しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第12話「まつりVSひな フェニックスはどちらに微笑む?」

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 スター地区フレフェス・決着編。同時に、様々な要素を散りばめてただの「大会回」に留まらない構成となったエピソードでした。

#12 『まつりVSひな フェニックスはどちらに微笑む?』

脚本:坪田 文、絵コンテ:南 康宏、演出:伊藤 浩

 ひな先輩のパフォーマンスで奮い立っているまつり(ひな先輩へのすれ違いざまの声掛けがものすごく体育会系ですね)。初めての競争の場に立ち、「絶対に勝つんだ」という強い意志でプリマジに挑みます。そんな心構えからか、パフォーマンス評はいずれもこれまでの彼女のプリマジとは異なったものになっていました。「心がわちゃわちゃしない」、「心拍数の上昇も抑えられている」、「ミスのない上手なステージ」などなど……。プラスの意味でも捉えられる表現ではありますが、こと物語においては当然言葉通りの意味ではないでしょう。プリティーシリーズにおいて「自分らしさ」を捨てることはあまりにも危険。イリュージョンの際に出かかった翼が引っ込んだことが何よりの証左だと思います。
 というわけで、今回の勝者はひな先輩でした。ひとまずは面目躍如となりましたが、本来勝者に送られるはずだったコーデのコーデメイツが何の反応も示さなかったのはなかなか厳しい現実ですね。実質的には勝者不在という扱いであり、彼女たちにはまだまだ超えるべき壁が沢山あることを感じさせます。この辺りはシリーズ序盤であることも踏まえての采配でしょうか。とはいえ、代わって現れた謎のフェニックス仮面から送られたフレアエレメンツコーデはとても情熱的で、ひな先輩に似合う素敵なコーデだと思います。これから先も勝負服として大活躍してほしいですね。

 大会そのものはまつりとひなの一騎打ちになっている反面で、お話としては複数のキャラクターに気になる動きが見受けられました。まずは阿智彦社長とフェスリダ学園長。この2人のきな臭さはますます上昇していますね。コーデや魔法、そういったものをエンターテインメントの「演出」に利用している様から嫌な大人だな~という印象を受けます。「貯めていたワッチャを使って無理やりコーデメイツを解放する」、完全に悪役ムーブですからね(笑)。その先にはさらなる計画を準備していそうではありますが、そこはこれからということで。そして、御芽河関連ではあうるちゃんも久しぶりに登場しました。ワッチャを測定する能力があるのか、いろいろと計画のために使われているのかな?という感じですね。彼女も後半のキーパーソンになるのは確定しているわけで、ちょっとずつどんな子なのか見えてくると良いなと思います。
 前回ラストでこだわりの飴をもって駆け付けた橙真は、そのまま会場にて応援。そんな橙真にちょっかいをかけにくるひゅーいというのはこのところ恒例になりつつありますが……ひゅーいの距離の詰め方ちょっと怖くない!?変なイケメンはプリティーシリーズ伝統ですが、ひゅーいに関しては真意が見えない部分も多いのでもうちょっと行動理念がわかるようになると嬉しい気がします。また、みるき・れもんペアと遭遇した際にはにたんがつぶやいた「チュッピじゃなかったよ~」という言葉はひゅーいのことなのか、橙真のことも指しているのかで重要度が変わってくる不穏な発言。橙真まわりもまだ謎が多いですね。ひとまず今週わかったことは、甘瓜みるきのイケメンセンサーに捉えられているので橙真はイケメン扱いで良いらしい、ということでした(笑)。
 ひな先輩はあまね様と共に怪我の治療へ。「怪我を押しても戦う」というのはドラマとしては盛り上がる流れですが、実際にはあまり推奨されるべきではないので窘めておくのは大事ですね。もうちょっとしっかり怒る人がいるとより良かったかもですが、いずれにせよちゃんとそうしたシーンを挟んだのは一安心でした。そして、その帰りにはジェニファーと直接の対面。「私もあんたも、グランドフェスに出られる最後の年」(=この2人同い年!?)という衝撃発言がありましたが、冷静になると初回エントリーからの年数で制限がある可能性とかもあるので何ともですね。都度言ってはいますが、この辺の設定は機会があれば描いてほしいな、という気はします。
 プリマジへの不参加理由として「プリマジは夢のある人が出るものだから」と回答したジェニファー。今のところは割とアンジュさん(頂点を極めたと感じたが故の燃え尽き)が被っているんですが、今後掘り下げが行われるとまた違う見え方になることでしょう。御芽河とジェニファーの掘り下げ、どちらをどういうペースで進めていくのかまだわかりませんが、今後に向けた2本柱としてどちらも楽しみにしておきます。

 先々への気になる要素を散りばめつつ、フレフェス編は幕を閉じました。しかし、「マジ」で挑んだまつりにとって敗戦のショックは非常に大きく、「もうプリマジをやれないかもしれない」というほどに落ち込んでしまいます。こうしたアスリート同士の競い合い要素はプリティーリズム時代にも描かれていましたが、あちらはその回のうちに気持ちを爆発させて前向きに終わることが多かったイメージなので、「落ち込んだまま次回につづく」展開は割と新鮮な印象でしたね(VSファルル敗戦からの「スマイル!そらみ♡スマイル」とか「アイドル終了ぷり」とか、意外とプリパラ時代の方が多かったかも?)。そんなまつりを励ますみゃむはすっかり献身的なパートナーになったなあと思いますが、そもそも彼女の刺々しい言動はある種の強がりでもあるわけで、まつりの母性がそうした心を少しずつ溶かしていった結果なのかなとも改めて感じられます。というわけで、今度はまつりの悩みにみゃむが立ち向かう番。2人の再起のエピソードは、次回13話に続きます。