しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第45話「科学の道、あうるの道」

YouTube見逃し配信】※2022年9月5日(月)まで


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 大変かわいいいないいないばぁから始まる45話。ヘブンズ編4週目は、あうるを中心にした御芽河家のみなさんのお話になりました。

#45 『科学の道、あうるの道』

脚本:土屋理敬、絵コンテ:松園 公、演出:熊野千尋

 今回の注目ポイントは2つ。「あうるとめが姉ぇによるボルトの育児」と、「希望に向かいだす御芽河一家」といったところでしょうか。あうる回なので祈瑠や阿智彦を描きやすいというのもあるかと思いますが、要素的には「子育て」でつないだ感じもありますね。

 ボルトの子育てに関してはわかりやすいドタバタ展開の印象が強かったです。特にプリマジスタたちのもとに現れて騒動を起こしていく流れが顕著でしたね。みるき&はにたんはみるきが受ける、ひな先輩&チムムはチムムが受ける……という感じで、誰が被害を被るかがわかりやすいのがなんとも芸人気質なこのシリーズらしかったかと。テンポ的には割とゆったりだったんですが、それもなんだかジワジワ来る味わい深さがあったように思います。冒頭の「御芽河(Ω)ポーズ」だったり「ヨコシマ(邪)」だったり、クスッとくるようなワードが多かったのも印象的。必ずしも脚本由来かはわからないですが、そういえば土屋さんもプリパラライターなんだよなあと再確認しましたね(むしろシリーズ構成だったんですが、それゆえにぶっ飛んだギャグの部分で土屋さんの名前が語られることはあまりないイメージ)。

 もうひとつのトピックとなる、御芽河家の面々の再起について。先週のあうるや橙真の説得を受けて、祈瑠くんはもうすっかり社会復帰したもようです。兄としてあうるにアドバイスを送り、息子として父に語り掛ける姿からは以前のような空回り感は消え去り、すっかり頼れるお兄ちゃんになりましたね。個人的には、「成長」というより「憑き物が落ちた」という感じの変化なのがなんだか好きなところです。大きな失敗をして、一度立ち止まったからこそ、冷静に周りを見て他人を認めることができる。そういった描き方に説得力と優しさを感じました。もちろん、ただ失敗しただけで冷静になれるわけではないので、そんな彼を引き上げてくれたあうる達の献身にも意味があったと感じられます。
 そうして引き上げてもらった祈瑠の呼びかけが、今度は同じように沈み切って引きこもっていたのが阿智彦を救い上げるのが素敵な流れでした。この2人はある意味で似た者親子なのかもしれませんね。これまで利害ばかりを見ていた御芽河一家でしたが、ここをきっかけに親子として、家族として、利害を超越した愛情をもって関わり始められるような、そんな明るい未来も感じられる一幕でした。