しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第23話「最後の試練 みんなでセンター!」

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 ついに登場、チームライブ。完全に新規の楽曲が披露されるのは久しぶり……あまね様以来でしょうか?そんなこともあり、クライマックス感の高まるエピソードでした。

#23 『最後の試練 みんなでセンター!』

脚本:村山 功、絵コンテ:佐藤順一/小林浩輔、演出:伊藤 浩

 前回ラストにて、打倒ジェニファーのため「みんなでセンター」という作戦を打ち立てたまつりたち。ただ、それ自体が秘策という感じではなかったようですね。単純に、ひとりでダメならみんなで戦おう、ということだったのかもしれません。一応はセンター争いという形で1クール引っ張ってきたことを考えると若干ずっこけてしまいますが、「1人に委ねるのではなく、全員が等しく高いレベルに仕上げるべき」という考えだと思えば納得できる気もします。
 個性豊かなプリマジスタだからこそ、パフォーマンスを「合わせる」ことは容易ではありません。経験と体力で劣るからこそ、周囲に追いつくためにと必死でトレーニングに励むのはれもん。合宿編に入ってから特に目立っていますが、前髪断髪後のれもんは真っすぐなところや一生懸命さが良く目立っていますね。キャストである鈴木杏奈さんのプリマジ稼働の多さも相まって、実質的に主役なんじゃないかと思ってしまうことすらあります。オーロラドリームがあいらとりずむにダブル主人公的要素を持たせていたように、「普通の女の子の投影先としての主人公」であるまつりと、「ドラマを牽引する役割を持つ主人公」であるれもん、という見方もできそうだなと感じました。
 ちなみに合わせるために悩んでいたのは他のメンバーも同様で、れもんと反対に頭一つ抜けて実力者であるひな先輩は全体の見栄えを重視してパフォーマンスを抑えることを提案していました。シリーズファンとしてはやはり「低い!」と言いたくなってしまう展開ですが、狙ったのか狙ってないのかは微妙なところかなと思います(笑)。
 そんな悩みを抱えたプリマジスタたちに、解決のきっかけとなる試練を与えたのはウンディーネ先生。プリマジの大人は(主に阿智彦のせいで)一種のいやらしさ、何らかのたくらみを持った人が目立つ気がしますが、そんな中でウンディーネ先生は意外と頼れるというか、プリマジスタたちを導いてくれる立場であるように感じます。まさに先生、師匠ですね。山登りという試練もそこはかとなく昭和の香りがしますが、そこはいい意味で味になっているのではないでしょうか。

 今回でいちばんの推しポイントをピックアップすると、後半の一連のシーンの音楽演出がビシッとハマっていたのがとても良かったですね。焚火を囲み、まつりがメンバーそれぞれの個性を語りだすシーンは相互理解を深めるための合宿編のクライマックス。ここに現状プリマジの"決め"の曲とも言えるピアノメインの曲を当て、そこからライブステージ直前まで全体的にしっとりとした楽曲でまとめているのが大変好みでした。この流れには「マナマナが力を合わせて魔法を発動する」という派手なシーンも含まれていますし、そのついででちょっとした笑い(主にチムム)があったりもするのですが、そういうのを全部ひっくるめて優しい音楽で包み上げるのが大好きなんですよね……。お話としては「小手先の技術で合わせるのではなく気持ちをひとつにすることが大事」というシンプルなものですが、その分見せ方の良さが存分に味わえるようになっていたと思います。

 そして、今回最大のポイントは何と言ってもついに披露された5人での新曲、「ワッチャ!プリーズ!マジック! -What's your "Please" Magic?-」。第一印象は、ざっくり言ってしまえば「プリパラっぽい」。これまでの曲とは打って変わってアイドル然とした楽しさを全面に押し出しているのもそうですし、作品タイトルと楽曲タイトルを重ねる遊び心なんかもまさに作詞:松井洋平ならではといった印象でした(タイトル決めたのが松井さんかはわからないですが)。意外な曲調で面食らったところもありましたが、新鮮さはバツグン。ブラスや細かな譜割から醸し出される楽しさは個人的にも好きですし、「ワチャワチャ感」と言い換えればなるほどワッチャプリマジ!の曲としてはしっくりくるようにも思います。総括すると、とても好きということですね(笑)。ひと悶着あったフォーメーションもみるきを立てつつ代わる代わるセンターに入る感じが楽しかったですし、ちょっと抜けたところもある振付にもプリティーシリーズらしい可愛さがあったように思いました。