しちさん21 (hatena)

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【アニメ感想】『ワッチャプリマジ!』第14話「熱くあやしく麗しく ~あまねのプリマジ~」

YouTube見逃し配信】※2022年1月24日(月)まで


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 新年休み&特別編を挟み、久しぶりの本編再開。「秘すれば花」、ベールに包まれていたあまね様の本格参戦となるエピソードでした。

#14 『熱くあやしく麗しく ~あまねのプリマジ~』

脚本:天真みちる、絵コンテ:誌村宏明、演出:米田光宏

 中性的というか、ガーリッシュさとは異なる魅力を持ったキャラクターはこれまでのシリーズでも定期的に登場していましたが、あまね様はその中でもまた違ったタイプ。周辺環境含めてなんだか別世界感があるほどに突き抜けていますね。通っている学園自体が「いかにも」感すら覚えるほどのお嬢様学園で、俗世とは一風違った独特の文化を持っているように思います。あまり詳しくないのですが、それこそ宝塚とかに近いものがあるのでしょうか?ここまでのプリマジを見ても過去のシリーズを見ても学園パート自体に割かれる尺はさほど多くないとは思いますが、その分メインキャラそれぞれを違う学校にしているのがキャラ付けとして活きているように思います。ひな先輩の荒鷲学園とかね(荒鷲学園は別にヤンキー校ではない)。

 そんな校風に沿うように(?)あまね様を見初めてプリマジの道へと導いたのが花屋敷翠子先輩。かなりの重要キャラですが、現状だと「突然あまね様を後継者に任命する」「留学する」くらいしか具体的な行動がないんですよね。「後継」ということは代々受け継いでいる何かがあるのか、なぜあまね様を知るに至ったのか、なぜ学園を去ることにしたのか……気になる点はたくさんあります。プルミエ・エトワール(「最高の花形スター」ですかね)の称号はどのくらい浸透しているのか、とかも。しばらくはお預けだろうとも思いますが、いずれ再登場する際にはこのあたりがわかってくると良いなと思います。
 翠子先輩に導かれて始めたプリマジだからこそ、翠子先輩が去るのであれば自分も去る。そう語るあまね様でしたが、翠子先輩の教えに従って「隠すこと」を徹底していたが故に、心のどこかにあった寂しさすらも隠してしまっていたのかもしれません。そんな思いを見抜き、ぶつかっていったのはひな先輩でした。これまで翠子先輩のためにプリマジをやってきたあまね様にプリマジをやって欲しい気持ちを伝えるとき、「私のためにやって欲しい」と言い切ったのは強さがありましたね。あまね様を想っての発言ではあるものの、同時にひな先輩自身が未練を残さないための発言でもありました。全然悪い意味ではないのですが、やっぱり利己的な視点のある言葉の方が想いを強く感じられるので、高い説得力があったように思います。あまね様の新しい一歩という意味でも、いきなり「自分自身のため」となるのではなく、「誰かのため」という気持ちは持ったまま踏み出せるのが素敵だなと感じるシーンでした。もちろん、これまで「翠子先輩のため」にプリマジをやってきたのが急に「ひな先輩のため」になるわけではないですが、あまね様の中でとてもとても大きなウェイトを占めていた翠子先輩と新しくぶつかってきてくれるひな先輩、この2人それぞれとの関係性がどう変わってくるのかが今後気になるポイントですね……まあ、すご~~く平たく俗っぽく言うと「元カノと今カノのぶつかり合い楽しみ」という話になってしまうんですけど(笑)。

 あまね様自身や彼女を取り巻く環境はとてもウェットな雰囲気でしたが、それとバランスを取るかのようにAパートのテンションは妙にトンチンカンだったのも印象的(笑)。これまでもコミカルなシーンは多かったですが、今回はプリマジ屈指の常識人として機能していたはずのひな先輩までもが(というかひな先輩が率先して)ボケに走っていたのが新鮮というか、とりとめがないというか(笑)。劇伴も新しいものが使われていましたが、これまでの曲とちょっと雰囲気が違う魅力があったように思います。また、ボケが増えた分、新キャラ・ぱたのもまずはツッコミ役として印象付けられた気がしますね。ぱたのは気弱なイメージもありますが、他のマナマナにも負けないようなアツいエピソードにも期待しています。

 最後に、CGステージについても。今回のプリマジはもちろんあまね様の初ライブですね。「曲の印象が似通ってる」なんて言ってたのも今は昔、あまね様らしい歌劇調の楽曲が初披露になりました。あまね様の低音ボイスがボーカルになるとさらに映えるのも良いですし、お馴染みマナマナコーラスはとても美しく、ぱたのの普段の喋りといい意味でのギャップを感じます。曲調としても重厚なので、コーラスが映えるつくりですね。また、作詞を担当されたのは今回の脚本も担当された元タカラジェンヌ天真みちるさん。あまね様まわりは全体的に溢れんばかりの宝塚リスペクトを感じますが、こうしたところも説得力が感じられる人選でした。

 次回からはいよいよ合宿編が本格的にスタート。といいつつ、いきなり「まったくそりが合わない!」となるのがいかにもプリマジだなあと感じますね。そういう回を最初に持ってくるところから、また「もうやめだ!」というサブタイトルのインパクトからも、この主要登場人物同士の噛み合わなさは自覚的にやっているのが感じられてとても良いと思います(笑)。予告ラストの「刃物を持っている甘瓜みるき」の構図も面白すぎますし、それこそコミカルな回になるんじゃないか、みたいな予想もあって楽しみなエピソードですね。