しちさん21 (hatena)

アニメや特撮系を中心に、楽曲・映画・イベントなどの感想を書きます。

2022/03/14 #オーズ10th を見た

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 オーズは嫌いじゃないけど、立ち位置的に『4号』や『平成ジェネレーションズFINAL』に近いものを感じてあまり食指が進まなかったオーズ10th。結論から言ってしまうと、実際それらに通ずるようなもんにょり感だったり、求める以上にウェットな空気感がある作品だったなというのが正直なところ。尺も映像も、どうしてもVシネの範囲でやれることに収まっちゃうのも大きいと思うし、何より自分が今作に合わせて気持ちを作れていなかった(復習とかもしてない)のが主因だとは思うけれど。

 もちろん、見どころがないわけでは無い。シナリオ面では全体的にアンク視点をベースにすることでTVシリーズの見え方と逆転させているのが面白かった。僕は「続編モノで本編のセリフをファンサービス的にリフレインさせる」のが苦手なんだけど、ゴーダのキャラクターのお陰で自然に見せられているところもあって上手かった(苦手な感じのところもあった)。演出で印象に残ったのは夜の屋上でのアンクと比奈ちゃんのシーン。TV終盤の「3人で手を繋いだ」シーンとの重ね方が綺麗で唸らされた。本編映像を引用しちゃうのは無粋な気もしたけれど……。後は、レジスタンス活動+バース変身から始まる導入はディケイド以前の夏映画、というかそのまんまパラダイス・ロストを思い出してわりとワクワクした。この辺は田﨑監督の面目躍如という気がする。

 ラスト。具体的な展開のバレは踏まなかったけど、「何か爆弾があるらしい」というのは試写会後からうっすら聞こえてはいたので驚きまでは行かなかった(それが良かったのか悪かったのかはともかく)。正直、どちらが綺麗な終わりかと言われたら圧倒的にTV、ないしはMEGAMAXだと思う。見返してないから印象先行だけどね。ただ、それは結論を曖昧にしたからこそ作れたエンドでもあるわけで。長らく「いつかの明日」を追い求めてきた作品の完結編を作るにあたって、誰の目にも明らかなピリオドを打ったことには強い覚悟を感じたし、意味のある作品だったと思う。『仮面ライダーオーズ/OOO』、堂々完結。お疲れさまでした。
 ところで書いてて気付いたんだけど、アンクの時系列で言うと本編→10th→MEGAMAXになるんだね。それを踏まえてMEGAMAX見返したらまた見え方が変わってきそうだなあ。