意味で力の抜けた高音域のユニゾンが多く、ヒーリング効果も高いと思います。「ストレンジ=奇妙な」と題されたタイトルに代表されるように、吸血鬼と人間のズレながらも尊い友情を表した歌詞も素敵な一曲。

†吸tie Ladies† / HAPPY!!ストレンジフレンズ
ソフィー・トワイライト(CV:富田美憂)、天野灯(CV:篠原侑)、夏木ひなた(CV:Lynn)、エリー(CV:和氣あず未)
2018-10-31



7.覗かないでNAKEDハート/虹川仁衣菜 (cv.指出毬亜)、椎柴識理 (cv.鳥部万里子)、箕輪みかさ (cv.日岡なつみ)VR Idol Stars Project『Hop Step Sing!』3rdシングル)
作詞:結城アイラ/作曲:本多友紀 (Arte Refact)/編曲:脇 眞富 (Arte Refact)





 定義的にアニソンと言えるか微妙っちゃ微妙なんですが、まあ自分の感覚的には100%アニソンなんでいいかな、という曲。講談社などが関係する企画で、VR映像のリリースを軸に活動しているいわゆるバーチャルアイドルの楽曲です。それなりの期間活動してるのでブームよりだいぶ前からあるにはあるんですが、今だとVTuberといった方がわかりやすいかもしれませんね。
 過去2枚リリースのCDもいい曲だったのですが、今回はさらに壁を一つ突き破ったような名曲。Arte Refact制作のダンサブルでゴキゲンなナンバーとなっています。間奏のギタープレイがめちゃくちゃカッコよくてお気に入り。リリースペースがかなりゆっくりなのが気がかりではあるのですが、今後の活動にも期待しています。




8.Jewelry早見沙織(TVアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』第1クールEDテーマ)
作詞・作曲:早見沙織/編曲:倉内達矢





 今年18年ぶり(!)となるアニメ新シリーズを放送したカードキャプターさくらからは、自身も『さくら』世代だという早見沙織さんが担当された第1クールEDを選ばせていただきました。
 早見さんはソロ名義の楽曲の多くで作詞・作曲に関わっていますが、このJewelryはタイアップ曲では初めて単独で作詞作曲を担当。どことなく内省的な楽曲が「作曲家・早見沙織」の持ち味かなと見えてきた時期ですが、本曲に関しては「明るい曲を!」とテーマを掲げて制作されたようで、朝アニメらしい爽やかな楽曲となっています。もちろんアレンジの倉内さんの仕事ぶりも光ります。アウトロのピアノがほんっとうに大好きなんですよね。
 詞の方に目を向けると、「かつて『さくら』に希望をもらった少女が、その宝物を胸に生きていく」という真っすぐなテーマの元、間違いなく「作詞家・早見沙織」のベストリリックとして仕上がっていると思います。「希望、マゼンタ、恋と夢」にマゼンタを入れ込むセンスはマジで天才じゃないかと思いましたし、同世代(よりちょっと下くらいですけど)として「もう大人に終わりはないけれど 宝物は増えていく」という言葉の重さも希望も強く強く感じられます。どちらもとてもお気に入りのフレーズですね。
 若干長めになりましたが、早見さんと楽曲チームのファンとして最後にもうひとつ。本曲は先日発売した早見沙織2ndアルバム『JUNCTION』にも収録されていますが、これがもうまさに「名盤」なのでこちらも是非お聴きいただきたいです。シングルがApple Musicになかったのでちょうど試聴もアルバム収録の方になってますし、加入されてる方はそのまま頭から聴いちゃってください。他のサブスクにも大体ありますし、CDやDL販売も当然あるので是非。



早見沙織/JUNCTION (CD+Blu-ray盤/2枚組)
ワーナー・ホーム・ビデオ
2018-12-19



9.SUPER CUTIE SUPER GIRL/ミラクル☆キラッツ (cv.林 鼓子、久保田未夢厚木那奈美)(TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』劇中歌)
作詞:栗原 暁 (Jazzin'park)/作曲・編曲:栗原 暁 (Jazzin'park)、久保田真悟 (Jazzin'park)




 『プリティーリズム』『プリパラ』の流れを汲む『プリティーシリーズ』最新作。過去の10選でも『プリパラ』楽曲を多く選びましたが、プリチャンも負けず劣らずの名曲揃い。特に今月はじめに発売された2nd挿入歌アルバムは「確変」と言っても差し支えないレベルのド名曲だらけでした(もちろんアベレージのクオリティが高いシリーズですが)。
 さて、そんな激戦を勝ち抜いてプリチャンよりランクインしたのは、主人公チーム「ミラクル☆キラッツ」の初チーム曲。クラップを挟んだ楽しげなイントロからワクワクしますし、ズンズンとしたキックも聴いていて気持ちがいい。「元気いっぱい」という彼女らの魅力をバッチリ打ち出しながらも、いわゆる楽曲派への訴求力も高いオシャレPOPSになっていると思います。




10.poppin’ rain/迎 羽織 (CV.小倉 唯)(TVアニメ『音楽少女』挿入歌)
作詞:タケヨシキ、奈須野新平/作曲・編曲:奈須野新平、福田淳





 音楽少女はOP、ED、そして週1ペースでシングルリリースされた挿入歌と楽曲が多かったですが、どれも安定して良曲だったので1曲に絞るのはなかなか大変かな……と思いました。ですが、やはりこの曲は初見(初聴?)時から頭一つ抜けていたなということで、我ながら納得の選曲。はずむような軽快なリズムの楽曲は思わず体を揺らしてしまいますし、サウンドは大変オシャレでディスコティック。Aメロ裏のギターも実にカッコいいです。キャラクターとしてもセンターポジションの子ですし、キャストもキングレコードのイチオシ・小倉唯さんとあってか非常に力の入った楽曲でした。




* * * * *

【総括】
 今年は音楽との向き合い方……っていうとちょっと大層すぎますが、音楽を聴く手段に変化のあった1年だったなと思いました。どういうことかというと、まずミルキィホームズWake Up, Girls!がダブルでファイナル告知をしてきたのが大きいんですよね。WUGはこの楽曲10選でも毎年選曲していて、なんなら毎年「今年のWUG枠はどれにしようかなー」というところからスタートするレベルでした。それは別にファンだからというわけじゃなくて……いや当然ファンではあるんですけど、本当にそれだけ毎回毎回名曲揃いだったからなので、本当に残念な気持ちでいっぱいです。また、タイアップ等の関係もあってここ数年は選曲していなかったミルキィも、ユニット・作品ともにすごく好きだったのでこちらも非常につらいです。
 ……で、それがどう影響してるのかというと、「最後だから」という気持ちも働いて、あまり行っていなかったライブにめちゃくちゃ行くようになったんですよね。それはとても楽しいし、上で選んだSo Happyのようにフェスで知らない曲と出会えたりもするんですが、やはり資金的にはけっこうギリギリでして。そんなこんなもあって、CDを買う量は減ったと思います。
 でもって、その代わりを埋めるのがサブスクなわけですね。ANiUTaは以前から登録してはいたのですが、それに加えてSpotifyにも加入してみました。これがまあ便利で、ここ数年でカタログも充実してきているようでアニソンだけでもけっこうな量が聴けるわけです。ただ、なんとなくどれを買ってどれをサブスクに回すかみたいな線引きが自分の中で上手くできてない感じがあったりもします。そうなってくるとプレーヤーが分かれちゃうのもあって、逆に聴かなくなっちゃう曲もあるかなあ、みたいな感覚もあり……上手く説明できないんですが。たぶん自分のライブラリもサブスクもApple Musicに統一するのがいちばん手っ取り早そうというのはなんとなくわかるんですが、今あるライブラリが乱れるのもなんか面倒なんでまだ踏み切れなかったり……とまあ、特にオチの無い話になりましたが、そんな感じで音楽の聴き方にも変化が出てきたという話でした。
 
 さて、枕が長くなってしまいましたが、選曲についても軽くコメントを。選んでる時にまず思ったのは、「好みわっかりやすいなコレ!」という感覚でした。まあ女声ボーカルオンリーなのはいつも通りなのでいいとして、今年は特に「オシャレでノリやすいダンスポップ・アイドルポップ」が並んだように思います。まあ実際好きなのでいいんですけど、そのあたりのバランスも含めて考えた方がいいかもしれないなとも思いました。
 ちなみに、それ以外の路線で好きだったのだと、So Happy同様アニサマで出会った桃色タイフーン」(春奈るな/TVアニメ『ゆらぎ荘の幽奈さん』OPテーマ)とか、君のせい」(the peggies/TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』OPテーマ)とか。そういえば今年もOPテーマを選びませんでした(笑)。
 同じ作品中で悩んだものとしては、なんといってもプリチャンが激戦でした。なんなら書く直前までライバルチームであるメルティックスターのCOMETIC SILHOUETTEを選んでましたし、同アルバム収録のフォーチュン・カラーも圧倒的ラスボス感をまとった名曲。ライブでの盛り上がりトップクラスの人気曲スキスキセンサーMONACA制作の2ndOPGo! Up! スターダム!なんかもあります。シリーズファンとしてはリスペクトの詰まった映画主題歌プリマ☆ドンナ?メモリアル!も捨てがたく、本当に悩んだ選曲でした。逆に、選曲自体はスムーズに決まった音楽少女も、まだまだ紹介したい名曲がたくさんあります。王道アイドルユニット曲のお願いマーガレットやミュージカル的なゴージャスさのある輝け Make up! Shine☆、原作コンポーザーTaishiさんの参加したFalling Downなどなど……TVアニメ版の楽曲も良曲ぞろいだったと思います。それまでの企画と路線は違うものが多いですが……

 さて、年末のミルキィまでに書き上げようと急いでたら勢いに任せた分逆に長くなってきてしまったので(笑)、このあたりで終わりにしたいと思います。それでは、来年も素敵な楽曲に出会えますように。

【追記】
 ミルキィが終わったので戻ってきました(笑)。私としたことが、作家の話をするのを忘れていた!ということで、その辺の話も少し。まず10選で目立つのは、Arte Refact制作曲が2曲あることでしょうか(ウマ娘ED、HSS!)。自分的には『プリパラ』でのご活躍が印象深い方々ですが、今年は『レヴュー☆スタァライトなど、いろんなところでお名前を拝見したように思います。悩んだところだと、『やがて君になる』EDなんかもありますね。『となりの吸血鬼さん』ED制作のSUPALOVE宮嶋・YuコンビもプリティーシリーズはKING OF PRISMで「ドラマチックLOVE」などを担当されています。
 そして逆にキラッとプリ☆チャンには、新たな布陣としてJazzin'parkのクレジットが目立つようになりました。今回選んだものを含めミラクル☆キラッツの楽曲を2曲担当し、プリティーシリーズに新たな風を巻き起こしています。もともとJ-POP界隈への参加が多く、個人的には家族の布教を受けたKis-My-Ft2のイメージが強かったですが今年はアニメジャンルにも参戦。プリチャンのほか、ガンゲイル・オンライン』(GGO)ED・特典キャラクターソングなどを担当されました。
 というわけで、軽~くですが、作家話でした。来年はまだ見ぬ新たな作家さんに出会えるのか?そんなところも楽しみにしています。